大銀杏ジュンコ  オオイチョウ・ジュンコ

女性として生きる知恵、大銀杏ジュンコがホンネで書きます。人を傷つけるためではなく、私の理解を深めるために。コメント歓迎!

怖くて聞けない、聞きたくない。

2005-03-30 14:39:37 | 家族というカルト
私たち姉妹は子どものころ仲がよくありませんでした。姉は優秀だけど意地悪でたくさん泣かされました。だけど大人になってから姉がいじわるだった理由も理解できるようになり、同じカルト集団にかつて所属していた被害者意識のようなものを共有するようになりました。姉もかつては私を心のそこから憎く思っていたことでしょうけど、特に私が成人してからは仲良く話すし、旅行に行ったこともあります。私は姉が嫌いではなくなるだけでなく、逆に昔のことを思い出して気の毒にすらなることすらあります。彼女もまた母によく人格そのものを否定されていたからです。

ある日、風邪を引いて熱があった姉は水銀の入った体温計を割ってしまいました。水銀の入った体温計は使う前に振って水銀を圧縮します。ガラスで出来ているので落としたりぶつけたりしたら割れ、人体に有毒な水銀が飛び出てしまうため結構危険です。水銀は空気中で気化してガスの状態でも人体に有害ですから母はすぐそれを片付けなければなりません。一日目は怒られただけで済みましたけど、なんと彼女、翌日にも新しい体温計を同じように割ってしまったのです。

なんで割ってしまったかと言うと、母にギリギリと締め上げられ、泣くまいと堪えながらやけになって体温計をぶんぶん振り回したからです。そんなイライラした状態でしたから割れてあたりまえなんですが、別にわざとやったわけじゃない。それを母がものすごい形相で「うち中の人を水銀中毒で殺す気????」と真剣に、何度も繰り返し聞くんです。んなわきゃねー・・・。

そういえば兄も同じようにやられてました。遠足で虫取りに行って蝶を捕まえてきました。翌日には放してやるように母は言いましたけど、蝶は翌日までももたずに死んでしまいました。兄に蝶を埋めるように指示し、泣きながら穴を掘っているその背中に母は「あなたが殺したのよ」と低い声で言いました。おいおい・・・もう悪いと思って泣いてるやん・・・。今ならそう思えるけど、当時の大銀杏はまだ幼稚園。その母の恐ろしさだけが心に残り、蝶は未だに苦手です。っていうか恐怖症のレベルです。気失いそうになるもん。

ま、それは本題ではなくて、その姉に未だに聞けないことがあるんです。実は大銀杏中学校の卒業文集に将来なりたい職業として「通訳」と書いたんです。人と人のコミュニケーションを橋渡しする「糸電話の糸」になりたいと書いたのです。大銀杏は今通訳ではありませんが、姉は通訳です。姉ちゃん、君が通訳になったのは、私が通訳になりたがっていたからじゃないの?それが聞けん。聞けませんよ、だって「あたりー」とか言われても嫌だし「は?何それ?」って言われても信じられないんですもの。しかもね、大銀杏自分もちょっとそういうことをしてしまう人間なんですよ。人よりちょっと要領がいいところがあるので、いけ好かない人が誰かのことを好きだと言えばちょっかいだして彼氏にしてしまったり(昔の話です)、人が何か習い事をやろうとしてたら「あー、面白そう」とか言って自分のほうが上手になって見せたり。要するに自分で本当にこれが好きということがないから、ヒマ。ヒマだから人でもからかって見るかっていう心理があるんです。

姉ちゃん、たとえそうでも別に恨まないよ。同じ親から生まれた子ども同士、ろくなもんじゃないね。

占い

2005-03-30 13:31:08 | 日々の出来事から
東京にいたころ、いつかやろうと思いつつ、遂にやらずじまいだったことがあります。それは街角に立って「占い」もしくは「人生相談」をすること。私は占う側ですよ、念のため。星座や生年月日で過去を見たり未来を見たりする占いは全く信じません。でも対面で占いをする場合、今のその人から感じ取れる過去、そしてなんとなく見える未来ってあるんですよね。

