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アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

ゴーギャン展・・・私の思いこみは・・・

2009-08-25 13:06:51 | 美術・芸術
そういえば、先日国立近代美術館に「ゴーギャン展」を見に行った時、目的は二つあったんですよ。

ひとつは、もちろん「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」を、
この目でみること。

そしてもう一つは、私が抱いていた「ゴーギャンは暗い」というイメージが、
自分の思いこみだったかどうか、確かめること。

なんせ今まで、ゴーギャンの絵は、○○美術館や○○財団のコレクションの一部として、
チラッ ホラッ としか見たことがなかったのですよ。

そいでもって、その印象が
「ゴーギャンて暗ーい。」

でも、それは、コレクション内の他の作品が明るかったから、そう感じてただけかもしれません。

思いこみって、かなり感覚的、情緒的な要素が強いから、
もし違ってたら、ゴーギャンに申し訳ないから、ここは是非確認せねば、
と勇んで行ったわけです。

で、結論。
「やっぱ、ゴーギャンて暗いわぁ。」 

ゴッホと暮らした南フランスなんて目じゃないくらい明るいはずの、南太平洋のタヒチ。

陽光あふれる南の楽園で描かれた作品は、その強い日差し故の、一層暗い木陰、
森の中の暗さを感じるものが、すごく多かったのです。

そして、南フランスの夜にはない、圧倒的な漆黒の闇夜。

陽光あふれる世界にいながら、ゴーギャンは、こちらを描いてしまう。

ゴッホは、狂気の中にありながら、私は画面に「明るさ」とか「命」を感じるのです。

一方ゴーギャンは、あくまでも正気なのですが、「暗さ」「死の影」をものすごく感じてしまう。

これが、彼の画業の永遠のテーマなのでしょうね。

私たちの人生にとっても、影や死は、命や光と同じく大事なテーマなので、
いかに暗い印象を持つとも、ゴーギャンの作品に魅せられるのでしょう。

なんか、同じ物を見て、ゴッホが「光・命」の角度から描き、ゴーギャンが「影・死」の角度から
描いているみたい、って思いました。

やっぱりこの二人には、縁を感じてしまいます・・・。

同窓会

2009-08-24 15:11:24 | 日記
昨日は、25年ぶりの中学校の同窓会でした。

25年ぶり! ですよ!

さすがに、名札をつけましたよ。

名札を見て「あぁっ!やぁぁ、わかんなかったわぁ!」という人たちもいましたし、
名札はいらない、見ればすぐわかる、という人たちもいました。

わたしは、後者でした。

みんな、私を見るなり
「全っ然、変わってないねぇぇ!!」
と、口をそろえて言ってくださる。

これは、「25年前の同窓会の時から、全っ然変わってない」、という意ではなく、
「35~6年前の中学生の時と、全っ然変わってない」という意に違いない。

うーむ、確かに昔から、チビで丸顔でマンガ声だった。
こういうのは、年月に左右されにくいのだね、きっと。

そして、幸か不幸か、私は、そういったもので構成されている。

もし、次の25年後、75才の時に
「やっだー、全っ然変わらないねー!」
と言われたら、それは間違いなく化け物ですが。

でも、同窓会って、不思議な空間です。
最初はとまどうけど、目が慣れてくると、相手が中学生の頃の友人そのものに見えてくる。

で、その空間にいる全員が35~6年前にタイムトラベルしてしまうんですよね。
異空間に全員がすっぽり入ってるみたいなんだよね。

何年経っていようが、全く関係なく、昨日まで一緒にお弁当食べてたみたいな感じで、
親しく普通にしゃべってしまう。

そして、家に帰って、こうしてまた、今まで通りの50才の日常が始まると、
昨日のことが、夢の中の出来事のように思ってしまいます。

でも、友達っていいね。
みんな、大好き。
また、会いたいな。

元気アップカード

2009-08-22 17:28:05 | アートセラピー
今日は、相模女子大学で、「夏休み みんなの一日大学」というイベントが開かれ、私も講師として
講座を1コマ、担当させて頂きました。

スタッフの皆様、大変お世話になり、ありがとうございました!

