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中国映画(『ファイナル・マスター』)の殺陣シーンが、予期せず完全に別格なほど素晴らしい:The final Master: Fight Scene

2018年09月14日 | 映画・TV

 どうも、ジローです。

 今日は珍しく映画の話なんだけど、昨日、いつものようにYoutubeをウロチョロしていて、偶然何だかとんでもなくスゴい映像を発見してしまいました。

The Final Master Fight Scene Bart Jam Do

 どうやら、シュ・ハオフォンという監督の『師父』(ファイナル・マスター)という作品の、最後のクライマックスのシーンらしいのだが、いや、なんですか、この映像の質の高さは。

 そりゃあ、ぼくが日頃あまり映画を観ないといっても、必要最低限くらいのものは一応見ていて、任侠映画やアクション映画も多少は観るし、中国カンフー映画にしたって『イップマン』とかチャン・ツィイーが出ていたやつとか(題名忘れたけど)くらいは見ていて、こういう映画は全く初めてという訳でもないのです。で、そういう映画も最近はたしかに金がかかっていて映像美とかはすごく凝っているけど、でもこの映画はそんなのとは質そのものが違うっていうか。

 もう、このちょっと色あせたような青い切石(?)の小径の背景を初めとして全体の抑えた色調からすでに別次元というか、役者の動きもすごく端正だし、撮影の角度とかスローモーションを適度に入れこんだ編集とかもいいし、そしてほとんどセリフ無しで臨場感あるところに、背景の音楽もすごく繊細。

 それと、ふつうの素手のカンフーに比べて武器(刀)中心の殺陣ってのもあまり見たことなくて新鮮だけど、その殺陣がすごくしっかりしていて所作自体も美しい。これって、やっぱりジャンルとしてはアクション映画だとは思うけど、でもここまで来るとそんな範疇じを超えているんじゃないか、と思えてくるくらいの美学の高さというか。

 そして、その刀中心の闘いの、いろいろと出てくる刀の種類の多さと戦いもカッコいい。

 どうやら、この映画の舞台は天津で、中国南部の詠春拳の使い手である主人公が北の天津に道場を開きたいという野望を持ってやってきて、しかし色々あった末に結局天津の武術界に容れられず、結果的に最後こうして各流派の達人たちと闘うことになったという展開らしいのだが、そのライバルたちもけっこうカッコいいし(なぜか、すごく髪型がキマっている男たちが多いのは流行だったのかな)。そして、後のほうでおっとりと自転車こいでやってくる武術家がいるところとかも独特のテンポ感があるというか、すごくオシャレ。

 しかも、その白い背広の男がすごそうな剣持って斜めに構えて、わりとあっさりやられるところなんか、けっこうタマらないものがあった)、最後の4人いる(最初からい主人公を待ち構えて通せんぼしていたけど、でも及び腰で最後までなかなか闘わなかった)長老格の武術家たちの、あの巨大な肥後守みたいなデカい刀なんて、本当にあんな実戦では役に立たなそうものを(失礼!)使う流派があったのかと、やっぱり中国って底が知れないなあとほれぼれしてしまった。

 そして、その背後に控えているちょっと桃井かおりっぽい雰囲気もある謎の女性(黒幕?)が、人力車に腰かけている姿もまたオシャレ。もう、なにもかもがイチイチ決まっている!

 (一発撮りではないので、途中突然日が射したり陰ったりしているけど、それも画面にアクセントをつけるためにわざと残したんじゃないかとさえ思えてしまう)

 いやあ、知らない間にここまで来ていたのか中国映画。こういうのが沢山あるなら、今後ちょっと探検してみたくもあるのだが、でもやっぱりこれは、このシュ・ハオフォンという監督がスゴイということなのかな。うーん、まずはこの監督の『薄氷の殺人』というのがDVDになっているみたいなので、そこらへんから要チェックというところか。

 

(追記)

 『ファイナル・マスター』、近くのレンタル屋にDVDが置いてあったので、さっそく見てみました。

 しかし、ネットのレビューでも触れられていましたが、この映画、ストーリーがすごく分かりにくい(というか、映像美好きのカントクに有りがちの、根本的にあまり丁寧に説明してくれないパターンなのかも)。

 一応、ネットで多少の予備知識があった上で見てみたんだけど、それでも初見ではまだよく分からないところが多いという感じです。やはりこの監督、かなりの映像派の人だとと見ました。でも、特に中国独特の闇(暗さ)の表現とか、すごく美しいと思います。

 

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