Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

「過保護のカホコ」まとめ感想

2017-09-14 21:00:03 | テレビ・ドラマ

毎週欠かさず見ていたドラマ「過保護のカホコ」が終わってしまいました。

最終回が放映される日は、朝からカホコロスに陥っていたのですが、ドラマが始まる4時間前に私の推し横綱日馬富士が連敗したので、そのショックでカホコロスが少し落ち着きました。我ながら優先順位が謎です。でも今日(9/14)も負けてしまったのでブルーです…。

最終回は、予告や番宣の雰囲気通りの大団円でした。まるで朝ドラの最終週のような、見事な風呂敷の畳み方で。「純と愛」もうこうだったらよかったのにねぇ。時間は巻き戻せないねぇ。それでも、脚本家があの遊川和彦氏なので、ドラマが終わるまで「ひょっとしたら…」とびくびくしていました。ただ、竹内涼真が演じている、主人公カホコの恋人の麦野初は、まあ何事もなかろうと踏んでました。なんせ、遊川氏がライバル視している(と一部で言われている)岡田惠和氏の朝ドラ「ひよっこ」では、同じ竹内涼真の演じる島谷の退場の仕方がアレだったので、ここは逆を張るだろうと。それにしても初と島谷、真逆のキャラでしたねぇ。こうも違うと、演じるの大変だったでしょうに。順番が逆じゃなくてよかったねぇ。

さて、ネットでは高畑充希演じる主人公のカホコと初の恋愛パートについて盛り上がってましたが、私もそこはそれなりに楽しんで見ていたものの、一番注目していたのはカホコの家族である、両親とそれぞれの親族の描かれ方、彼らがカホコによってどう変わるのか、のほうでした。まあ、若い2人よりも年齢も立場も近い人たちに感情移入してしまうのは当たり前ですよね。でも、家族のあり方が変わったのは初という家族の外からやってきた人の影響だから、初が彼らとどう絡むのかは注目していました。結果、「妻の実家の集まりに来て、妻の親戚から少し離れたところにたたずむ夫」になっていたのは笑えました。カホコと結婚してからは変わるのかなー。案外そのままだったりして。それも辛いな…。

で、その親族たち、カホコが言うところの「家族」ですが、その設定が遊川氏らしくくせアリ訳アリ。佐藤二朗さんがカホコの義叔父で警官の衛の役で、演技はほぼシリアス。シリアスな演技をする二朗さんはレアですから、そっちに目が行くのは仕方ありませんね。カホコのもう一人の義叔父、厚司役の夙川アトム、実は結構好きなのであんまり出番がなかったのは残念でした。べっぴんさんの時のほうが目立ってたぞー。

それはさておき、ドラマ序盤は、カホコの母・泉の実家が幸せそうで父・正高の実家の様子がどんよりしていたのに、話が進むにつれてそれがほぼ逆転するのが面白くもあり、また背筋がゾッとしました。私自身、泉の実家の人たちのような「一見幸福そうに見えるけど実はいろいろ抱えている」人たちに重なるものがあるので、時には楽しく、時には同族嫌悪に悩まされながら見ていました。泉のカホコへの過保護ぶりは、やりすぎだと思いつつも自分が子育てしたことないので、共感も反発もしづらかったです。もっとも、子育てなんて千差万別、ケースバイケースなので、したことあるからダメ出し出来るってわけじゃないでしょうけど。一方、泉と泉の妹の環と節の、三姉妹あるあるには共感しました。張りあったり和解したり、忙しいんですよね。あと、泉が過保護になった原因は母親の初代が厳しくし過ぎたからというのが終盤に出てきますが、これもあるあるですねぇ。いまわの際に母親が謝ってくれることは、あまりないかもしれないけど。カホコの両親と叔母夫婦たちは、すがすがしいほど手札がなくて、よくこういう人をドラマの登場人物にしたなぁと妙に感心してしまいました。三姉妹の旦那さんはみんな優しいけど、どこか頼りない。三姉妹は異性の好みも母親に似ちゃったんでしょうかね。カホコのじぃじみたいに、家業のスーパーは倒産させるわ妻が姑と小姑にいびられても守ってやれないわ、よりはマシですが。初はしっかりしてそうだから大丈夫かなと思って見てたけど、終盤に来てデレ出してから怪しくなりました。優しいのが一番だとは思うんですけどね。

カホコの従妹の糸ちゃんは、もっとかき回してくれるかと思ったけどそうでもありませんでした。中盤、仲良し家族を否定するところはすごく良かったのですが。内面よりも昭和の不良みたいなグレ方のほうが印象に残って残念。糸ちゃんだけじゃなく、ところどころ昭和テイストが散見されるドラマでした。昭和には作れないドラマだとは思いますが。

