かみさんのホームページ『阿部りつ子の女川町(おながわちょう)便り』
東北の片田舎まで押し寄せた政党液状化現象
いよいよ総選挙の公示が明日に迫った。
政権交代可能な二大政党制を目指して小選挙区制を導入したはずなのに、全てが偽りに満ちた絵空事であった。
欺瞞に満ちた小選挙区制である事を、その導入に夢中になった政治家達自らが証明している。
そして・・・所属政党を離れ新党を結成するのは、まるで今日では、それがトレンドになったかのように、多くの議員達が当然の如くの顔をして平然と行っている。
慌ただしい年末選挙になったが、何と、つい先日まで15の政党を数えていたが、公示が迫り12になった。
とは言え、当選目当てとしか言いようのない理念の違う政党の合流や、政党間を渡り歩く議員(候補)の何と多い事か。
そして、その離合集散や、どう見ても野合としか言えないそれは、公示直前まで続いたのである。
『みんな』だの、『たちあがれ』だの、『きづな』だの、『いしん』だの、『たいよう』だの、『だつTPP』だの、『げんぜい』だの、『だいち』だの、『みどり』だの、『みらい』だの、と、何が何だか解らないったりゃありゃしない。
「今日のおれ、何党なのと 秘書に聞き」・・・・・が、冗談とは聞こえない状況である。
雨後の竹の子顔負けのこんな状態では、日本の明日が明るいとは到底思えないし、 当初は大都市圏での動きと思っていたが、その流れはついに東北の片田舎まで押し寄せた。
私の住む宮城県女川町は、大震災(巨大津波)の爪痕が今なお生々しく、復興の歩みを遅いと感じている住民が圧倒的である。
そして、当然国に頼らざる得ない厳しい状況であり、しかも与党大幹部の地元であるにも関わらず、国会議員に期待する住民は少なく、その視線は冷めているのが現実である。
それは、与党民主党に対する失望ばかりでなく、我が身可愛さの身勝手な議員の余りの多さと、それを容易にしているタガの外れた中央大政党の求心力の無さであり、これで日本の明日が良くなるとは到底思えない事を誰もが肌で感じていて、もはや期待する事への徒労感からきているのである。
そんな中、発災(被災)直後から被災者救援に全力を挙げ続けた日本共産党の存在は、かつてなく大きい。
ネット上では国会議員の通信簿が多く閲覧されていて、日本共産党議員の高橋ちづ子議員始め全員が質問回数の上位に名を連ね、国民目線に立った活動が高く評価されている。
その一助をかみさんは町議という小さな立場で担っているが、帰宅がどうしても遅くなり、身体障害者の腹を空かせた私は、ご主人の帰りを待つ犬のように、ただただ晩御飯を出されるまでベッドの上で時計を見つめながら過ごすのである。
そんな私の日常は時間に恵まれ、新聞二紙を隅々まで読み、テレビの主婦向け(?)情報番組を梯子し、ネットで同じような記事を追いかけている毎日であるから、情報を仕事にしている方よりもちろん劣るが、片田舎のおっさんにしては中々の事情通であると自負しているが、世間の誰も知らない(どうでもいいか・・・あゝ)。
宮城5区の滑り込み渡り鳥候補に”唖然”、そして許せぬ思い
その私が昨日になって、実にびっくらこいたのである。
何と、選挙公示2日前になって私の住む宮城5区に、『日本未来の党』から出馬する人が現れたのである。
しかも、地元・・・女川町出身の女性であるからして・・・・むむむっ・・・・・
しかし、本当の驚きはそんな事ではなかった。
何とその人は今年5月、『自民党』宮城県連が実施した党5区支部長の公募に応募して、最終選考まで残りながら年の若い同性に敗れていた経歴を持っていた事である。
これで、宮城5区の構図は、『共産党』・『民主党』・『自民党』・『未来の党』4党の争いに決定だが、本ブログで書きたいのはそんな事ではもちろんない。
呆れて物が言えない、と書きたいのだ。
ここで呆れ驚いているのは、予想している方も多いと想うが、どうしたら『自民党』に応募した人間が、半年も経ずに『日本未来の党』から出馬できるのか、というその変節振りに、である。
今の日本政界では驚くに当たらないとしても、そして政治的自由があるとしても、『自民党』と『日本未来の党』の政策では、どう考えても繋がりようがない。
今次選挙の一大争点である国民の命に関わる原発問題で、深く勉強し宗旨替えをしたのなら、有権者の前に堂々とそれを開陳し、どうして変わったのか充分な説明責任を果たさなければ、その時点で候補者の資格が厳しく問われるのは、論を待たないところであろう。
もちろん、日本共産党以外の各政党を、とことん突き詰めて行けば同根に行き当たるのは承知しているが、それにしても党の政策を(個人のではない)全面(前面)に出して闘う神聖な国民の審判を仰ぐ総選挙であるから、仮初めにも有権者を愚弄するような行為、そんな事があっていい訳がない。
