実家の母が「買い物につきあって」と言う。
実は、私はショッピングが苦手だ。
服だの靴だのバッグだの…あてどなく探し、
人込みをうろうろ歩き回るあのエンドレスな感じが何とも…。
母は楽しそうだから、まぁ、いいんだけどね~。
そして、私にまであれこれ買ってくれようとするけど、
私はホントに、今ある服で十分なんだよね。
「もっとオシャレしろ」って言われるし、
したら楽しくてテンション上がるのも知ってるけど、
むしろ、母には自分のためにお金を大事に使ってほしい。
書いていて、つくづくかわいげのない娘だね(^^;)。
でも、ホントにね~。
愛情だとはわかってるんだけど、
いらないって言ってるのに買ってくれたがるし、
同じような服を持ってるのに
「これいいね!」とか言って、すぐ買いそうになる。
かくして実家に帰ると
「これもらってくれない?」と
ほぼ新品のセーターやシャツが畳んである
…嗚呼。
さらに、いよいよ買うとなれば、
どっちが出すか、レジで絶対モメる。
店員さん、きっとうんざり。
今日も、いいって言ってるのに
帽子屋さんで「アンタもひとつ買い?」って、
ベレー帽とか買ってもらってしまったよ。
まぁ…気に入ったからいいや。うん、ありがとう。
散財してほしくないけど、
母の喜ぶ顔が見られるのは嬉しいこと。
歩き疲れて「お茶にしよう」ってなった時、
買い物を打ち止めにするべく、
「おかーさんの話が聞きたいわ」とリクエストして、
お茶タイムを長引かせる作戦に出てみる(^^)。
おかーさんの生まれる前のこと、何か聞いてる?
一番小さい頃の記憶って、何?
小学校の時ってどんな子やったん?
子どもの頃は兄弟仲良しだった?
就職はどうやって決めたの?
新婚生活ってどんなだった?
…などなど。
戦時中に生まれた赤ちゃんが少女になり、
娘になり、大人になり、結婚し、
子どもを育て、巣立たせ、
ゆっくり年を重ねてきた、目の前にいる女性。
年齢を重ね、耳も遠く目もかすみ、
階段では手すりを手放せなくなった白髪の女性に、
溌剌としていた頃の、格好いい女性の写真がかぶる。
私が聞くごとに、
母と娘という役割を越えて、
いろんな肩の荷を下ろして、
正しさや建前の鎧も脱いで、
1人の人として、私の知らなかった話や、
その時どう感じてきたかを、
誠実に話して聞かせてくれた。
小さな人生なりの、波乱万丈。
その時々の、ビビッドな喜怒哀楽。
この素直な人に愛されて育ったんだな~と思う。
ああ、大切な人!
買い物はなるべくご遠慮申し上げたいけど、
こういう時間とセットなら、喜んでつきあうわ。
ベレー帽もいいけど、
こういう話の方が何倍も嬉しい!
親の話って、あらためて時間を作らないと
なかなか聞く機会がないものです。
秋の夜長、みなさんも、
親に限らず、身近で大切な人の話を、
ゆっくり聞いてみてはいかがでしょう?
▼本日のフォルメン 71/100
自分が納得した美しい法則に沿って、
空間をどんどん突き進み、
シュプールを描きだす気持ち良さ!
※「何コレ?おもしろそー」という方は、
コチラをどうぞ。
私にとっては、
心を整えるヨガであり、瞑想の時間です。
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