「わたしを離さないで」第6話。

「わたしを離さないで」の第6話を見ました。
先週の予告から、真実がやってる活動絡みで何か大きな事件があるのだろうなと予想はできてましたが、それをはるかに上回る衝撃の内容でした…。
真実が大勢の一般市民、提供者じゃない人たちの前で訴えた演説の内容も重くて衝撃的でしたが、彼女の心の底からの叫びを「ショー」と一蹴してしまえる刑事たちの冷淡さはもっと衝撃的、というかダメージが大きかったです。先週の大友康平は、恭子たち提供者に対してうしろめたさを持っていたのと比べて。真実がそらんじた憲法には、「公共の福祉に反しない限り、幸福を追求する権利がある」とありましたが、ひっくり返せば提供者が幸福を追求するのは「公共の福祉に反する」ことなのかもしれません。公共の福祉ってなんなんでしょう。ただでさえ日常生活でそう疑問に思うことがままあるのに。いわんやこのドラマの世界では、です。

生きる権利を与えずに自分たちの都合で殺してしまうなら、最初から生きたいと思わせないでほしい、心をもって生まれてきたくなかったという真実の叫びは、現実に起きている悲しい出来事とリンクしていて、胸に迫るものがありました。それに第一、彼らは心の中しか自分の自由にできないというのに。

恭子と美和と友彦の三角関係は、前回のラストで恭子が友彦の手を握ったから、恭子と友彦の仲に進展があるのかなと思いましたが、またしても美和に先手を打たれてしまいました。あげく、恭子はコテージを出て行ってしまう…。美和が恭子と友彦を引き裂くために取った行動は、相変わらずえげつなかったですが、美和は友彦を独占したいのではなく友彦に恭子を奪われたくないだけだとわかっていたので、恭子が出て行って美和がショックを受けたことで少しスッキリしました…って思うのは性格悪いですかね。悪いですね。しかしあの状況で恭子にコテージに残ってもらえるなんて思える美和はやばいとしか言いようがない。このドラマの特殊な設定を知らない人が見たら、「なにこの女ムカつくー」で終わってしまうでしょう。猶予の話だって、自分が気を持たせるようなことを言ったのが原因なのに、信じる方がバカみたいにあしらってるし。美和の言動は、常識で考えると「お前が言うな」のオンパレードですが、コップの中でマウンティングしようとするとこうなっちゃうんでしょうね。あと、コテージの先輩のあぐりが、美和に恭子の悪口を吹き込む場面は、いろいろデジャヴしていたたまれませんでした。こういう欠席裁判というか、その場にいない人の悪口で盛り上がるみたいなのは、誰でも通る道だとは思いますが…。

第2部のコテージ編は今週で終わって、次回から現代編、恭子が友彦の介護人になるみたいです。いよいよドラマはクライマックスへ。真実たち反乱軍が討ち破れててしまったので、この先の展開に希望が全然見えませんが、きっと心に残るドラマがあるでしょうから、期待しています。

それにしても馬場園ちゃん、思ってたより演技上手くてびっくり！お笑い芸人がシリアスな役をやると、コントっぽくなっちゃうのに違和感なくてすごいです。でも彼女ももうすぐ提供者になっちゃうから、そろそろ退場なのかな…ちょっと寂しい。