内容は
「元気アップカードを作ろう」

A5サイズの画用紙を使い、
「自分を元気にしてくれるものって、なんだろう?」
という気持ちを見つめながら、カードを作っていきます。

作っていくうちに、自分を元気にしてくれるものは、ひとつではないことに
気づいていきます。

植物、動物、おいしそうな食べ物、きれいなアクセサリー、大自然の風景、笑顔、
言葉・・・

案外ちょっとしたきっかけで、私たちは、自分の気持ちのチャンネルを切り替える
力を持っているものです。

でも、いっぱいいっぱいになっている最中には、そんなことは忘れているかもしれないし、
そういうものが、その場に無いかもしれません。

そんなとき、自分を元気にしてくれるモチーフで作った、このカードが役に立つんです。

疲れたり、へこんだり、ちょっと元気になりたい時に、サッと取り出して眺めるカード、
それが元気アップカードです。

このワークショップもいろんな所でできたらいいな、と思います。
楽しいし、実際の生活に役に立つしね。

とってもすてきなカードがたくさん出来上がりまして、みなさん大変満足そうでした。
が、写真取り忘れてしまいました。

がひーん、すみません。

お詫びに、ワタクシの元気アップカードをお見せいたします・・・。

自分の影 ゲド戦記 4

2009-08-21 13:57:24 | 心や気持ちのお話
この「ゲド戦記」は、もう30年以上前に書かれたファンタジーなんですが、
ただのファンタジーだと思うと、あらすじだけを追って読み終えてしまいます。

もちろん、それだって十分楽しいですけどね。

でも、これは、セラピスト学校で「読みなさい」と言われ続けただけあって、
注意深く読むと、まるで、今生きている私たちの姿そのものと思える所が
本当に多いのです。

追いつめられたゲドは、魔法を使ってハヤブサになりました。

一見、よかったのです。
敵からは逃げられたしね。

でも、ハヤブサはハヤブサ。
人間ではありません。
そして、ゲドは、本来人間です。

何日もハヤブサでい続けたせいで、ゲドは、自分が人間であることを忘れ、なかなか
元に戻れなくなってしまいます。

あ~・・・とため息出ましたよ。

私は、いつも目が外に向いてましたからね。
周りの人の期待に応えよう、それもすごいハイレベルで応えようとする癖が、
小さい頃からついていました。

もう、いつの頃からか覚えていないくらい昔から、
「他者の期待する人間」に変身し続け、それがずっと続くと、自分でもそれを
自分自身だと思いこんでしまうことを、繰り返してきちゃったんですよ・・・。

最初は、全然気がつかないんですよ、自分でも。
周りから、すごく認められていい気分になったりすると、余計がんばっちゃってね。

でも、だんだん疲れてきたりして「変だな・・・」って思う。

ところが、「周りからなんて思われるだろう」とか考えると、恐くて変身をとけない。
「変身」の時間が長期であればあるほど、本来の姿を忘れてしまいまして、
変身をとくのが大変な訳です。

私の場合、何年もかけて変身をといた、という感じです。
今だって、まだ完了したか、わからないくらいです・・・。

ハヤブサになりすぎて、人間だったことを忘れてしまったゲドと、全く同じなの。

やっとのことで、姿も心も言葉も人間に戻ったゲドに、
慈しみ深い師である大魔法使いは伝えます。

「二度と、自分以外の姿になってはいけないよ。」

うぅ・・・泣けます。

自分の影 ゲド戦記 3

2009-08-20 15:05:48 | 心や気持ちのお話
で、ゲドは、影から逃げたくて、島から島へあてもなく彷徨ったり、
反対に追いかけたりするんだけど、不安と恐怖で、だんだん、今自分のしていることが、
自分が決めてやっていることなのか、知らないうちに罠にかかってしまったゲドが、
影におびきよせられてやっているのか、
自分でも、何がなんだかわからなくなってしまうの。

現実界でも、こういうこと、ありませんか?

自分の本心から行動しているのか、それとも、欲望とか不安感(影ですね)に
あやつられてしまっているのか、きわどい経験、
なんとなく私には、思い当たるものがあります。

でも、こんな時には、思いきりシンプルになって、一応何でもやってみるのがいいわよね。

変なことになったら、ちょっと気を静めて、方向を変えればいいことだしね。

でも、ゲドは、まだ若いということもあって、混乱して、身も心も追いつめられてしまいます。

それで
「周り中のみんなが、オレを陥れる!」
って怒り狂って、とうとう魔法の力で、ハヤブサに変身して、
すごい勢いで大空を飛んでいきます。

一見、かっこいいんですけどね。
私も読んでいて
「おぉ、これならもう大丈夫!」
みたいに思ってしまったんだけど、「自分以外のものになってしまう」ことは
魔法使いにとってさえ、とっても危険なことだったのです。