みどりのスケッチブック

いなかのくらしと身近な自然のスケッチブック。

トリ猪

2013年03月27日 | 猟期のまとめ
雛猪を獲ってから、3日後に車検がありました。
猟期ではいつもドロドロの傷だらけになる愛車ですが、車検ではディーラーに大迷惑をかけてきれいになって戻ってきます。
かなり恥ずかしいですが、時間に追われているのでなかなか掃除もできず…いい訳ですね。

ぴかぴかになった車にはできればイノシシは積みたくないので、車検に出している間に家の軽トラで見回りをすませました。
その日はイノシシももいなかったし、このまま猟期終了になれば綺麗になった車に猪を積み込むこともあるまいと思いながらの車検帰り、携帯の呼び出し音が。
みると兄貴分の猟師から。

今回農家の人に駆除を頼まれたのはその兄貴分経由だったので、何かあると農家の人はまず兄貴に電話していました。
なにかあったのかな~と電話に出ると

兄「なんか今日の夕方に農家のおじさんが畑に行ったら、罠のある方から鳴き声と暴れる音がしよった言よるで…」

妹「・・・まじすか!今日見回りしたばっかりやで!!   …  空耳やろ… 」

もう日暮れ間際なので今から見回りに行くわけにはいきません。
しかも、翌日は朝早くから1泊の予定で岡山に向けて出発するのです。

明日の朝見れたら見に行くということにして、電話を切りました。
しかし、結局見に行けたのは3日後。
早起き苦手&岡山1泊、帰宅深夜というわけでようやく現場に行けたのは電話がかかってから3日目の昼前でした。

実際おじさんが目撃したというわけではないようなので、本当に掛っているかわからないな~と半信半疑で現場へ。
掛っていたとしても小さい奴でしょう。

畑にはちょうどおばさんが農作業に来ていました。

「鳴きょったんはあっちのほうやけど、私も見に行こうかしらん」
(鳴き声が聞こえたのはあちらのほうだが、私も見に行こうと思う)

というわけで2人で竹やぶの方へ向かいました。

おばさんは怖いもの見たさなのか、びくびくしながらもついてきます。
その時、草むらの方からガサッという物音が!

「ひゃぁぁぁぁっ!!」

飛び上がって驚くおばさん。



藪から飛び出したのは小鳥でした。
ついでに私もその叫び声にどっきりしました。

「私先に見てくるからここで待っちょって…」

猪が居たらどういう反応をするかわからないので、とりあえずおばさんを待たせて罠の見回りに行きました。
その方向には2つ罠があったのですが、1つは異常無し。
もう1つを見に行くと…

いた!

30キロくらいの猪が半分溝に落ち込んだようになって倒れています。

死んじゃったかな…

罠に掛って3日も空けてしまったので死んでしまっていてもおかしくはありません。
しかし、よく見ると腹が上下しています。
近づくと気が付いた猪は起き上がろうとしますがワイヤーがからまってうまく立ち上がれない様子。

生きていてくれてよかった!
少しホッとしました。
死んでしまっていれば命を無駄にしてしまうところでした。
3日もそのままで可哀そうなことをしました。
早く楽にしてやりたいので素早くやっつけます。

「おったでー!」

後ろの方に声をかけるとおばさんがやってきました。

「うわーほんまにおったなぁ~!」

おばさんは速攻でおじさんに電話。

「やっぱりかかっとったわ~!」

そんなこんなでとりあえず血抜きをすませ、最終的に頼まれた現場で2頭のイノシシを獲ることができました。
おばさんにはさかんに

「女の人やのにいかさま肝が太いな~」
(女性だがたいへん豪胆ですね)

と言われましたが…まぁ、これでも猟師のはしくれですからね。



今回は小さめのオスでしたが脂の乗りもまずまず。

♂35キロでした

最後の最後でよいのが獲れて良かったです。
最終日まではまだ日にちがありましたが、いろいろと忙しかったのでこの数日後に罠をすべて撤去しました。
今期はこれにて終了です。

というわけで、今期のまとめ。

11月♂74キロ
  ♀50キロ
12月♂34キロ
  ♀60キロ(死)
1月 ♂32キロ
2月 ♀58キロ
3月 ♀68キロ
  ♂35キロ

逃がす 爪切れ1
    ワイヤ切れ1

というわけで

収穫 7頭
死亡 1頭
逃避 2頭

でした。


本来なら12月1月中に10頭近くよいのを獲ってイノシシ猟終了の予定のはずが、不手際で猟期いっぱいまでかかってしまいました。
しかも初めて罠に掛ったイノシシを死なせ、逃がすという失態です。
猟期前の準備不足と見回りの怠慢が原因なので、次回は準備と見回りを怠らないように頑張りたいと思います。
理想は12月一杯で猪終了、1月から2月は鳥猟という感じです。

