ケータイ捨てた人と待ち合わせ

テレビ、掃除機、炊飯器、
「若いのがいい」という価値観、
「高学歴を目指すのが当然」という価値観
「就職は大企業に」という価値観…。

いや、後から３つは、
捨てるというより、手が届かぬー。
あ、でもそれをコンプレックスに思うことなくて。

いろんなものを手放して、
どんどん自分になってきた今、
「捨てちゃえ捨てちゃえ」というフレーズを
企画案を書いてしまうほど身軽で心地よい。

でも、去年の台風で何日か停電が続いた時、
「ケータイは手放せないなぁ」と思ったのです。
あたかも、その充電が切れることが
社会とのつながりも切れるのとイコールだ、
とでも言うように。

だけど、金曜日にお会いしたKさん、
ケータイ持たない方だったんですよねー。
テレビ持たない人は増えていますが、
ケータイ持たない大人は、絶滅危惧種です。

Kさんは、
「学生時代はケータイ持ってたけど、手放した」、
という、まだお若い方。

会う約束をするにも、
おうちに電話して、ご家族の方と挨拶して、
電話に出たがる小さなお嬢さんとも一言交わして…
という手順を踏むのが、なんだか懐かしい。

おうちの雰囲気がわかって、
親しみがわきます。

青少年よ、
昔はデートの約束をする時、
相手の家族のガードを突破してこぎつけていたのだよ。
んで、相手の家族と自分と、お互い常識レベルを垣間見てるから、
面倒だけど、安心な部分もあったのだよ。

さて。

ケータイを持たない方との待ち合わせは、久しぶりです。
「今、どこらへんにいます～？」というわけに行かないので、
時刻５分前に指定の場所に到着。
人の時間をいただくには、大変つきづきしい、
いい感じの緊張感です。

あら、いない？？　
うっそーー。
連絡付かないわ。
ウロウロするか、ここで待つか？

そう迷いながらウロウロして2分後。
非通知から着信。
基本的に、非通知は出ないのですが、
そっか、公衆電話！

無事に出会えて聞くと、
「みなさんがケータイ持っておられるので、
こっちが困ることはないんですよね」と、
さわやかにお話されます。

「ケータイ持たなければ何が違いますか？」
と聞いてみたら、
「その場で、すぐに調べられないから、
家に帰って調べ物をするまで、
自分の中で熟成するものがある」と。

他にも
「前より人とていねいに付き合うようになった」
「身の回りに伸ばすアンテナが増えた」
「人の話を落ち着いて聞けるようになった」
などなど、考え考え、違いを探していただきました。

そこから、
便利って何だ？　テクノロジーって何だ？　
人って何だ？　どうせ自分を使うなら世に役立ちたいぞ、
と、テツガク的に盛り上がり、
あっと言う間の約2時間。

あー楽しかった。

去年（もう一昨年？）ガラケーからスマホに変えて、
気軽に暇つぶししすぎる自分に思いを致し、
「そうそう、コレがイヤだから、
ガラケーにこだわってたんだよ、私。
こういうお気楽な暇つぶしするほど、
日常が大変なワケでなし！」と反省し、
ゲームと動画サイトを全部消したのでした。

あー、スッキリ。

私という人間の成長につながりますように。
そして、その分、世に役立てますように。

あー、でも
少しは努力するけど、打たれ弱いから、
できたら、あんまり無理のない形で（^^）。


※
これ書いて1週間後にお時間いただいた方も
ケータイ持たない人でした。
しかも、メディア関係でガンガン仕事してる人。
自由だーーー。