今日3月25日は、早稲田大学の卒業式だった。
卒業した野球部の方々には、いろいろな思い出をもらった。
その中でも、とても印象に残っている出来事を一つ。
2008年11月3日の早慶第三戦でのこと。
すでに秋季リーグの優勝は、早大が決めていたが、
早慶戦の決着はつかず、第三戦を迎えていた。
斎藤君、中林君の投げあいで、中盤まで1-1。
8回表、上本君のヒットを足がかりに、相澤君から1点を奪い、
2-1早大リードのスコアで、9回表の攻撃を迎える。
先頭の川畑君が、ピッチャー強襲のヒットで、ノーアウト1塁、
7番レフトの泉君に打席が回ってきた。
私は、ネット裏で家族と観戦していた。
泉君が打席に向かいかけたとき、
私たちの座席のすぐ傍に、
駆け降りてきて、「タカーッ、タカーッ」と、
大声で声援を送り始めた人物が。
よく見ると、それは、泉君にそっくりの、
双子の弟さんだった。
弟さんの声が聞こえているのかいないのか、
泉君は、振り向く事はせずに、まっすぐ打席に向かう。
監督からは、バントのサインは出ていなかったようだ。
1球目のボールを落ち着いて見送る。
そして、2球目の一振り、ボールはライトスタンドに一直線。
「ホームラン!」だ。
私たちの席の周りでは、泉君と弟さんへの祝福!
感動の拍手が起こった。
一緒にいらしていた、泉君のお父様も、
とても嬉しそうだった。
このホームランで、勝利が決定的になった。
大石君が、ピシャリと抑え、
4-1で早大が勝利後のインタビュー。
泉君は、「・・・打席に入る前に、弟が声をかけてくれたのが、
励みになりました・・・」と、答えた。
ちゃんと届いていたのですね。
そして、家族への感謝の気持ちも伝わってきた。
この日、スタジアムに足を運んで、本当に良かったと思った。
泉君は、社会人野球・ENEOSに進んだが、
その選手紹介で、自分の目指す選手像を
「記憶に残る選手」としている。
きっと、あの日の神宮での姿は、多くの人が忘れないだろう!
今後の活躍も、楽しみにしている。
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~2008年11月3日のアルバムより~
9回表 泉君・2ランホームラン
次に3人の揃い踏みが見られるのはいつ?
ありがとう!
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この、4年間、ずっと一線で活躍していた選手もいれば、
一度もベンチに入れないまま、卒業を迎えた選手もいる。
野球を続ける選手も、辞めてしまう選手もいる。
いろいろな想いもあるだろうが、
それぞれの4年間は、今後の糧になるはず。
~集り散じて 人は変れど 仰ぐは同じき 理想の光~
これは、校歌の3番の歌詞だが、
卒業して、時が経つほど、この言葉が胸に響く。
今日は、卒業生の端くれとして、そして、早大野球部ファンとして、
心より、皆様の門出を祝したい。
「ご卒業、おめでとうございます!」