Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

「わたしを離さないで」第9話。

2016-03-12 00:37:05 | テレビ・ドラマ


今週も「わたしを離さないで」を見ました。先週は美和の最後の叫びが頭に残って、見終わってからなかなか寝付けなかったのですが、今週もまたラストで胸を揺さぶられてしまいました。ほんと、すごいドラマです。

美和に託された希望を胸に、「猶予」をもらうため陽光学苑の恵美子先生を探す恭子。しかし先生は美和から教えられた住所にはおらず、なかなかたどり着けない。友彦がいつまで生きられるかわからないのに。恵美子先生が見つからなくて焦る恭子が、部屋で絵を描くのに没頭して薬を飲み忘れていた友彦にキレる場面は、状況は深刻なんだけど“相思相愛の2人なら上手くやれるはずなのにそうはいかない”という、カップルあるあるっぽくてちょっとおかしかったです。でも、これまでずっと自分の気持ちを抑え続けてきた恭子が、ようやく思ったことをポンポン口にできるようになったのだから、これはこれでいいことだったのでしょうね。その分、今週ラストの友彦の慟哭がやるせないものになるのですが…。

今週のメインは、のぞみが崎で隠遁生活を送っている恵美子先生の告白でした。恵美子先生がクローン第1号だったというのはドラマオリジナルですが、おかげで恵美子先生が陽光の子供たちをあのように教育したことに説得力が増したので、うまいアレンジです。

自らがクローンでありながら、恵美子先生が同じクローンの子供たちにしたことは、彼らの生命を守ることではなく、人間らしい教育を施した上で、提供者としての使命を全うさせること。矛盾しているけれど、それが恵美子先生にできる精一杯だった。マダムに協力してもらって、外の世界に恭子たちが人間であると認めさせ、対等に扱わせようとしたけれど、叶わなかった。かつて、マダムが恭子たちのことをゴキブリみたいに忌避していたように。

猶予が貰えないこと、マダムがクローンだったこと、陽光での教育の意味を知った恭子が愕然としている横で、友彦がさっぱりした顔で「じゃ、帰りますか」と言ったときはおいおい空気読めよと突っ込んだのですが、ドラマのラストで友彦が耐えきれなくなって癇癪を起こしたとき、彼の絶望の深さが伝わってきて痛々しかったです。そんな友彦を止めようとする恭子のセリフが「サッカーできなくなっちゃうよ」というのがもう…。恵美子先生は友彦のことを「癇癪持ちだった」と言ったけれど、大人になっても結局それは治らなかった…のではなくて、外の世界を知らず、ただ歳をとるだけで成長できない彼らはやはり、最期の時を迎える今になっても、子供の頃のように寄り添い合うことしかできないのかなと、切なくなりました。

来週はいよいよ最終回。ドラマのラストも、原作通りとは言わないまでもまさか全然違う展開にはならないでしょうから、どんな結末になるのだろうと今からすごく気になります。もちろん、来週で終わってしまうのは寂しいですが。

…しかし、このドラマの重苦しさよりも、4月から同じ枠で始まるドラマの予告が、現在放送中のドラマと真逆のテンションだったのが一番ダメージでかかった…。いや、そりゃ重いドラマの次も重いドラマってのはどうかと思うけどさー。もっとさー。


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