
荻原浩の作品を読んでから保坂和志の作品を読むと、
そのギャップにちょっと挫けそうになる。
ジャンルが異なるので当たり前のことなんだけれど、
頭では分かっていてもなかなか切り替えられないものだ。
以前読んだ『カンバセイション・ピース』同様、
何か事件が起こるわけでもなく、
ありふれた日常をひたすら書き続ける。
登場人物のちょっとした仕草がたまにおもしろくて、
ニヤリとしてしまった。
でも自分の日常もこんな風に小説にしてみたら
おもしろいのかもしれない。
特に何か起きるわけでもない平凡な日常、
あらためてそれを認識してみると、
それはそれで意外とクセになる。
平凡な日常がクセになるっていうのも
なんだかおかしな話だけれど。