新型コロナに関しましては「遺言4」で書きましたが、再度考えて
みたいと思います。
2月某日の夕方の某テレビ局で、入院できないコロナ患者を
在宅医が診ている映像が流されていました。
その中で、関西のある高名な在宅医が「コロナ肺炎で一人も死なせたくない」
「僕が診たからには死なせない」と根本的な治療法が
ないのに大ボラを吹いていましたが、その意気込みはよし、
しかしあれは、いただけません。
患者、家族には頼もしく映り、安心感を与えるかもしれません。
しかし、それはニセモノの安心感です。
「遺言4」で述べた如く、病気を治す主役は患者自身であり、
医者ではありません。患者本人に治せないものを、他人の医者に
治せるはずがないのです。しかも手伝おうにも、治療法がない
わけですから。
たしかに、患者に安心感を与えることは必要でしょう。
不安はストレスとなり、自然治癒力を弱めますから、安心してもらう
ことは重要です。
いくら方便といってもこういうことが罷り通ると、いつまでも
患者側の医療に対する過度の期待と依存度が続くことになります。
そして世界に冠たる日本のいい医療保険制度を危うくし若い者に
残してやれなくなります。
また、ネット上では厚労省の1月19日の人口動態統計速報に
よれば昨年1月から11月の死者は125万人で前年より
1万5000人減少し、12月に新型コロナで死者が急増した
ものの、11年ぶりに前年より下回ると報じられているということ
です。
欧米では軒並み、新型コロナの影響で死者が急増しているのに
日本におけるこの死者の減少は、患者の医療機関の受診手控えと
関係があるのでしょうか。
これに対し、元慶応大学医学部講師の近藤誠氏は
「病院で医師の診察や手術を受ける際には、医療ミスや過剰医療に
よって患者の状態が悪化するリスクがあり、新型コロナの影響で
受診者が減っており、そうしたリスクが減ったことが、死者の減少を
もたらした可能性がある」といっているそうです。
ことの真偽のほどはわかりません。
ただ、受診手控えで病状が悪化したという声も聞きませんし、
死者も増えていないという現実に、年寄りは目覚めるべきだと思います。
新型コロナ騒動が終息したら、また元の黙阿弥に戻らないためにも。
もっとも、年寄に目覚められると、年寄りを「飯の種」にしている
医者は困ったことになると思いますが。
以上 2021年2月7日