何はともあれ今期も無事終了。

イノシシさんと鳥さんたち、
山の神様、鳥の神様
師匠と助けてくれた皆さんに感謝です。   

ありがとうございました!
また次回もよろしくね。










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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (川ガニ)
2013-03-28 09:42:48
美味しいサイズのメスが多くて羨ましい猟果です。
これだけあれば3年間はタンパク質の確保を心配することはありませんね。でも、早めに食べないと獲る猟欲が湧かないですから(笑)

毎回ある挿絵がとても楽しいです。
返信する
川ガニさんへ (オイノコ)
2013-03-28 17:09:04
いえいえ、脂の乗った良いものは最後の3頭だけで、あとはほとんど脂の無いような奴ばかりでしたよ。
12月いっぱいまでなら販売している師匠に良い奴を買い取ってもらえるんですが、今年は全然だめでした。来期の狩猟税が払えない…。
猟場にもよりますがなんだか毎年脂が乗るのが遅くなっているような気がします。これも温暖化の影響かな?
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おつかれさまでした! (やぶちん)
2013-03-28 21:34:23
春ですね。お疲れ様でした。ご無事で何よりです。

讃岐弁の勉強になります。「」たくさん使ってください。

前回の雌ちゃん、脂肪を褒めてもらって羨ましい・・・。
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お疲れ様でした。 (じゃん)
2013-03-28 22:44:31
すごくイノシシ獲っていますね~。

こちらのイノシシは年が明けた物でも、そんなに発情臭がきついものがいなかったように感じます。
鹿の袋角といい、なんだか変です。

讃岐弁なつかし~♪ もっと使ってください(笑)。
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いいな、いいな (山奥の人)
2013-03-29 00:11:04
オイノコさん、こんばんは。
「猪」、獲りまくりじゃないですか!!
こちら、山奥では「猪」より先に「鹿」が罠踏んでしまうので・・・(泣)
でも、獲った「猪」の脂の乗りは近年では最高といえるものでしたよ・・・・ひとつしか獲ってないけど・・・・(涙)
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やぶちんさんへ (オイノコ)
2013-03-29 17:09:09
やぶちんさんの脂肪だってみずみずしくてすばらしいと思います!
・・・え?違いますか?
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じゃんさんへ (オイノコ)
2013-03-29 17:13:43
香川は鹿がほとんどいないのでイノシシの天下です。
先輩猟師たちは一人20頭近く獲ったりもしますが、なかなか減りませんね~。

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山奥の人さんへ (オイノコ)
2013-03-29 17:18:40
こちらは鹿がいないので、シカが罠で獲れるというのはある意味うらやましいかも・・・。って、獣害で悩んでいる地域の方には迷惑な話ですね。私は鹿肉も好きですが、なぜか猟師受けしませんね。
シカが繁殖しているところにはイノシシは少ないと聞きます。香川は平野が多いのでイノシシばかりです。
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Unknown (小師匠)
2013-03-30 10:14:00
小豆島は「両方」で、皆さん苦労されてます。
徳島(北部・香川の山を越えた辺り)も鹿が相当増えてると聞きました。
今日は午後から「猿・猪」駆除の見回りに出かけます。
いつも(パトロール)ですが、ネ・・・。
猿共にオレンジの「色」と銃のクロガネの「匂い」を残し、
恐怖心を植え付けて帰ります!!
えっ?何、いょんな?? 
そななん、ひとっつも きかんのな?・・・
ほうな〜。ごめんぜ〜(大汗;)。。
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小師匠さんへ (オイノコ)
2013-03-30 17:16:26
小豆島の鹿は特殊ですね。保護されていますが、有害駆除もされていて複雑ですね。基本的には保護獣と言うことと小豆島にしか生息していないということで、つい香川には鹿がいないと言ってしまい小豆島の方には憤慨されたことと思います。ゴメンナサイ。
小豆島も入れれば四国は四県とも駆除指定されていることになりますね。師匠も徳島で鹿撃ちをしています。
そのうち香川の平野部にも鹿は現れるのでしょうか。
小師匠さんのところでは猿の害も酷いんですね。猿は手を付けられないと聞きます。パトロールがんばってください!
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