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Elkar |
今日は、以前から大好きなCDを聴いてみる。
多分、ずっと休止中の旧HPにも取り上げていたと思うんだけど(スミマセン、早くどこかのHPサービスで復活しようと思いつつ、ずっとサボったまま)、これはもう「殿堂入り」のCDと言っていいというか。過去に何度聴いたことだろう。
で、内容としては、これはオラツ・ズカスティというバスク地方の女性シンガーによる、バスクの伝統的な子守歌をケルティック・ハープの弾き語りで演奏したディスクで、以前は国内盤も出ていました(数年前だったか、一時中古屋でよく見かけた時期があったんだけど、それがいつも捨値みたいな値段で「なぜだ?」とひとりで憤慨していました)。
ただ、解説にも書いてあるけど、バスクはもともとケルト文化圏ではないので、ケルティック・ハープ自体ももともとバスクの楽器ではなく、こうして伴奏に使ったのは彼女のオリジナルとのこと。しかし、聴き始めるとどれも本当にいいメロディばかりで、またケルティック・ハープの音色も実に良く合っており、そんなことはどうでも良くなってしまいます。
そして、最初に聴いた当時いちばん驚いたのは、バスクというそれまでは時折ニュースで聞く過激な独立運動での「無骨」なイメージや、それまでわずかに聴いていた「バスクの音楽」的な網羅的な民族音楽音源からは全く想像もできなかった、こんなにも優しい子守歌がたくさん隠れていた、ということ。
この点、たった2,3枚CDを聴いただけでバスクの音楽が分かったような気になっていた自分を恥じるとともに、このようなレコーディングがなければ、ずっとこのようなバスクの子守歌の存在を知ることもなかったわけで、このCDとの出会いは、本当に得難い機会だったと思わずにはいられませんでした。
そして、世界のほかのいろいろな地域でも、このような子守歌が眠っているのではないかと、想像が広がっていったものでした(といって、その後探索が全然進んでいませんが)。
あと、直接CDには関係ないけど、「子守歌」ときくといつも思い浮かぶ言葉があって、それは「子守歌とは自分のためでなくひとのために歌われる歌であり、だからこそ尊いのだ」というもの(最初どこかで知ったのかも思い出せませんが)。
このCDに限らず、子守歌をきいて感じるやすらぎや癒しみたいな感覚は、一つにはそういうところから発生しているのかも、と思ったものでした。