どうも、ジローです。
今日は、久しぶりの民族音楽系Youtube動画。例によって、深夜コーサカスあたりの動画を徘徊しておりましたところ、何やら普段見慣れぬ雰囲気の動画に漂着。
んんっ? これってアルメニアなのか。アルメニアって、これまであまり縁がなかったというか、ジヴァン・ガスパリアンなんかのドゥドゥークくらいしか知らなかったけど、こういう感じの踊りの文化があったとは。
しかしこれ、明らかにバレエ的な演出が入っているけど、単に現代的な踊りということなのか、それとも民族的なルーツがある踊りなのか、しばらく悩んでしまいました。
Armenian "BERT" Dance Ensemble, - "Haykazunner" - Հայկական պար "Հայկազուններ"
と、程なく(というか、すぐに関連動画も出てきたりして)、これは「BERT」という演出家付きのグループの踊りではあるが、ちゃんとしたルーツがあって、元々アルメニアの戦いの踊りらしいことが分かったわけですが、しかしこれ、ホントに一種のラインダンスというか、戦いの踊りだから男っぽいのは確かにそうなんだけど、しかしこうした隊列を組む以上、どうしても女性たちのラインダンスと共通の要素が出てきてしまって、ちょっとかわいいなんて思ってしまいました。
で、バレエ演出抜きの本来の踊りはどうだったのかというと、例えば下の動画なんかかなり生っぽくて、濃い雰囲気が出ているのではないでしょうか。
ARMENIAN MILITARY DANCES (Ճանապարհում ենք բանակ)
まあ、こうして見てみると、ラインダンスというより、肩を組んだりして隊列を作って踊るという表現のほうがいいのかも知れませんね。そして、正面の相手と対面する場面では、肩をぶつけたりして戦いを模したような動きも混じるということなのか。
しかしこの踊り、ふだんグルジア好きとしてはちょっと思ったのですが、隣り同士の国なのに全然コサック感がないというか、まるで雰囲気が違うように感じます。この両国、近い割りに文化的にはもしかしてけっこう異質なのでしょうか。まだ、全然よく知りませんが。
そして次に見つけた、軍隊の人が中心になっているけど、街中でみんなで踊る動画がちょっと興味深い。というのは、グルジアだのアルメニアだのって、何にも知らない割りに勝手に封建的なイメージを抱いたりしていたのだが、こうして大勢の男女が混じっていっしょに踊ったりする動画がたくさんあって、その点、いつもけっこういい印象を持ってしまいます。
KOCHARI, YARKHUSHTA BY ARMENIAN SOLDIERS
そして、今日の最後に、下の去年のクリスマスの時の動画。実は、いろいろ見た中でこれが一番気に入ったんだけど、こうしてみんなで集まって新年を祝う雰囲気が、まだ素朴な人の繋がりがしっかりと残っているところが良く出ているというか、とてもいいなあと思ってしまった。
そしてこの踊り、こうした行事にも使われるということは、単なる兵士の踊りというよりは、ある種日本での盆踊り的というか、国民的な踊りみたいなものに近いんじゃないかとも思ってしまった。
CHRISTMAS IN ARMENIA - 2018 | ՍՈՒՐԲ ԾՆՈՒՆԴ - 2018
そして、最後に突然あまり関係ない話に飛んでしまって恐縮なんだけど、この真冬のアルメニア(エレヴェン?)の空気感。個人的に、非常に沁みてくるのですよ。
例えば、このお祭りが終わって閑散としてしまったこんな広場に(ここはかなり都会だけど)、枯れ葉が風に吹かれていく音や、ひと気のない中たまに道行く人の靴音が石畳に響いてきたり、・・・という情景を想像してみると、何だかキュンとしてきてしまう。
いやあ、この鄙びて寂しい感じというかセピアっぽい薄い明るさというか。実はこれって、昔の一時期かなりたっぷりと耽溺した、アンゲロプロスの映画の中のギリシャの空気感に、かなり似ているように感じるのです。
そして、そう思って気づいてみると、ギリシャとアルメニアって、トルコを挟んでその両隣というか、緯度だってほぼ一緒。その辺りの地域に共通した文化的な要素っていうのもけっこう強いんじゃないかとも思ったりしました。
いやあしかし、それにしてもアンゲロプロス・・・。こんなことを考えている間に、何だか急にまたアンゲルプロスのさびれた風景の中に帰っていきたくなってしまいました。一体もう何年、遠ざかっていたんだろう・・・。
το ταξίδι στα κύθηρα
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます