Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

朝ドラ「べっぴんさん」第一週を見て。

2016-10-09 13:29:03 | テレビ・ドラマ


先週の月曜日からスタートした、NHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」。
ヒロイン役の芳根京子ちゃんの、「表参道高校合唱部」での熱演が好印象だったので、まずは1週間見てみました。

芳根京子ちゃんが演じる坂東すみれのモデルとなるのは、子供服メーカー「ファミリア」の創始者のひとり、坂野惇子さん。またしても企業もの朝ドラです。すみれの父親・坂東五十八のモデルとなる、佐々木八十八はレナウンの創業者で貴族院議員。前々作の「あさが来た」のヒロイン、あさには及ばないものの、すみれも雲の上のお嬢様です。個人の感想ですが、最近の朝ドラは一般庶民よりも富裕層出身の主人公のほうが支持されている気がするので、多分このドラマもヒットするんじゃないでしょうか。モデルといっても、第一週を見たところ坂野さんとすみれには異なる点がたくさんあるので、そのへんをツッコむ人もいそうな気もしますが、朝ドラファンの中には「前作を貶すために今作を褒めそやす」人が一定数いるので、おそらく「べっぴんさん」もそういう人たちに支持されるでしょう。支持する声が大きくなれば、批判する人は口をつぐんで、本放送が終了してからやっと不満を口にするようですし(実際SNSでそういう人を見た)。

さて、ぐだぐだ書いてしまいましたが、一週目を見た感想は“NHK大阪、今回も手堅くまとめるんだな”でした。
神戸の山手の豪華な洋館で、レースとフリルのドレスに身を包んで過ごすお嬢様。素敵な幼馴染の少年、けれど優しいお母さまは病に臥せっていて、余命いくばくもない…。うーん、なんか小学生の頃、日曜日の夜7時半からこういうアニメを見た気がするぞー?あれはなんだったけなー?ってアラフォーの私が思っちゃうくらいだから、アラフォーの主婦層には人気出そうですね。

見始めて数話、ちょっと気になったのが、主人公のすみれは思ったことを言葉にするまで時間のかかる子で、父親の五十八はそんなすみれにしびれを切らしてつい怒鳴ってしまう、という場面が複数回あったこと。週の後半、これはすみれが慎重に言葉を選んで自分の思いを伝えようとするだけで、五十八もまた、自分の気持ちをストレートに子供に伝えることができない人だった、いわゆる似たもの親子だった、というオチがつきました(※個人の感想です)。自分に似てるから、余計に五十八はすみれの「なんかな…なんかな…」ばかりで次の言葉が出てこない様子にいら立ったんですね。解決して、めでたしめでたしです。

ただ、これも個人的な話ですが、言葉が出ないすみれに五十八がいら立つ場面は、発達障害の姪の幼い頃を思い出して、「五十八さんそれはダメー!もうちょっと待ってあげてー!!」とか「すみれ落ち着いて!ゆっくりでいいから!何なら明日でもいいから!」とか、声にならない叫びで胸がつまって、ついでに胃がギリギリしました。多分、同じような障害を持つ子の親御さんは、五十八の怒鳴る姿がいろんな意味で突き刺さったのではないでしょうか。正直、あの場面を見て私は「このドラマは姉(姪の母親)に見てほしくない」とまで考えてしまいました。見ているかどうか、怖くてまだ確認していないのですが。

結果、すみれが言葉で気持ちをすらすら伝えないのも、好きなこと(=刺繍)に没頭すると周りが見えない聞こえない、というのもすべて個性ということで解決したわけで(実在の人がモデルなんだから当たり前か)、中の人も子役から本役に代わり、来週中にすみれは失恋→結婚→出産→終戦と忙しいスケジュールをこなさないといけないようなので、このもやもやが再発することはなさそうです。それにしてもこのドラマの戦争は、いつの間にか始まっててあっという間に終わるんですね。前作の戦争描写が非難ゴーゴーだったから、今作ではスルーするんでしょうか。それとも「この前の朝ドラで充分見たから、今回はすっ飛ばすぜ?どうせ見たくないだろ?」ってことでしょうか。

第2週以降、不自由のない生活をしていたお嬢様が、戦争でなにもかも失って、そこから成功をつかみ取る話になるのなら興味がありますが、さてどうなるんでしょう。そもそも私は複数のイケメンに愛され見守られ支えられるヒロインが苦手つまり朝ドラ視聴に向いてないので、完走できるかいまいち自信がありません。。。あと、ヒロインのすみれに比べて姉のゆりの扱いが雑なのが気になります。子供時代、ぼんやりマイペースなすみれを一番気遣っていたのがゆりなのに、周りの大人(特に女中頭と執事はもっとしっかりせい!と思った)はそこを完全スルーしていて、大人になればなったで妹の想い人を奪ってしまう役回りで気の毒です。前作は長女が主人公だったからって、その扱いはないだろ!な感じです。蓮佛さん、大変だと思うけどがんばってください!

あと、第1週のメインは母親との死別でしたが、主人公同様幼い頃に母親を病で亡くしたうちの母マリコには、第1週の母親との涙の別れの場面は胸に響いたようです。ほぼ毎回、オンタイムで視聴している母は、録画したドラマをまだ見ていない私にネタバレしつつ、「お母さんのお母さん(=私の祖母)は手先が器用な人で、よう裁縫を教えてもろたわー」と遠い昔の思い出を語ってくれました。母の脳内では、幼いすみれがかつての自分と重なって見えたようです…が、私がこれまで周囲と母本人から聞いた話をまとめると、子供の頃の母はどちらかというと「べっぴんさん」のすみれというより、「ごちそうさん」のめ以子のほうがキャラが被ってる気がするのですが。食い意地が張っているところとか。すみれの巨大な裁ちばさみで革靴を分解するような大胆さは、似てるっちゃ似てますが。(詳しく書くと1万字を超えるので割愛します)

市村正親が靴屋の職人役で出ていますが、これはモデルの坂野さんの靴のエピソードをこのドラマでもやる、ってことですね。西洋の靴を作る職人があの時代をどう生き抜いたのかは気になるので、市村さんの再登場は楽しみです。

全然関係ないけど、すみれの想い人の潔を演じる高良健吾を見るたび、この前見た「ふきげんな過去」で二階堂ふみに「運命は数奇だけどうすっぺらいのよ!」ってキレられてたのを思い出してつい笑ってしまう…。


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