宮城県の小さく綺麗で穏やかな海辺に住む、はげたま(禿頭)おっさんの~ごまめの歯軋り~

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★『プルサーマルを考える対話フォーラム』で感じた違和感!

2009年11月03日 00時45分19秒 | 女川原発 & 関連
                      【写真=宮城県女川町  女川原発】   



かみさんのホームページ  『うみねこが舞う、漁業と原発の町の議員活動』

 『京都大学原子炉実験所』という処の摩訶不思議?  
 10月31日(土)に石巻市万石浦中学校体育館で、『プルサーマルを考える対話フォーラム』があった。
原発立地自治体住民の東北電力・女川原発3号機のプルサーマル導入計画に対する、賛否の参考になるものであった。
 おらの目勘定で、ざっと300人位の人々が集まったようだ。
この数字が、多いのか少ないのか、俄かには判断できない。
ただ未来を担う若者の姿が少なく見え、失礼ながら比較的高齢者が多かったようで、それが事実だったなら、おらは少なからず残念な事に思った。
と言っても、かく言うおらも高齢者のお仲間だから、天に唾する事は言わない方がいいに決まっているが、のぉ・・・!

 フォーラムでは、始めに慎重派の舘野 淳、元中央大学教授が講演し、次に推進派の山名 元、京都大学原子炉実験所教授の講演があった。
その後、両パネリストによる対話があり、それを聴いた後、会場の参加者からの質問にパネリストが答える形式で行われた。

 舘野先生は慎重派で、プルサーマル計画は「労多くして益なし」として、「プルトニウムは危険で、プルサーマルで使っても有効利用できるのはウラン資源のせいぜい1~2割程度」と云い又、「科学には未知の領域がある」と危険性を指摘した上で「プルトニウムの利用を考えるなら、高速増殖炉しかない」と断言した。   
 一方山名先生は推進派の立場から、「プルトニウムは有効利用すべき」「15%程度の有効利用アップでも膨大な量になる」と話した。
そして「使用済み核燃料を廃棄物にしなければ、ウランの安定的な輸入ができない事になっても対処できる」とした。
また「運転上の危惧も対策をとれば今の燃料と同じくできる」と、計画の必要性や安全性を展開した。

 9月5日にも、基調講演会「プルサーマルを考える」が、女川町と石巻市であった。
元九州大学教授の出光一哉氏が推進派の立場から、そして元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二氏が慎重派の立場から発言したと記憶している。
 
 両方の講演会でのパネリストの話しを聴いて、大いに不思議に思い、違和感を持った事が一つあるのである。
 それは京都大学原子炉実験所関係者の発言が、おらの固い頭の理解では、まるで正反対の事を言っている様に聞こえたが、おらの勘違いだったのだろうか?

 京大原子炉実験所教授の山名 元氏は推進の立場からの発言であり、同所・元講師の小林圭二氏が慎重派の立場からの発言だったと云う事ですが?
 
 ど素人で科学的知識に疎く、全く無いに等しいおらから見ると、奇異以外の何物でも無かった。
同じ研究室にいて、多分?協力し合ったり、或いは深い議論をした関係なのかも知れませんが(これはあくまでおらの憶測に過ぎない)とにかく違和感を持った。
 普通に考えて、同所に於いて存分に研究し、当然内外の事情に精通しているに違いないお二人の見解・認識が、こんなにも違って来るものなのだろうか?

 おらの感覚からすれば、国内第一級の研究室の科学者(研究者)の間で、これだけの見解(認識)の差があると云う事は、プルサーマル(プルトニウム)の技術的な問題や処分の問題等諸々が、未だ未確立なのではないのか、或いは商業炉で使用する段階には無い事の証左ではないのか、との疑念が湧いて来るのを禁じえない。。
 天下の京都大学は、自由闊達な学風とは聞いた事がありますが、それにしても?と思うのだ。

以下の文章が名誉毀損にあたるかも知れないが、山名氏と小林氏の間に何等かの確執でもあったのだろうか?
 しかし卑しくも名門大の科学者を名乗っている以上、そんな個人的な理由で、ご自分の学説を捻じ曲げるとも考えられないし・・・・。
 ここまで書いて来たら、前述の舘野先生の言葉が甦って来た。
「科学には未知の領域がある」との示唆的な言葉が・・・・。
やはり既存の原発でのプルサーマル計画には、何かが潜んでいる、と思えて来る。

 おらが原発立地自治体住民の立場で憂慮する事があり、云わば出口の話しだが、出口が見えなければ、人はなかなか前には進み得ない、と思っている。
プルサーマル計画を初めて聞いた時に、頭に浮かんだのは、一つの言葉だった。
原発が、その誕生の時から言われて来た『トイレ無きマンション』との酷評が、歴史的遺物のように甦ってきたのだ。
今、それを更に上回るリスクを、立地自治体住民が背負い込まされようとしている。

 それにも増して腹立たしい事がある。
使用済みMOX燃料をどう処理するのか、その先が全く解らない事だ。
 当面は原発サイト(原発敷地内)のプールで貯蔵すると云う事だが。
しかし、その説明は東北電力の宣伝パンフレットを読むと、異常に小さな文字で書かれていて、意図的に住民に判りにくくしているとしか、おらには思えない。
 その姑息なやり方、考え方が、おら達住民をいかに愚弄しているのかと、経営陣は想像しないのだろうか?
それが無用な反発を招いていて、事業執行の障害にさえなっているんですよ、と言いたい。
東北電力の社員の説明では「貯蔵プールは30年分程度の容量があるから心配ないです」と平気で言ってのける。
だが、住民の心配や不安を全く理解してない、と言うより、むしろ煽っていると、言わざるを得ない。

 しかもその根拠は曖昧で子々孫々、或いは半永久的に保管されないとも限らないとも思っているのだよ電力さん。
説明を聞けば聞くほど、決して杞憂で終わらない悪夢が来るかも知れないと思っているのですよ、電力執行部の皆さん。

 最後にMOX燃料を使えば、核燃料サイクルになるとの誤解が一部にありますが、使用済みMOX燃料は、再利用できない、と声を大にして言うよ。
一回限りの使用で、その組成が複雑になり毒性や危険性が大きく増し、従って処理する技術もまだ無いのだ。
 つまり核燃料サイクルは一回こっきりで、況してやリ・サイクルと思っている方がおりましたら大至急、考えを改めて少しの学習する事をお薦めする、です。

 補足になりますが、青森県にある原燃(株)の使用済みウラン燃料の再処理工場は、トラブル・事故が続発して、予定通りには全く進んでいません。
高レベル放射能廃棄物のガラス固化体の目途も、先が全く見えない現状です。

京都大学原子炉実験所の山名教授は「技術が将来克服する」と極めて楽観的ですが、逆にそこに危うさを感じる、これがおらの結論だ。

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