大銀杏ジュンコ  オオイチョウ・ジュンコ

女性として生きる知恵、大銀杏ジュンコがホンネで書きます。人を傷つけるためではなく、私の理解を深めるために。コメント歓迎!

ホワイト・ナイツ

2005-05-16 22:50:46 | 映画
ニュースを見ようとめずらしくテレビなどをつけたら、スターウォーズ・エピソードIIの放映予告が流れていた。それも今夜放映するという。ニュースが終わったらブログを書こうと思っていたのに、ずるずると映画を見てしまった。普通の人は話しかけられると、注意を払う。テレビは私たちにずっと語りかけてくるものだから、暴力的に私の注意力を削ぐ。

私は映画好きではあるけれど、テレビをつける習慣はあまりない。一人暮らしを始めたときもテレビは必需品だと思っていなかった。自分のために初めてテレビを買ったのは、阪神大震災の時。友達が電話してきて「見ろ」と言うものだから、その足で秋葉原へ行ってBSチューナーやパラボナ・アンテナまで一式揃えた。不謹慎極まりない友達ですみません。

テレビを買ってからも、ふと気付くと何ヶ月もつけていなかったりする。そうかと思うと明け方まで見ていることもあるけど、ドラマの曜日も覚えられないし、やっぱりテレビを見る習慣が「ある」とは言えないと思う。慣れていないからこそ止め時がわからず、一度つけると眠くなるまで見てしまうのかもしれない。ということで、私にはやっぱり2時間で終わるビデオ・DVDが丁度いい。

最近仕事を減らして時間ができたので、映画をまた見始めた。昨日は「ホワイト・ナイツ」という昔の映画を借りて見た。20年前に見た時と変わらず、この映画は面白かった。20年前と言えば、ベルリンの壁だってちゃんとドイツを東西に分けていた時代。核弾頭の載ったミサイルが空を向いていた冷戦時代の、あの緊迫感が想像できる世代には、亡命がらみのこの映画はある意味なつかしいのではないか。

ロシアからアメリカへ亡命した世界的に有名な男性バレエ・ダンサーが、飛行機の事故でロシアに不時着してしまい、軟禁状態になるところから話は始まる。監視の目を逃れて再びアメリカ大使館に駆け込むまでの緊迫した空気の中でストーリが展開していく。彼の説得役を命じられたのはニューヨーク出身の黒人タップダンサー。黒人差別に打ちのめされ、平等を掲げる社会主義に理想を見出し、ロシアに亡命した彼とのやり取りも、差別を多少なりと経験した心をかなり深くえぐる。そして圧巻なのは主役を演じ、踊るバリシニコフ。実際にアメリカへ亡命したこのバレエ界のスーパースターは、20年の時を越えてなお、大銀杏の背筋に電気を走らせてくれた。

笑いすぎ・・・

2005-05-15 21:23:49 | 日々の出来事から
小学生の給食時間、「いただきます」の掛け声と同時に男子に混じって牛乳の一気飲み競争をやっていた大銀杏は、公衆の面前で鼻から牛乳を吹いた事がございます。ええ、一度や二度じゃございませんとも。まぁ、まだ女にもなっていない頃のお話ですから、許されて?

トッカータとフーガのメロディーで、「ティラリーン・・・鼻からぎゅうにゅーーーぅ・・・」という定番で、ぶほっ!「大銀杏メスゴリラ」とボソッと言われた時はぐっと耐え、「ヨシッ行ける!」と油断したところで、ぐふっ!メスゴリラなんて全然おもしろくなかったけどサ、立って牛乳イッキしているやつらがいっぱいいる中で自分だけがターゲットにされたことになんだか興奮しちゃってさ・・・。注目を浴びている自分を意識したら笑っちゃったんだよね。いやー、あの頃あたしは青かった。

あー、うちの兄ちゃんは私が麦茶を飲んでいたら後ろから突然、「ハオッ! インディアン 髪の毛でケツを拭く!」と声をかけてくれたことがある。兄ちゃんは他にもいろいろいろいろネタを提供してくれたんだけど、これ以外どうしても思い出せないのが残念。因みに、この「インディアン髪の毛で・・・」ネタを給食の時間に披露しても、誰も吹き出してくれなかったんですよね。大銀杏が早口すぎて伝わらなかったのか、はたまた彼らの頭の巡りが悪くて瞬時に理解できなかったのか・・・。私的にはスマッシュヒットだったんだけど。

