087:朗読（ほにゃらか）

＜ほにゃらか＞で変換すれば＜本屋等か＞　本屋ぢやないが朗読しやう

086:メイド（ほにゃらか）

メイドではなきゆゑぐつと魂を込めて言ふなり「疾（と）く帰れ」とぞ

085:富（ほにゃらか）

夕焼けは富士の山をも薔薇色に染めてしづかに夜を溶かすらむ

084:世紀（ほにゃらか）

次世紀に汚点残せし者として焼却さるるわたしの骸（むくろ）

083:拝（ほにゃらか）

出る杭は打つがよろしき風潮もひとたび光らばこれをも拝み

082:整（ほにゃらか）

体裁を整へたがるオトナたち　獣（けもの）の匂ひ拡がるばかり

081:硝子（ほにゃらか）

砕け散る硝子のかけら＜子ども＞らは玻璃のムシロをうちそとに向け

080:響（ほにゃらか）

これほどに響く言葉は他になし「われが好きか」とたしかむる娘（こ）よ

079:芽（ほにゃらか）

浅春の芽生えそめたる草を摘む　ひだまりのなか痛み残して

078:予想（ほにゃらか）

予想だにできぬ未来がそこ此処にかくれゐるともわれ米を研ぐ

077:針（ほにゃらか）

子のための袋ばかりを縫ふからに針はわたしを＜おふくろ＞にせむ

076:あくび（ほにゃらか）

聞き馴れし母の小言にあくびしてお前は馬か、はたまた釈迦か

075:打（ほにゃらか）

ひとりでも咲けるとの驕り打ち砕き手折れらぬやう室（しつ）に入れたり

074:水晶（ほにゃらか）

ひきだしの奥に隠せる水晶がぬくみをませり　もう光りだす

073:トランプ（ほにゃらか）

わたくしが君の副官なることを悟らせぬやうトランプを切る