大銀杏ジュンコ  オオイチョウ・ジュンコ

女性として生きる知恵、大銀杏ジュンコがホンネで書きます。人を傷つけるためではなく、私の理解を深めるために。コメント歓迎!

完全失業

2005-11-02 17:48:11 | 日々の出来事から
6週間ほど前にボスから呼び出され、解雇したいから明日から年休を取ってくれと言われた。ちょうど風邪を引いていたし、フラメンコの発表会が迫っていて衣装作りで忙しかったから、これ幸いとばかりに没頭した。その発表会も3日前に終わり、ふと気付けば有給も使い切っていたらしく、昨日会社から正式に文書で解雇を通告された次第。大銀杏ジュンコ、女35。未婚・子なし・無職・無収入。すみません、恋人も家族との交流もありません。

さぞや惨めな気持ちだろうと思われても仕方が無いこの状況で、私は人生でもめずらしいぐらい穏やかな気持ちでいる。不安はあるけれども不満があまりないからかもしれない。確かに朝寝坊をしてしまうと、将来に向かって何も努力していない自分を責めてしまうけれど、すぐにどこから「いじめないでー」って声がする。本当にするんです。これは私が自分自身に語りかける声。日本を出て4年、死に場所を探しに出てから4年、私も変わったものだと思う。

3年前の冬の夜にはまだ、結露した窓に「殺」とかたくさん書いてた。大きな紙に「失敗作」と書いて自分の頭に貼り付けてぼんやり座ってた。自分を救うために動き出すことができなかった。自分を励ますための言葉は「大丈夫、バレない」。苦しんでいることも、死にたいことも、誰に一人にも言えなかった。こういうことをして、ああいうことを言っていれば普通の人だと思ってもらえるに違いないと思うことを、一生懸命やっていた。私の心と全く無関係な人間を演じ続けていた。

わりと最近、ダニエル・キースの『24人のビリーミリガン』を読んだ。レイプ強盗という凶悪犯が、多重人格を理由に無罪となる。多重人格が形成される背景にあった虐待についても、そして犯罪を犯したものに対する社会の反応についても、考えさせられることが多かった。私は多重人格ではないけれども、自分の中にやっぱりたくさんの独立した人格がいて、誰が現実との対応に出るのかは状況に応じて変わっている気がする。「心を入れ替えて」なんていう表現があるのだから、そういうことは誰にでもあるものだろう。とりあえず、それらの人格が傷つけあうことではなく、励ましたり庇ったりすることを覚えたらしいので、物心ついて初めてかと思われるくらいの平和が私に訪れている。


・・・・・・・・死期とか近づいてんのかな?

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