一回笑い出すと結構止らないほうです。頭の中で繰り返し再生して笑い続けるタイプ。結構それで失敗したこともありますよ。

さかのぼること20年ほど、私が中学生だった頃。私立高校を受験する生徒のために、教頭先生が希望者に模擬面接をしてくださることになった。とりあえず無料なら何でもやっておけという貧乏症の私は、面接で不安に思うことなど何にもなかったにもかかわらず、仲良しの圭子とノリで申し込んでみた。お決まりの質問「愛読書は?」という質問に、私が「ミヒャエル・エンデの『モモ』です」と答えると、当時かなり流行っていた本だったにもかかわらず教頭先生は「え?もも?ももって食べる桃ですか?」と大真面目に聞き返された。箸が転がってもおかしい年頃の私は、圭子と共に大爆笑。一応緊張した面持ちだったのに、後はただ笑うだけで模擬面接を終えたのでした。

でね、滑り止め高校の受験、偶然にも圭子と受験番号が並んでいたんです。当然面接も同じグループ。これだけでも大ウケでしたよ。圭子ちゃんも私も試験や面接であがるようなタマじゃなかったので、「あたしがモモって言っても笑わないでよ!」「無理!モモだけは勘弁!」と大騒ぎしながら順番を待ちました。面接は一人の試験官が5人の受験生に対して質問をし、順番に答えていきます。私は4番目、圭子は5番目。いざ面接室に入ると、名前と出身校と聞かれた次の質問が、この「愛読書は?」でした。来たな!笑っちゃいけねぇ!と身構える私達の耳に飛び込んできたのは、最初の受験生と試験官のやりとり。

「モモです」「ももですか?」「いいえ、モモです」「ももですね?」

予期していなかったタイミングでのNGワードの連発に、二人ともマッハで爆笑モード。自分だけならまだ抑えきれよう腹筋の振動も、隣で肩を震わせている圭子ちゃんがいたのではお互いの存在が笑いの増幅マシン。一瞬笑いを抑え込めた!と思って真面目な顔を上げても、その瞬間に圭子ちゃんの肩が震えているのが目に入ったりしたら、またもクックククク・・・・・・。で、そんなことを何度か繰り返していたら、「いいかげんにしなさい!」と面接中に怒られたのです。いやぁ、あれはもう楽しい思い出と言うよりは、笑いをかみ殺さなければいけない拷問にあったと言うほうがぴったり来る気がします。苦難の果て(?)に、ちゃんと合格しましたよ。

そして事故

2005-05-03 10:15:35 | 日々の出来事から
要するに乱暴なんですね、私の運転。とうとう事故り、私の愛車は一瞬で廃車になりました。別にブログのネタに困って車でイタズラしているわけではございません。最近このままではいつか大事故に・・・なんて自分の運転の危険性を自覚しながらも、限界への挑戦は日ごとエスカレートしていたんです。急な上り坂、濡れた路面、カーブ、追い越し・・・というキーワードにより、ごく単純に思い起こせる事故を想像して下さい。それが先日の私の、早朝のできごとでございました。

その朝目覚めたのは4時半。休みになると早起きをする人としてフラットメイトに迷惑がられる大銀杏も、さすがにこれほど早く起きることはめったにありません。その日は来るまで片道2時間半ほど離れたファンガレイ(Whangarei)という、オークランド以北で最大の町まで出張が入っていたのです。朝9時に現地に到着するには6時半に出発しなければいけない。34歳の大銀杏には顔面塗装という工程が入るため、逆算して5時半には起床になるんですが、なんかこう、特別な予定が入ると子供のように興奮して早く目覚めてしまうたちなので、ただの出張なのに4時半ごろ柄にもなくバチッと目が覚めたんですよ。

しかもこの日は大銀杏の記念すべきパートタイム一日目。こう言うと大銀杏は今まで失業していたのかと思われそうですが、大銀杏はフルタイムで働くサラリーマンからの脱却方法を模索するため、自ら給料半分・労働半分を申し出たのです。そのためのパートタイム化。仕事の内容は変わりません。しかしこれからは物書きとして皆様に楽しんでいただけるようなネタ探し、発表できるようなコネ探しを本格的に・・・と志高く思っていた矢先・・・命張ってネタ提供してどうする!?

私が住むオークランドから1時間半ほど北上した地点でコントロールをロストした瞬間、あ、滑っているな、戻れるか?無理か?と自問自答。車体が回転し、左側にせり上がっていた土手が右側に来たのを見て衝撃に身構えると、ドカドカ!っと車が私をシェイク。車ごと回転しながら土手に突っ込みました。視界がなくなり側頭部をガラスに打ちつけ、ぐっはー・・・!!と思ったときにはすべてが終わっていました。

車は進行方向とは逆を向いて停止。とりあえず車内から脱出し、現世の至宝大銀杏の状態をチェック。幸いなことに完全な姿が保たれていました。目立った怪我はないとは言え、時速90キロからいきなりゼロに近いスピードになる衝撃はなかなかのもの。スキーでクラウチング姿勢のまま派手に転んだ時ぐらいの衝撃、と言えばお解り頂けるでしょうか。見ると車はタイヤがもげ、エンジンはかかったまま。えーっと、エンジン止めてー・・・、それからぁ・・・と大銀杏が探し出したのが、デジカメ。

