浮遊脳内

思い付きを書いて見ます

脳内宇宙3

2010-10-19 22:36:29 | Weblog
 ストラトス


「統合宇宙軍駆逐艦、DDR-51ストラトスフィアの就役をここに宣言します」
 将官の宣言とともに、軍楽隊指揮者がタクトを振るう。
 勇壮な調べが気密桟橋に流れ始める。本物の楽器を人間が本当に演奏する本物の楽団だ。いまやそれ自体が無形文化財のようなものだ。気密桟橋の大きな大きなシリンダー型区画の中に演奏が響く。楽団も、その演奏は本物だが、将官たちと式典招待客が見ているのは、桟橋を離れつつある艦の映像だ。軍用桟橋に、外を眺めるための大きな窓などつけられるはずもない。
 そしてディスプレイに白く浮かぶその姿が、新型駆逐艦ストラトスフィアだった。
 主船体は、リフティングボディに似て滑らかだ。だがリージョナル船のように大気圏への硬突入を考慮しているわけではない。中央船体の両舷には大型のナセルが取り付けられており、それは明らかに宇宙での運用から決められた形態をしている。
 それぞれのナセルには核融合ミラー炉が納められている。ストラトスフィアは、この規模の艦としては珍しく、動力と推進系を分離していた。つまり両舷のナセルから中央船体後部に取り付けた反重力/無反動推進系と、超光速推進系にエネルギが供給されている。これほどまでに強引な設計は、これまでの統合宇宙軍には無かった。これまでの統合宇宙軍艦は、動力と推進系を一体とし、それに武装を付随させる設計だ。
 ストラトスフィアらS級駆逐艦はまったく逆の設計になっている。両舷ナセルに収められた主動力炉は核融合ミラー炉で、膨大な出力をレーザーとして取り出すことができる。レーザ出力は、ナセル側面の制御位相面を経由して発振される。すなわちストラトスフィアの主動力はそのまま主兵装でもあった。それは同時に通信機能であり、能動探振機能であり、攻撃火力でもあった。
 出力でも機能でも旧来の駆逐艦をはるかに超えたものだ。また任務も同じくだ。ストラトスフィアらS級駆逐艦は、単艦あるいは少数艦で目標星系に進入し、その経済中枢の共軌道を占拠して統制する能力がある。
 連合戦争以来、統合宇宙軍が求めてきた光領域戦闘能力だった。

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単なる自体愛(タームの使い方が間違ってるけどw)
バーク級のコンセプトを採用してみました。

もちろん、こんな宇宙船の活躍する状況はちっとも思いつかずw