もし、故郷の人々を舐めてかかっていないのであれば、そして政界の実態はどうあれ、選良(代議士)を目指すのであれば、思想的・政策的な一貫性も当然問われなければならない資質である事を強く指摘しておきたい。
もしこれに同意できない候補者であるなら、お人好しが多い東北の地と云えども、私は許す事ができない。
「もう黙っては居られない」と、私の友人が立候補
5区には私の35年来の友人が立候補する予定である。
青年期から終始一貫不正を憎み、常に庶民の目線に立ち寄り添って、庶民のために働いて来た人間である。
彼の目は一点の曇りもなく、社会を良くするために身を捧げて来た人間である。
被災地の惨状をつぶさに見て来て、救援活動に多大な汗を流して来た彼は決然として言った。
「もう黙っていられない。震災で苦しむ人が地域で安心して暮らせるように力を発揮したい」と。
大いに期待したいもので、その輪が大きく拡がる事を固く信じている。
宮城にも蔓延し始めた政治的退廃は、東北人の美徳を損ねる
政治的退廃(無節操)が大都市部だけの話ではなくなり、東北の地にも蔓延(はびこ)り始めたのは、思想信条の垣根を越えて哀しい事であり由々しき事態である、と思っている。
考えの違う人であっても、凛とした人であれば立場を超えてリスペクトし話ができるというもの。
ところが、昨日言った事と今日言うのが違う立候補者が少なくなく存在し、つまり半年も経ず(否、1・2週間単位も見受けられる)政党を渡り歩き所属政党を変えるのであれば、国民(庶民)目線から言えば、それは朝令暮改以下的言動を弄する人であり、公人になる可能性のある人としては極めて不適切な信用できない人、という事になる、と断言できるのである。
偏った報道でマスコミの寵児になった人間を、その発言の変遷(コロコロ中身を変える)を良く見極めないで、我が身可愛さにその人気に縋り肖り当選を狙うなどは、恥を重んずる東北人には見るに堪えない醜態である。
押しが強くなく思慮深い東北の民は寒い季節をじっと耐え、その習い性ともいうべき美徳が、昨年の大震災で世界中から大絶賛されたではないか。
震災後の人為的不遇を嘆きながらも耐えている東北の民であっても、我慢の限度があるというもの・・・・・!
それなのに、政治的退廃が顕著に現れたのが宮城2区である。
100万都市の仙台市であるから、生粋の東北人以外の人も多いだろうし無党派層も多いと聞くが、それにしても残念である。
選挙構図は、『共産』、『民主』、『自民』、『みんな』、『維新』、『未来』の6党である。
宮城1区は、これに加えて『民社』からも出馬するから、数的には7党の争いで数では上であるが、問題はその中身である。
宮城1区は、前職と元職の二人の代議士経験者がいるが、2区は4名であり、『民主』、『自民』それぞれ身内分裂選挙の、骨肉相食む醜悪な選挙戦なのが特徴であり、支持政党が違う私からみても、東北人らしからぬ理性の無さである。
宮城2区選挙戦、各党の様相や政策を見てみましょう。
『共産』の、市民に馴染みの元市議だけが、醜い争いの外であり、かなり有力である。政策として被災地の震災からの復興第一ですが、これはどこの政党も掲げざるを得ませんが、内容については被災者中心の共産党から、大企業中心のその他など違いがあります。その他の主要政策は、原発即時ゼロ、消費税増税中止、TPP交渉参加断固反対で、保守系だったJAグループなど第一次産業団体など各団体と共同歩調。
『民主』は、以前は1区で当選実績があるが陣営の選挙違反で辞職し参議院に転じたものの、今回再度の鞍替えで2区に転進して3選を狙う。『未来』に対する事実上の刺客である。原発は、2030年代の廃止を言いますが、大間原発の建設容認と核燃料サイクルの温存では、事実上の原発政策継続です。2009年マニフェスト違反の消費税増税強行、TPP参加強行。
『未来』は、前回『民主』で当選したが、消費税で対立して離党し『きづな』を経て『未来』から再選を狙う。卒原発を掲げるが10年後といい、嘉田代表は再稼働を言ったり揺らいでいる。消費税増税はいずれ必要だが今ではない。反TPP。
『自民』は、現職で4選を目指すが元比例同僚が『維新』から出るので、保守分裂である。原発推進。消費税増税。見せかけの反TPP。
『維新』は、『自民』元職であるが、『立ち上がれ』『太陽』を経て、4選を目指す。原発は石原代表が加わってから維持推進に転じる。消費税増税は11%。TPP参加。これで、どこが第三極と言えるのだろう?