最近ね、運転中に窓からカメラ出してピコピコ撮影することに熱中しているんです。そのうち事故るだろうと自覚していた最大の理由が、それ。この前は橋を渡りながら撮影していたら、欄干に激突しそうになりましたしね。何しろ現像が不要なデジカメは基本的に何枚取ってもコストは同じ。だからファインダーを覗いてシャッターチャンスを考えるより、盲目滅法ピコピコと撮りまくり、後で使えそうなもの以外を削除するのが正解。だいたい1日に150枚ぐらいは取っていたと思います。それぐらい撮れば2・3枚は使えるものです。今回自分が事故っても、最初に探したのはカメラでした。見るとバッテリーケースが多少凹んでいるものの、カバーをスライドさせればシャッキーンと撮影モードに。やっぱMade in Japan。したら撮るべぇ・・・と、早速撮影開始。これには救助のために停まってくれた見知らぬキウィ達(ニュージーランド人)もびっくりした様子。見通しの悪いカーブだけに、上でも下でも交通整理をしてくれているのに、事故を起こした本人は車の周りをグルグルピコピコ、ですからね。

そうそう、現場は山の中だと思っていたけれど、北島は利用できる土地のほとんどは農場として開墾されているため、思わぬところに家が隠れていたりするのです。事故地点の林のすぐ裏にも家があり、そこに住むランス君は、出勤しようと自宅の敷地から国道に出る出口で車が途切れるタイミングを図っていたところ、目の前で事故を目撃したそうです。真っ先に駆けつけてくれた彼ですが、ランス君の手は震え通し。なんで君はそんなにキュートなんだ!と胸キュンでした。新しい恋でも始まるのかと思ったら奥さん登場。あれやこれやと指示してくれるのはいいけど、これが相当なおせっかい。私は自分の保険会社に連絡して指示を仰ぎたいのに、どこぞのレッカー車まで呼ばれてしまった。金払うのはあたしなのよぉーーー!と大銀杏キレ気味。通りすがりの車もどんどん停まって助けてくれるし、大勢の人が車を路上から撤去するのを手伝ってくれるのはかなり嬉しいけど、この非常事態において他人に指揮を取られているというのがちょっと不安。やっぱり現場の指揮はこのワタクシが直々に取った方がいいんじゃないかと思い始めていました。

通る車がみんな顔から少々血を流す大銀杏を見ていくし・・・、と人の視線を意識した瞬間、いやぁぁぁぁああ~!!!あたしってば、黒いストッキングに車内専用のベージュのビーチサンダル履いてるのよぉぉおお~!!!今日は黒いタイトなワンピースに今年一番のお気に入りのカーキ色のジャケットを着て、ヒールにストラップがついたかなりフォーマルな黒パンプスで決めていたはずなのに、黒タイツに肌色のビーサン。現場を勝手に仕切っていたお姉ちゃんが「車に近づいてはだめ!」と私に言うけれど、あたしの車だい!っと無視して車に近寄る。運転席のドアが開かないので片っ端から引っ張り、開いた所から乗り込んで黒い靴を探す。すべてのものは4駆の車の一番後ろに吹き溜まっていて、その中から1ペアの靴を探すのはちょっと大変でした。フラットメイトが前日作ってくれたお稲荷さんとかに混じってたしね。

自分の指示を守らずに、あろうことか靴を履き替えてきた大銀杏を見て、田舎の仕切り屋姉ちゃんはそうとうムッとしていたけど、ごめん、あたしそういう人だから、と見ないフリをする。非常事態だからといって人生は続くしブログも続く。別にこの状況で男をひっかけようと思っている訳じゃないけど、死んでないなら女も捨てられないのだよ。

結局ね、タイヤももげちゃって動かしようがないので、駐車違反車を引きずり去るようなTow Away Truckではなく、ウィンチで荷台に車を引きずり上げる正真正銘のWreckerに載せられて、車は大銀杏ともども近くの村まで連れて行かれました。そこから保険会社に連絡をし、保険申請までのプロセスを確認してからInterCityというニュージーランドの長距離バスを予約。お兄さんたちは親切だし、インフォメーションセンターではオフィサーが出てきて荷物を持ってくれた上、彼のオフィスに大銀杏の荷物を保管してくれると言うし、ね、靴履き替えてよかったでしょ?

会社には車がないから出張がキャンセルだと告げ、フラットメイトにオークランドのバス停まで迎えに来てもらえるように頼み、病院に行き、うちに帰ったのは4時過ぎ。事故から実に8時間も経っていたのでした。本当に長い一日だったよ。翌日はお決まりの鞭打ち症状が出てヨレヨレ。やっと復活してきました。
さ、次はどんな車買おうかなぁ?