自家焙煎(ばいせん)のコーヒー専門店「豆ポレポレ」(沖縄市高原)を営む仲村良行さん(38)が、東京で開かれた焙煎技術を競う全国大会で、県勢として初の日本一に輝いた。自身2回目の出場にしての快挙。来年末に日本代表として出場する世界大会に向け「気を引き締め、さらにコーヒーと向き合っていきたい」と意気込みを新たにしている。
大会名はJCRC(ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ)で、ことしが6回目の開催となる。6月の予選に50人が出場し、仲村さんは1位で通過。6人で争った8月の決勝も制し、完全優勝を飾った。今月21日に東京で表彰式が開かれる。
決勝では全員に同じ種類の豆が配られ、その豆を使って自身が入れるコーヒーの風味や酸味などを事前に申告し、初めて扱う機器で焙煎に挑む。豆が持つ風味の特性を理解する能力や、火力などに気を配り申告内容により近い1杯を仕上げる焙煎技術が問われる。仲村さんは果実やナッツなどの風味を見事に表現した。
豆の種類のほか、同じ豆でも焙煎の仕方で味わいが変わるコーヒー。仲村さんは「それぞれの個性、違いがあるからこそ面白い」と楽しそうに話す。
大学卒業後、アジアで飲んだコーヒーの味わいや歴史に魅了されたことがきっかけで、働きながら大量の本を買うなどして焙煎技術を約10年間研究した。自らの店を構えて7年目。多くの人にコーヒーに親しんでほしいとの気持ちは強く、年内に市中央の中央パークアベニューに2号店を開き、焙煎やドリップなどのセミナーも開く予定だ。
一昨年の大会では予選落ちした仲村さんは、今大会を振り返り「前回の悔しさもあり、相当に準備をして臨んだ。優勝した時は驚きとうれしさが一緒にきた」と笑顔を見せた。「決勝を争った人たちの思いも引き継ぎ、世界大会に向け技術の質を上げていきたい」と述べ、コーヒーへのさらなる追究心を燃やしている。(長嶺真輝)