自分の死を考える集い開催スケジュール掲示板

「大往生したけりゃ医療とかかわるな」の著書である父中村仁一が皆様へ遺言としてお伝えしたかった内容を載せております

中村仁一の遺言9 「身辺整理は自分で自分を葬る作業」

2021-02-28 23:48:01 | 日記

これまで私は「がん」は近未来に確実に死ぬことが約束されている

ので、身辺整理ができていいと、いったり書いたりしてきました。

しかし、実際に行ってみると、想像してたのとは全く異なり、

本当に辛く淋しい作業に気づかされました。

6月に自覚症状が出ましたので、余命6か月と考えると、

年末までかもしれないと考え、11月にとりかかりました。

ところが、始めてみると、昭和55年(1980年)、高雄病院の

院長を引き受けてからの医師会(地区医師会の副会長、

府医師会の各種委員会の委員)や病院協会(私立病院協会の理事)の

活動記録、25年間続いた「自分の死を考える集い」関連の

記録、資料、テレビのクイズ番組出演の記録や関連資料、

全国各地に行かせて頂いた講演関係の記録、関連資料、

参加者の反応のアンケート、録音、録画、新聞や雑誌の

取材記事、雑誌へ投稿したものなどが山ほどありました。

その一つ一つに思い出があります。

その結果、一気呵成というわけにはいかず、未練がましくも、

思い出の濃淡で3段階に分け、終了するのに1月末までかかって

しまいました。

たしかに私にとってはタカラモノであっても残された家族に

とってはガラクタでしかないかもしれません。

従って、身辺整理は家族に面倒をかけずに済むという利点は

あります。

しかし、実際には、思い出と決別し、これまでの人生を消失する作業、

大袈裟ないい方をすれば、「生きた証」を葬り去る作業で、非常に

辛く淋しいものなのです。

以上                   2021年3月1日

 

〇MBSTV「アップ、ダウン、クイズ」初出場、初優勝

(真ん中はシルエットクイズのゲスト沢田研二さん)

〇フジTV「クイズ、グランプリ、日本一チャンピオン大会」優勝

〇これは3月下旬発売予定の幻冬舎新書のカバーです。


中村仁一の遺言8 「いまだに食べものの味がわかるのは根がいやしいせいか」

2021-02-21 00:05:00 | 日記

「遺言5」の「Q.O.Lを落としてまで生きたくなければ“断食往生”」を

見た2-3人の知人が「断食往生」する気かと問い合わせがきました。

全く考えないわけではありません。しかし一般に、大病を患うと

何を食べてもおいしくなく食欲も落ちるといわれています。

でも、私の場合は、まだ ものの味がわかるのです。

このような状態でムリに断食しても成功しないような気が

するのです。

この期に及んでも ものの味がわかるのは根がいやしいせいか

過去のひもじさの体験が身に沁み着いているためかと思うのです。

というのも父が髙2の時死んでいますから、家を出る時 母から

2万円もらっただけで、大学は自力で出なくてはならなかった

ことと関係しています。

1年の夏休みまでが大変でした。2万円の半分は入学金で消えて

いました。1年目は宇治の分校でしたが出欠をとる語学と

体操以外の授業はサボって本学の生活係にアルバイト捜しに

日参しました。

それでも手元不如意のため、大学の生協の食堂で、おかずを

買う金がなく、18円の丼一杯のごはんにソースをかけて

食べたり、それもできず、2,3日は水だけのんでということが

夏休みまで再三ならずありました。

夏休みには帰郷せずアルバイトに精を出したので、以後は

こういうことはなくなりました。

また、こんなこともありました。学生寮で食中毒が出て、

みんな吐いたり下したりしていたのですが 私は

どうもなかったのです。

しかしその後39°度の熱が出て2-3日苦しみました。

一度口に入ったものはちょっとやそっとでは外へ出さないという

意気込みで毒も栄養にしようと思ったのですが、そうは問屋が

卸さなかったのです。

雀百まで踊り忘れずといわれますが、あの時は特に辛いとは

思いませんでしたが、身体の方はまだ当時のひもじさは忘れて

いないのかもしれません。

お知らせ

1.「遺言6」の「一休道歌」を見た京都新聞社の記者が取材に来られ

   3月2日の京都新聞の朝刊に記事が出るそうです。

2.がんで呼吸困難があるのに、入院せずに自宅で最期というケースは

  珍しいのでしょう。 3月下旬に幻冬舎から新書

  「やはり死ぬのはがんでよかった」という題で発売予定です。

 

