- 枚方市で2010年に展示した子供靴の作品=吉田重信さん提供
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◇福島の美術家、提供募る 枚方で3月展示
子供靴をモチーフに、東日本大震災犠牲者への鎮魂の思いや、平和への願いを込めた企画展が3月6~18日、枚方市岡東町の枚方市民ギャラリーで開かれる。手がけるのは、福島県いわき市の現代美術家吉田重信さん(56)。「記憶の風化が進む震災を伝え、平和の大切さをアピールする作品にしたい」と言い、子供靴の提供を呼びかけている。(広瀬毅)
展示空間全体を作品として提示する「インスタレーション」。2011年3月11日に津波に見舞われた、いわき市の海岸の砂約100キロを展示室の床にまき、その上に、子供たちの運動靴やスニーカーを並べる。
子供靴を用いた作品展は、10年に枚方市で初めて催した。今回は、市内で1939年3月1日に旧陸軍火薬庫の爆発事故があり、多くの死傷者を出したことから3月1日を「平和の日」とする市の依頼に応え、震災と平和をテーマに据える。
吉田さんは「被災地で復興に向けて頑張る人たちや、平和の大切さをかみしめ、新しい時代へと踏み出していく子供らの気持ちを表現したい」と意気込む。
入場無料。作品に使う子供靴は1000足以上が必要。展示後はNGOを通じてアジアやアフリカの発展途上国の子供たちに送る。布や人工皮革でできた15~25センチ程度のサイズの提供を、今月28日まで募集している。
会場では、市内の児童約2500人に絵や、メッセージを記して寄せてもらう、はがきも展示する。問い合わせは、枚方市民ギャラリー(072・846・5557)へ。
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