Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

半分、朝ドラ。

2018-09-30 15:19:29 | テレビ・ドラマ


みなさんこんにちは。台風24号が迫ってきているので、家の外は暴風雨が吹き荒れております。
フェリーの運航が停止しているので、出かけることどころか物流も止まっています。その上、24号の次の台風25号が、24号のルートを追っかけてきているという…よよよ。このままだと次の3連休はどうなるの?って感じです。

はい、というわけで日曜なのに家に引きこもっているしかないので、この機会に先日終わった朝ドラ「半分、青い。」の感想をざっくり書こうと思います。なぜざっくりなのかというと、毎日ドラマを見てはSNSで感想を呟いていたからです。半年も続くドラマの感想を、毎回丁寧に長文にする気力はなく、かといって終わってからまとめてどっしり書く記憶力もないからです。要は加齢のせいですね。それでも毎回欠かさず、第1話から最終回までしっかり見届けたのは偉いと思います。誰も言ってくれないから自分で言います。ええ。


私はこれまで、脚本家の北川悦吏子さんの作品をほとんど見たことがなく、見たのは「ビューティフル・ライフ」だけだったので、ドラマが始まる前は完走する自信はまったくありませんでした。主人公の名前が「鈴愛」ってのも、いくら朝ドラヒロインの名前は多少変わってても許される(ぴあのとかひらりとか)とはいえ突飛だなと思ったし、タイトルに句読点が入ってるのも奇をてらい過ぎだろと若干引いてました。今振り返ると、SNSとかネットの反応もそんな感じでしたね。

が、しかし、いざ見始めたらこれが意外と自分に合っていて、気がつけば毎朝必ずどころか、朝と昼の2回見たり録画してもう1回見たりと、すっかりはまってしまいました。いやいやいや、人生は何が起きるかわかりませんね。ロンバケをスルーしてた頃の自分が聞いたら、「あんた誰?」と自分で自分を疑っていたことでしょう。

昔から恋愛ドラマが苦手な私が、恋愛ドラマの教祖のように言われていた北川さんのドラマにハマったのは、好きな俳優・気になる俳優がたくさん出てるからとか、主人公が自分とほぼ同世代なので、ドラマに出てくるアイテムやエピソードを懐かしく感じたからというのもありますが、このドラマが昔からある朝ドラのフォーマットを保守しつつ、現代物の朝ドラにありがちな野暮ったさがなかったのが一番の理由かなと思います。朝ドラは文字通り朝の慌ただしい時間に15分だけ放送するドラマなので、わかりやすくするために舞台演劇的な省略が許されるところがあって(※個人の感想です)、その分夜のドラマと比べるとぎこちなくて不自然な感じがすることがよくありました。というか、私が見た範囲の朝ドラ全部でありました。なのでもちろん「半分、青い。」にもそういった省略やぎこちなさはあったのですが、脚本と演出と俳優の演技で、今までの朝ドラの中では割と素直に見られたかなと感じています。逆に「あまちゃん」はその不自然さを逆手にとってグルーブ感に変えていたような。どっちが優れているという話ではなく。

それと、主人公の鈴愛が幼馴染の律に勧められて読んだ漫画がきっかけで、少女漫画家になったことも、漫画好きの私のツボにはまりました。主人公が弟子入りする漫画家・秋風羽織のマネージャーの菱本さんは、80年代の少女漫画に出てきそうな風貌で、SNSではよく「動物のお医者さん」の菱沼さんに似てると言われてたけど、私には西村しのぶの漫画に出てくるマヌカンみたいに見えて、見るたび「おおお、(西村マンガのキャラが)動いてるっ!」と感動してました。そして、鈴愛と、鈴愛と同じく秋風塾の塾生であるボクテとユーコとの3人の友情物語は、昔読んだ大島弓子の漫画「庭はみどり川はブルー」を思い起こさせて、「私が見たかったのはこれだ( ;∀;)」と何度もウルウルしました。これは私の思い込みだろうけど、北川さんはユーコと鈴愛の関係を書くのに、あの漫画を参考にしたんじゃないのかなぁ、なんて考えが頭から消えません。

主人公の鈴愛は、ひとつの目標に邁進してそれを達成し成功者になるわけではなく、少女漫画家を挫折して100円ショップで働き、結婚して子供ができるもシングルマザーになり実家に帰ってまた東京に戻り…と流転の人生を送るので、朝ドラの主人公らしからぬとかなり批判されているのをSNSなどでよく見ますが、そもそも現代物のヒロインで初志貫徹して成功者になる人は記憶にないので、それが何か?という気がします。最終回で鈴愛はそよ風の扇風機を完成させるけど、それがヒットするかどうかはわからない状態で、まあなんとなく上手くいくんじゃないかな~程度で終わるのも、これまでのパターンを踏襲していると思うし。律と両思いになったからといって、最終回で結婚式をやらなかったのは斬新だと思いますが。私が鈴愛を素直に受け入れられたのは、私の周りに、新卒で正社員として入った会社にずっと勤めていて、仕事もプライベートも充実した毎日を送っている人があまりいないから、というのもあるんですけどね。