ネットで(時にはリアルで)カホコの年齢にはそぐわない幼すぎる言動を「発達障害みたい」と揶揄されたり「発達障害なんじゃないか」と疑われてましたが、私の身内にも発達障害の子がいるので、聞くたびに気持ちがざわざわしました。最後まで見た結果、カホコは障害があると明言されなかったので、最初からそういう設定ではなかったのだと思います。「のだめカンタービレ」ののだめが、単なる「音楽の才能がある変人」だったみたいに。そもそも、障害者を主人公とするドラマなら、それをドラマの序盤になんらかの形で提示するでしょうし。後出しでは乱暴すぎますもの。

でも、その一方で、もしカホコが障害のある子として描かれていたら、このドラマは視聴者からどんな反応をされただろうと考えもしました。SNSやヤフコメでどんなことを書かれるのか。想像するのも怖いけれど、これまでにも知的障碍者を主人公にしたドラマはあったし、そういったドラマがまた作られてほしいとも思うので、複雑な気持ちです。

ところで恋愛パートは視聴者へのサービスだと思いながら見ていたのですが、若い2人が性急に結婚を決めるのは、サービスというより恋愛の一番楽しいアレコレを省略してしまう、視聴者にとってはなかなかの拷問だと思いました。まあ、ヒロインといちゃいちゃする竹内涼真は朝ドラでがっつりやったから、ここで繰り返さなくていいやと判断したのかもしれませんけどね…。本来、恋愛がメインテーマのドラマじゃないし、交際期間ゼロ日で結婚した芸能人夫婦もいるし(これはあまり関係ない)。それに実際、親しい人が亡くなると妙にテンションが上がって、うっかり付き合ったりうっかり結婚しちゃったりする人はいるので、いきなりプロポーズしていきなり結婚も、ありかもしれません。それに今のご時世、就職したらとか経済的に安定したらとか言って先に延ばしてたら、結婚のタイミングなんてどっかいっちゃいそうですし。ただ、カホコと初の出会いから結婚までの流れは、2人が子どもから急に大人にさせられたみたいで、恋愛期間がなくてちょっとかわいそうな気もしました。もう少し話数があれば違ってたのかな。ま、結局私も2人のいちゃいちゃが見たかったわけですが。

最終回、もしかしたらカホコと初の間に子どもが生まれて、カホコが泉とは違うタイプの母親になって終わるのかなーと予想していたのですが、外れてしまいました。カホコを生むために不妊治療で苦しんだ分、カホコが妊娠して子どもを産むことで、泉もそれまでの呪縛から解放されるんじゃないかなと思ったもので。でもそれもまたデリケートな問題ですね。母親にならなくても、カホコが子供達の世話をして幸せにしているのだから、それでいいのかな。もしかしたら続編かスペシャルで扱うかもしれないけど。

最後に、このドラマで語られる「家族の絆」は「家族の呪い」でもあって、ドラマの中でそれがあまりに正しく語られてるのには、このドラマを好意的に見ている私でもモヤモヤしました。毒親に悩まされた経験のある人には尚更でしょう。ただ、カホコと初の夫婦は泉と正高の夫婦と似ているようで違うようにも思えたので、彼らの家族の歴史は繰り返しているように見えて、時代に合わせて、自分たちに合わせて変化してくってことなのかもしれないなーと思いました。あくまで私個人の感想ですが。カホコが用意する誕生日会は、ばぁばのそれとは違うだろうし(同じくらい完璧にできたらそれはそれで引く)。ハッピーエバーアフターなカタルシスはなかったけれど、それを目指してる、ということで。

続編かスペシャルを作れる余白はあると思いますが、どうなるでしょうか。出演者の確保も難しそうです。急に遊川氏が路線変更して、また阿鼻叫喚の展開にされても困るしなぁ(まだ疑ってる)。


10月からの日テレ水10は、綾瀬はるかと西島秀俊が夫婦役!ドラマも楽しみですが番宣で綾瀬はるかが何をやらかすのか超楽しみです!



2 コメント

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Unknown (通りすがりだった人(菊))
2017-09-16 23:43:21
銀魂の記事にコメントさせていただいた者です。
通りすがりだったんですが、あれからちょくちょく拝見させて頂いております。
あらためまして、菊と申します。

ひよっこも、過保護のカホコも、実はまるっきり見てはいないのですが、
読んでいてさも今まで見ていたかのような、
そして見ていなかった自分を恨み、DVD借りて見ようと決心させられました。

素敵な記事をありがとうございます。
見る見る詐欺にならないように、きっちり見ます。
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コメントありがとうございます (もちきち)
2017-09-17 13:56:55
>菊さん
こんにちは。コメントありがとうございます。

ひよっこは今月末で終わりですね。次の朝ドラは今人気の高橋一生が片想い不憫キャラで出るそうなので、また話題になりそうです。

カホコはDVDが出たら買おうかなーと思っているのですが、ドラマのDVDは見たことも買ったこともないので迷い中です。

最近ブログの更新をさぼりがちで、文章を書くスピードが下がってしまいました。
リハビリがてらぼちぼちやっていきますので、また遊びに来てくださいね。
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