過去なんてもう変えられないから、当たろうと当たるまいと実際には関係ないけれど、その”人となり”を占い師が正しく読んでいるかどうかの目安にはなります。そこで占い師を信用できれば、今度は占い師の側にとってその人を読みやすくなります。だから占いの最初のほうでは過去を当てて見せたりするんじゃないでしょうかね?そしてそこから推察されるその人の傾向やそれが引き起こす未来をある程度予測することはできるんじゃないでしょうか。

大銀杏、所謂「お水」をしていたことがあるんですけどね、その頃しつこい客を黙らせる手段として占いをよく使いました。占ってあげると言ってその人が隠しているつもりの事実を言い当てたり、繰り返し起こるであろう人間関係のトラブルのパターンを予期したりして結構驚かれました。こっちからしてみると、「あんたみたいな性格の人は最後には人から疎まれるよ」とか「だいぶ会社でカス扱いされてるな」とかその程度のことなんですけどね、ちょと言い方を変えて「過去の誰かの妬みがあなたの信頼を横取りしてます」とか「誤解をされやすいのは自分の中に気づいていない人格が隠れているからです」とか言うんです。そうすれば笑いながらも目が真剣になって「どうすればいいの?」と来るんですよ。「性格直せば?」なんて言っちゃダメですよ。そこでさらっと「ニューボトル入れればいいんじゃないかな?」と切り替えし、笑いを取って金も取る。うまいね!あたし!

なんかこう、心理的なかけひきばかりやってきた大銀杏からすれば、人の悪意を引き出したり善意を引き出したりするのが簡単なように、その人の漠然と持っている不安や恐怖を言い当てるのはそれほど難しくないんです。だけどそんなことをしたら友達だってひきます。でも見えているものを見てないふりをしているのって結構疲れます。だからたまにガス抜きをするために、占いという方法でそれとなくメッセージを発してたような気がします。

ところで最近知り合いが数人で占いに行きました。帰ってきてどことなく嬉しそうに彼女はこういうのです。
「一緒に行った子はお金の話に終始したらしいけど、私はずっと恋愛の話だった。ニュージーランドにはもう私を満足させるものはなにもない、この国はあなたにとって暖かい場所ではない。すぐ日本に帰ったほうがいい。日本で待っている運命のパートナーに早く回り逢って一緒に世界を旅行するのがいいんだって。」と、彼女はまるで「私という素晴らしい人間はニュージーランドにはもったいない」と言われたかのように嬉しそうに言うんです。へー・・・と頷きながら、大銀杏が失礼ながら思っちゃったこと。

 - 英語がカタコトしか話せない30過ぎで独身の太め女に暖かい国なんてどこにもない。
 - 自分で自分の人生を切り開く強さもないなら男に食わせてもらうしかない。
 - 一度海外にかぶれてしまったから日本にいるだけだとプライドが満せない。

こういうことを読み取ったんじゃないでしょうかね。やっぱり占いって、大銀杏にもできそうな気がする。要は言い方ですもの。

ところで、少なくとも会ったばかりの彼女の状況を、その占い師はよく読んでいると思うんです。何年も彼女の事を知っている大銀杏はだからこそ言えることですが、彼女は自分に幻想を抱いているんです。だから彼女は今のままなら、日本以外で幸せになることは実際難しいのです。大銀杏友達に冷たいんじゃないですよ。大銀杏は前から彼女に英語をちゃんと勉強するように勧めているんです。実際日本に帰ったって30過ぎの何のスキルもない女は派遣会社にだって相手にされません。海外に数年いたのに英語が上手にならないのは怠慢以外の何ものでもなく、言い訳の余地はありません。これからお先真っ暗です。男に逃げるしかないんです。そしてそうするしかなかった人に限って、男自慢しかしない女になるんです。そうならないためには、今、スキルを身につけるしかないんです。

人間は見たい現実しか見ませんからね、彼女に「この国にはあたなを満足させるものは何もない」という言い回しでアドバイスするあたり、お見事です。見栄っ張りな彼女が飛びつく言葉ですから。日本に帰れば彼女にも現実が見えることでしょう。ということでね、大銀杏はその占い師私に何を言ってくれるのか、ものすごく興味が沸いてしまいました。早速連絡先をゲットしてまいりましたので、近いうちにそのご報告をいたします。