最終週で東日本大震災を扱ったことについて、批判派がかなりヒートアップしてるのはちょっとだけ見ました。でもこれはフィクションで人の死や災害を扱うときによくあることで、全方位を納得させることはできないので、受け入れられる人もそうでない人も、各々が出した答えで他人を殴ることなく、考え続けるしかないのではと思います。制作側も、実在の人物、実際にあった出来事を元にドラマを作る時、どこまで脚色が許されるのかを葛藤し続けてほしいです。

鈴愛の幼なじみで最終的に結ばれる(のか?ほんとに?)律は、演じてるのが佐藤健でなおかつ割と高スペックな設定だったので、どういうキャラなのか判断しにくいところがありましたが、結果「いいところとダメなところの両方がある人物」に落ち着いたのはよかったです。というか登場人物の中で一番のポンコツなのは律かも…別れた妻と息子について、ほとんど触れられなかったし。再婚しちゃってるんだからしゃしゃり出ちゃダメ、というのはあるけど、律が何もしないのは絶対その理屈じゃないと思う…。

ざっくり書くと言ったのに長くなりました。キリがないのでそろそろ終わりますが、最後に私がドラマで突っ込んだことをいくつか。

・和子さんの「焼きたてシフォンケーキ」
お菓子作りが好きな律の母・和子さんが「焼きたてのシフォンケーキがあるわよ」と鈴愛を誘う場面があったのですが、焼きたてのシフォンケーキはふわふわして切りにくいので、さめて落ち着いてからじゃないと食べられないはず…あるいは、これは今から40年くらい前の話なので、この頃のシフォンケーキは今のシフォンケーキとレシピが違うのかもしれません。昔と今とでレシピが違うお菓子、少なくないし。「TO-Y」の日出郎も、焼いてすぐのシフォンケーキをニヤに食べさせてたし(←古いなおい!)

・フィギュアスケート選手に算数は必要?
フィギュアスケート選手を目指すカンちゃん(鈴愛の娘)の算数の宿題を見た鈴愛が、問題を解けなくて「カンちゃんはフィギュアスケート選手になるから算数はできなくてもいいか」と敵前逃亡する場面。いや、フィギュアスケートは得点計算するのに算数めっちゃ大事ちゃうん。。。「ええんか、それで」と即座に突っ込んだ娘のカンちゃんのほうがしっかりしてます。ところで小学生の算数の問題って、今解くとすごく難しくないですか?小学生に教えてって頼まれても、うまく教えられる自信がありません。

・フィギュアスケートの場面が見たかった。
カンちゃんがスケートをする場面がないのは、カンちゃん役の子がスケートできないからなのかな?と予想したのですが、それなら最終回にちょろっと成長したカンちゃんが試合に出る場面とかを入れて欲しかったです。成長したカンちゃんの役はあの人で。最終週が始まってすぐに、それは無理かと悟りましたが。スピンオフでやってくれないかな~。

・マァくんとアキコさんはどうなった。
39歳のマァくんには10歳年上でバリキャリのアキコさんという恋人がいたはずですが、途中からその話は出てこなくなりました。マァくん、別れたのか。それともアキコさんは亡くなった旦那さんのことが忘れられず、義理の娘が高校を卒業したのをきっかけに大阪へ引っ越したのか。節子、それ違うドラマや。マァくんとアキコさんは震災をきっかけに結婚すると踏んでたのですがねぇ。実際結構あったと聞くし。もしそれをやってたらこれもまた不謹慎と叩かれてたのかもしれませんがね。


ツッコみどころも含めて、従来の朝ドラらしいところが半分、朝ドラらしくないところが半分、というのが私の感想です。これからの朝ドラもそうあってほしいですね。

以上。思い出したらまた何か書くかもしれませんが、今日はここまで。

明日から新しい朝ドラ「まんぷく」が始まります。日清食品の創業者夫婦がモデルだそうです。またかよBK!というツッコミをしたいところですが、ヒロインの夫の安藤百福さんをハセヒロが演じるので、今はこらえておきます。もしかすると、ハセヒロが憲兵に捕まって拷問されたり、巣鴨プリズンに収監されて残飯以下の食事をさせられて、GHQに財産没収されて「訴える!」と怒りに燃えるところが朝の8時から見られるかもしれないので。あー楽しみだわー。