閣議決定した地球温暖化対策基本法案の主な内容
政府は10年3月12日の閣議で地球温暖化対策基本法案を決定しました。主な内容は2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比25%削減する。具体策として原子力発電の推進、温室効果ガス排出を売買する国内排出量取引制度の創設。地球温暖化対策税(環境税)の11年度実施。家庭用太陽光発電について、電力会社に全量固定価格買い取り制度の創設です。
推進は多難
①25%削減目標は「すべての主要国が公平で実効的な温暖化防止の国際枠組みを構築し、温室効果ガス削減で意欲的な目標に合意すること」の条件付ですから「意欲的でない」を理由に目標を引き下げる可能性があります。世界の様子を見てからということです。
②25%削減は国内対策(「真水」)で達成させるのか、京都メカニズムを利用するのか。利用する場合、どの程度の規模か(現在10%を考えている様子)。もし京都メカニズムで10%を確保するとした場合、費用は1兆円以上必要。その財源確保は?
③国内排出取引制度は排出総量規制が実施されて機能します。しかし生産量当たりの排出量規制も検討する。としている。この場合、増産すると排出総量は増加し、国内排出取引は機能しなくなります。
④原発推進を明記しましたが原発は「エネルギーを安定的に確保する」役割は果たせません。安全性の問題がありますがコスト、原子炉の廃炉処分費用、高放射性廃棄物の処分は未解決です。民主党の政策は「国が技術の確立と事業の最終責任を負う」としていますが、この費用は天文学的数字と言われています。現在、原発コストは火力発電など他の電源のなかで一番安価と宣伝しています。それはこれら将来コストなどいっさい含まない計算です。また原料のウラン資源は稀少鉱物で産出量はごくわずかです。現在でも需要に供給が追いつかない状態で、ウラン価格は右肩上がりで上昇。このウラン市場に投機資本が参入。ウラン注文はこの投機筋が電力事業者の注文を上回る事態になっています。原発は最終処分、原料の確保、価格の面でも「安定確保」はできません。
⑤全量固定価格買取制度の対象エネルギーが明記されていません。「再生可能エネルギー」の文言を使うのであればすべての自然エネルギー(水力、風力、太陽光、バイオ、地熱など)を対象にすべきです。その場合RPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)は無用ですから廃止すべきです。
★25%削減問題は「25%削減実現しよう会」で連載中です。容量が大きいのでパソコンからお入りください。
政府は10年3月12日の閣議で地球温暖化対策基本法案を決定しました。主な内容は2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比25%削減する。具体策として原子力発電の推進、温室効果ガス排出を売買する国内排出量取引制度の創設。地球温暖化対策税(環境税)の11年度実施。家庭用太陽光発電について、電力会社に全量固定価格買い取り制度の創設です。
推進は多難
①25%削減目標は「すべての主要国が公平で実効的な温暖化防止の国際枠組みを構築し、温室効果ガス削減で意欲的な目標に合意すること」の条件付ですから「意欲的でない」を理由に目標を引き下げる可能性があります。世界の様子を見てからということです。
②25%削減は国内対策(「真水」)で達成させるのか、京都メカニズムを利用するのか。利用する場合、どの程度の規模か(現在10%を考えている様子)。もし京都メカニズムで10%を確保するとした場合、費用は1兆円以上必要。その財源確保は?
③国内排出取引制度は排出総量規制が実施されて機能します。しかし生産量当たりの排出量規制も検討する。としている。この場合、増産すると排出総量は増加し、国内排出取引は機能しなくなります。
④原発推進を明記しましたが原発は「エネルギーを安定的に確保する」役割は果たせません。安全性の問題がありますがコスト、原子炉の廃炉処分費用、高放射性廃棄物の処分は未解決です。民主党の政策は「国が技術の確立と事業の最終責任を負う」としていますが、この費用は天文学的数字と言われています。現在、原発コストは火力発電など他の電源のなかで一番安価と宣伝しています。それはこれら将来コストなどいっさい含まない計算です。また原料のウラン資源は稀少鉱物で産出量はごくわずかです。現在でも需要に供給が追いつかない状態で、ウラン価格は右肩上がりで上昇。このウラン市場に投機資本が参入。ウラン注文はこの投機筋が電力事業者の注文を上回る事態になっています。原発は最終処分、原料の確保、価格の面でも「安定確保」はできません。
⑤全量固定価格買取制度の対象エネルギーが明記されていません。「再生可能エネルギー」の文言を使うのであればすべての自然エネルギー(水力、風力、太陽光、バイオ、地熱など)を対象にすべきです。その場合RPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)は無用ですから廃止すべきです。
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