以上     


父(中村仁一)の近況について 21/2/15

2021-02-15 00:00:36 | 日記

毎日100人を超えるアクセスありがとうございます。

父の近況を上げさせていただきます。

父の状況ですが 咳がひどくなってきたように思えます。一言二言しゃべるごとに

咳が出ており 正直しんどそうだなと思うのですが もともと しゃべる人なので

それで止めるといった感じではございません。

見た目 病気になる前とさほど生活のリズムは変わっていない感じです。食事も量は減っている

ものの 食べてますし テレビも好きな物を見て 家の掃除も一部やっていたりしてます。

掃除などは 母曰く 本人が好きにやっているから もうほっておいているらしいです。(笑)

 先日父と 話をしてまして 現在のコロナ禍の 状態で今の父の症状であれば 間違いなく

今頃 病院の一室で 寝間着姿に 点滴を打たれて 酸素吸入器をつけて それこそ隔離されているかも

しれない姿が正直想像できず 我々家族も 病院と家を往復する毎日か もしくはコロナを気にして

お見舞いすらいけない状態になっているであろうと。。。

 本人のしんどさ(やはり普段気にしない 呼吸の部分ですから 痛みとかはなくても

しんどいんだろうとは思います。ただその辺 接していて 感じさせないという部分は

さすがだなぁーと思います。)を周りに出さない部分も 我々も気持ち的に助かってます。

本人も 「もし入院してたら 今頃たぶんもう死んどる」って 言ってますけどね。(笑)

Q.O.Lの事を先日 遺言として書いておりましたが 今の日々の過ごし方を見ると

なるほどと思っております。私自身がそうなった時 どうするのか?その時の病気の

進行具合や 痛みなど また家族に恨みつらみを言わないか?等々考え 今の父の

姿がその時は参考になるのではないかと思います。

 

 


中村仁一の遺言 7「再考 新型コロナの治す主役は患者自身、医者じゃない」

2021-02-12 00:01:00 | 日記

新型コロナに関しましては「遺言4」で書きましたが、再度考えて

みたいと思います。

2月某日の夕方の某テレビ局で、入院できないコロナ患者を

在宅医が診ている映像が流されていました。

その中で、関西のある高名な在宅医が「コロナ肺炎で一人も死なせたくない」

「僕が診たからには死なせない」と根本的な治療法が

ないのに大ボラを吹いていましたが、その意気込みはよし、

しかしあれは、いただけません。

患者、家族には頼もしく映り、安心感を与えるかもしれません。

しかし、それはニセモノの安心感です。

「遺言4」で述べた如く、病気を治す主役は患者自身であり、

医者ではありません。患者本人に治せないものを、他人の医者に

治せるはずがないのです。しかも手伝おうにも、治療法がない

わけですから。

たしかに、患者に安心感を与えることは必要でしょう。

不安はストレスとなり、自然治癒力を弱めますから、安心してもらう

ことは重要です。

いくら方便といってもこういうことが罷り通ると、いつまでも

患者側の医療に対する過度の期待と依存度が続くことになります。

そして世界に冠たる日本のいい医療保険制度を危うくし若い者に

残してやれなくなります。

また、ネット上では厚労省の1月19日の人口動態統計速報に

よれば昨年1月から11月の死者は125万人で前年より

1万5000人減少し、12月に新型コロナで死者が急増した

ものの、11年ぶりに前年より下回ると報じられているということ

です。

欧米では軒並み、新型コロナの影響で死者が急増しているのに

日本におけるこの死者の減少は、患者の医療機関の受診手控えと

関係があるのでしょうか。

これに対し、元慶応大学医学部講師の近藤誠氏は

「病院で医師の診察や手術を受ける際には、医療ミスや過剰医療に

よって患者の状態が悪化するリスクがあり、新型コロナの影響で

受診者が減っており、そうしたリスクが減ったことが、死者の減少を

もたらした可能性がある」といっているそうです。

ことの真偽のほどはわかりません。

ただ、受診手控えで病状が悪化したという声も聞きませんし、

死者も増えていないという現実に、年寄りは目覚めるべきだと思います。

新型コロナ騒動が終息したら、また元の黙阿弥に戻らないためにも。

もっとも、年寄に目覚められると、年寄りを「飯の種」にしている

医者は困ったことになると思いますが。

以上                 2021年2月7日