みどりのスケッチブック

いなかのくらしと身近な自然のスケッチブック。

初猪

2011年01月06日 | 新米猟師
1月3日に罠を見に行くと、仔猪が罠にかかっていました。
このあいだの44キロがかかっていたすぐそばです。
田畑を荒らすので獲ってくれと頼まれている場所なので、小さいけれど獲ることにしました。
オスの21キロです。

その後他の場所をチェックしに行くと、なんと連続で2頭目がかかっていました!
1日のうちの見回りで連続でかかっていたのは初めてです。
「おお!今度のはさっきより一回り大きいぞ!」
そう思って猪と目が合った瞬間、ヤツはこちらに向かって突進してきました。
ワイヤーはひどく木に巻き付いて身動きの取れない状態でしたが、この巻き方はなんかやばいなと感じた瞬間「ブチッ!!」と音が聞こえました。

「おお~っ!!これが噂に聞いていたワイヤーがちぎれるという瞬間か!?」

猪は思った通り、ワイヤーの長さを越えてそのままこちらに向かって走ってきました。
距離は7メートルくらいだったでしょうか?
それほど大きくもなかったので手にした武器を握りしめ、来るなら来いや~!!とばかりに身構えていると、猪はそのまま右手にそれて竹やぶの中を弾丸のように駆け下りていってしまいました。
ドカッ!ばきっ!!と、何かにぶつかりながら・・・。

すっかり戦闘態勢モードだったので、ちょっと拍子抜け。
罠をチェックしに行くとなんとワイヤーが切れたのではなく、爪だけが罠の先に残っていました。
罠の掛かりが浅く、つま先にかかっていたのがねじ切れていたのです。
実は近くにあった農業用のホースも巻きついていて、それがさらに悪さをしていたのでした。
手負いの猪を作ったのは申し訳ないですが、仕方がありません。
まぁ、今回は25~30キロくらいだったのでこちらも落ち着いて対応できました。
何事もなくてよかったです。
いつも見回りには何も持たずに行くことも多いのですが、今回のことで必ず武器を手にしていかねばと思いました。
60キロ以上のやつがワイヤー切れでもしたらどうなるかわからないですからね。

このあたりにはこのサイズのやつが多く、おと年くらいから住み着いた群れがいるのかなと思いました。
この調子でかかってくれれば来年は少しは害が少なくなるのではないかと思います。
まぁ、かかってくれればの話ですが・・・。

21キロのイノシシは持ち帰り、小さいということで今回は初の皮つきにしてみました。
まずは鳥の羽取りのようにお湯をかけます。
少し斜めにして、頭の方からまんべんなくかけ、少し蒸らしていきます。
熱すぎてもぬる過ぎても、冷えてしまっても抜けなくなるということでコツが必要だそうです。


驚くほどきれいに毛が取れました!皮膚は真っ白です。


ここまできたらもう豚?!こんな犬もいたな・・。

だいたい毛が取れたら、それから腹を割ります。


こうなったらもうなんだかわかりません。

仕上げにバーナーで産毛を焼くか、剃るかして完了です。
先輩猟師などは小さいものは皮剥ぎが面倒なのもあり、皮つきのまま処理することが多いです。
高知の方やよその地域では大きなものも皮つきにすることもあるそうです。
皮つきも、炒めたり煮込んだりするともちもちとしておいしいものです。

こんなわけで、正月早々山から初猪を頂きました。
山の神様、
師匠
ありがとう!
今年もよろしゅう。
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2 コメント

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Unknown (川越)
2011-01-06 23:25:44
お正月早々にいいですね。それにしても皮がこんなに真っ白だとは知りませんでした。きれいなものですね。関西のほうでは大きなイノシシでも皮付きにするようですが、土地土地で違いがあるようですね。
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川越さんへ (オイノコ)
2011-01-07 22:25:52
解体の仕方、処理の仕方、食べ方、地方でいろいろあるようですね。
初めて皮つきのことを知った時はかなり驚きましたよ。
返信する

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