クランクケースとシリンダーのチェック

2007-06-16 | Weblog
今日はまず先日分解したクランクケースと本日分解するシリンダー周りの部品が痛んでないかどうかチェック。


◎ クランクケース/メインベアリング:



ケースを両側に付いているメインベアリングにクランクをはめ、回してみてチェックする。まだまだスムーズに回る。痛んでないとの判断でここは交換しない。コマンドのここのベアリング(Superblend Main bearing:ローラーが樽型をしておりクランク軸のたわみに対応する方式)は優秀らしく、トラのクランクケースでも片側をこれに換えたりするらしい(要加工)


◎ クランクケース/カムシャフト:
カムシャフトを差し込み、ケースを合わせて回す。ブッシュもシャフトもガタなし。ここも状態良好の為、交換せず。


◎ シリンダーバレル/タペット:



タペットの位置はシリンダーバレルをひっくり返したココ。ここもガタなし状態良好。再使用はもちろん、このまま外さずに組み上げることとなった。素晴らしい。ちなみに、ここにガタが来ている場合、わずかにオーバーサイズの新品タペット購入して内燃機屋に持ち込み、ぴたりと合うように加工してもらうものらしい。


◎ ピストンとシリンダー内部の計測:


<シリンダーバレル内部の模式図>
上はピストン(もといピストンリング)が当たって摩耗する部分
下はピストンが接触しない部分なので(図では外に出ているが本来ならピストンは色付きの部分に収まっている)摩耗しない部分

…で、この上下両方の径を計測。その誤差が1/1000以下ならOK。それ以上の誤差があるならボーリング、という寸法です。結果は、ここも問題なし。

そんなわけでチェックしてみたらほとんど再使用することになった。交換はピストンリングのみ。30,000km走っているわりには状態がいい。校長曰く「乗り方が良かったのと、ちゃんとオイル交換をしていたんでしょうね」とのこと。オイル交換はかくも重要なものらしく、これをマメにやるのとやらないのでは雲泥の差。交換の目安は始動回数に準じ、エンジンが冷→熱を繰り返すほどオイルは痛んでいくので都心で通勤などに使う場合1,000km毎に変えるのが理想的なんだとか*。コマンドはオイルフィルターも付いているのでこれも功を奏している。あとエアフィルターもないとあるでは大違いなんだそうです。まあ、古いバイクだし、壊れると面倒なのでそのへんの日常メンテナンスはこまめに。


* アルミの熱膨張があるため、冷間時ピストンとシリンダーの間には隙間がある。始動時にはその隙間からガソリンが落ちてきてしまい、オイルと混ざってオイルを痛める。スラッジにしてもオイルが冷えてよく回らない間にも機関運動は続くわけで、主にそのときに出るのであろう。…というわけなので冷→熱を繰り返した回数がそのままオイルのダメージとなるらしい。同じ1,000kmでも高速巡航して500km×2で1,000kmになった場合は変える必要はない。逆に1,000kmに満たなくとも、通勤使用の場合は季節ごとに交換することが望まれる。交換は全交換が原則。ガソリンやスラッジの除去清掃にならないので注ぎ足しは不可で。…以上校長の話に推測を交えて。

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