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On a bench ブログ

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バリ島の鳩の笛

2017年12月24日 | (旧HP記事)民族音楽・ワールドミュージック

 これも一種の音楽と言っていいと思いますが、かつてあるテレビ番組で(おそらくテレ東で、サックスの坂田明が出ていたと思う)、バリ島の文化の奥深さを物語るような、驚くべき光景を目にしたことがあるので、ここでちょっとご紹介します。

 場所は昼間の野外で、なにやら人がたくさん集まっている中に、鳩が何羽も入っている竹の籠がいくつか置いてあります。で、その籠から鳩たちを放してやると、鳩は群れをなしてそこらへんを飛び回り始めるのですが、実はですね、その鳩には一羽一羽首輪みたいに首に竹(だったと思う)製の短い笛がつけてあって、つまり、その笛が鳩が飛んでいる間、風圧で鳴るのです!

 で、おそらくその笛は少しずつ音程が違うように工夫されていたと思うのですが、それが群れの中で同時に鳴って、つまりは音域に幅のある音のかたまりとなって空から降ってきて、彼らはそれを聴いて楽しんでいる、というのです。

 いやあ~、スゴい! それまでぜんぜん知りませんでしたが、バリ島にはまだこんなすごいものが残されていたのかと、テレビを見ながら思わずのけぞってしまいました。後で気がつけば、バリ島にはたしかにほかにも、切り取った大きいままの竹に穴をあけて風を通して音を出すという楽器や風車(かざぐるま)の軸の回転を利用して竹の板を鳴らす楽器(「スナリ」と「ピンジャカン」)といったものもあるわけですが、しかし「鳩」という発想はまたすごいと思うし、そこに流れている「時間」の質という点でも、非常に魅力を感じます。

 また、人間で完全にコントロールされた音ではなく、鳩まかせという点ではたしかにアジア的なんだけど、しかし日本の「虫の音」などとも、また異質です(日本でもやればできそうですが・・・)。

 しかし、こういうものは、理想的にはクオリティーの高い映像媒体で手軽に聴けたらいいですね。従来は、民族芸能というとどうしても「音」中心にならざるをえず、その結果取り上げられにくいものもたくさんあったと思いますが、今後は徐々に、YouTubeみたいなものがもっと発展していって、身近に楽しめる時代がやって来るんじゃないでしょうか。

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