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ピロティのある建物

2020-10-21 19:59:06 | ◇ 景色

18世紀後半に始まった産業革命以降、建築分野には新しい材料、鉄やガラス、コンクリートなどが普及し、それまでの重厚で装飾に施された建築とは違い、機能的で合理的なモダニズム建築(近代建築)が生み出されていきます。

その代表作 ル・コルビジェ設計のサヴォア邸


⇒The Arch Insider

先日、文化庁文化審議会によって、重要文化財のひとつとして日本初の公立美術館「旧神奈川県立近代美術館」(現鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム)が選ばれています。
設計者の坂倉準三氏はコルビジェに師事しています。


⇒神奈川近代美術館

池に面したピロティの空間


⇒鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム

コルビジェは近代建築の五原則を提唱しています。
1.ピロティ
2.屋上庭園
3.自由な平面
4.水平な連続窓
5.自由な立面

この中で、ピロティは2階以上の建物で地上部分(1階)を柱だけで構成された空間のことです。
これによって、1階部分を駐車場や車道、歩道に開放されるものです。

家の内部でありながら外部のような開放感を持つ住宅のパティオがピロティ形式で実現されています


⇒São Paulo

ピロティは高層ビルにおいても用いられ、公開空間として提供されています。


⇒新日鉄興和不動産


限られた敷地の有効利用や開放感、利便性などピロティにはメリットもありますが、問題なのはその安全性、耐震性です。
阪神大震災などでもピロティの部分が倒壊した例もありました。
もちろん建築の構造基準を満たして作られてはいますが、災害も強大化してきていますので一抹の不安は残ります。
一方津波に対してピロティは有効であるという話もありますが、確定したものではありません。

日本の国土は狭いので土地を有効利用する必要があります。
ピロティによって作り出される地上の開放的な空間は必要なものです。
技術の発展でより安全な空間が作られていくことを願いますね。


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