『みんな』は、自民党元県議で、『維新』との連携を期待していたが当てが外れた格好である。原発は2020年代に市場淘汰。消費税増税の前にやる事がある(国会議員や公務員が身を切る)。TPP参加。
小選挙区制と議席削減を止め、政党助成金の廃止を(共産350億円拒否)
それにしても、一つの議席に6党も7党も出馬する小選挙区制は、選挙区内の大多数の票が「死に票」になるのは明確であり、民意を正しく国政に反映させるという憲法上の要請に、全く応えない欠陥制度であるのは誰の目にも明らかである。
正しく民意を反映する比例制にし、日本共産党が受け取りを拒否している政党助成金、年間320億円を廃止すれば、定数を300議席以上も減らす効果があるのは歴然としている。
民主党や自民・公明党などが、比例部分の議席減を狙って策動しているのは、憲法の要請に真っ向から反する暴挙と断じざるを得ない。
何故なら、現在の比例議席を40~80減らしても、政党助成金廃止の金額に遥かに及ばない答えになるのは、小学生でも簡単に計算できるからである。
過去18年間に、『民主』、『自民』、『公明』など各政党が受け取った政党助成金は、5500億円にも上り、その間、日本共産党だけは350億円以上もの受け取りを拒否し続けて来ているのです。
そして今、政党助成金受け取り目当てに政党構成要件を満たすために、国会議員5名以上が寄り集まって選挙互助会的政党の粗製乱造が、後を絶たない嘆かわしい現実があります。
政党とは、本来国民に根差して活動を行い、党員や支持者に浄財を求め、自前の資金で運営されるべきもので、実際日本共産党はそれを結党以来90年間も続けています。
日本共産党以外の民社党を含めた全政党は、赤ちゃんからお年寄りまでの国民一人当たり250円の税金である政党助成金を受け取っています。
そして、小選挙区制導入の際誓ったはずの、企業・団体献金禁止も守られていませんし、違法献金も後を絶ちません。
明日から選挙戦に突入です。
しっかりした目で各政党の政策を見極め、現在のあまりに多い問題を冷静に正しく解決する処方箋を議論し、先進国らしく格差と貧困を無くし、将来の子供世代に禍根を残さない選択をしたいものである。
被災地は尚のこと脱原発・反TPPで高橋議員は当然当選と軽く考えていましたが、実のところは大変だったのですね。新聞が早々と自民党300議席確保など書くので、知人は行っても無駄と棄権しました。マスコミの罪や日本人の権利意識がもう一歩ですね。官邸デモは1月11日から始まります。行ってきます!
まだ、新年を祝う心境にはなれませんので、敢えて賀詞は今年も控えています。それにしても、いつも当ブログや家内のHPにご訪問いただき、本当にありがとうございます。そして、励ましのお言葉に感謝しています。年が明けましたので、怠けていたブログやHPの更新を、家内ともども確実に行っていきますので、今後ともご訪問をお待ちしています。
2013年・元旦、AM9時20分
11日の官邸前デモにご参加との事、心強いお便りで感激しています。東北の片田舎で遠い地に住む私ですが、家内は昨年、一度だけ参加しています。私は重度の身障者ですから無理でした。11日は、私ども夫婦の心も一緒に持っていって下されば、大変有難く思います。新年早々の嬉しい便りで、力を頂きました。ありがとうございました。
いつも感謝しています。今日は、阪神・淡路大震災のあった日。自然災害はいつどこを襲うか知れません。しかし、そんな中にあって、人災と言われる因子は少しでも無くして行きたいものですね。