上海音楽学院副教授の黄婉(こうえん)さん(42)が25日、第5回八重山古典芸能コンクール(琉球新報社主催)の三線新人賞に合格した。
黄さんは民族音楽学の専門家として八重山古典民謡や古謡を研究している。
八重山の歌は「中舌音」という独特の発音が難しいとされるが、審査員から「ほぼ完璧な中舌音だ」と驚きの声が上がった。
黄さんは2010年、上海の沖縄県人会の三線サークルに参加した。
那覇八重山古典民謡保存会の諸見里安次さん(75)の孫がサークルに参加していた縁で、12年から諸見里さんに八重山古典民謡を師事した。13~14年にはロンドン大学で学び、現地の県人会のエイサーで地謡に挑戦した。
黄さんは八重山の歌について「研究するには自分も歌えないといけない。(三線と歌が一体になる)『弦声一体』が心地よく、幸せな気持ちになる」と声を弾ませた。
諸見里さんは「黄さんはよく質問する。指摘すると一発で直すのはさすがだ」と目を細めた。