かみさんのホームページ 『うみねこが舞う、漁業と原発の町の議員活動』
おら達大人は、どれだけ若者に対して謙虚になれるのだろうか?
選挙戦たけなわの19日、とある集会場で行われたある候補の個人演説会で、その言葉が出た。
主役はY青年。
歳の頃は三十歳くらいだろうか?
この種の演説会には珍しく、つい最近まで政治に比較的関心の薄かった青年が、弁士に立った。
160名くらいも居たであろう聴衆が、静かにそのY青年の言葉に耳を傾けていた。
そして彼の目の前には、直前に挨拶を行った前大学教授の石巻市長がいて、真剣に聞き入っていた。
司会者の粋な計らいで、予定のあった市長の滞在を5分間だけ延ばしてもらい、市長自身も若者問題に若干触れたばかりであったから、誠にタイムリーな司会者の機知であった。
『私は大学を卒業して、地方公務員を目指したのです。しかし2次試験の面接で落ちてしまったのです。しかし夢を諦められず翌年の公務員採用試験に備え、勉強を続けました。』
彼の話し方は決して冗舌ではなく、むしろ朴訥とした、いかにも人前で話す事に慣れていない好感の持てるものであった。
話は続いた。
『ところが翌年は、採用がなかったのです。私は食べて行くために已む無くアルバイトとかしながら暮らしていました。親友の二人は、生まれ故郷の石巻市で働き暮らしたいと戻って来たのですが、思うような仕事がなく、一人は仙台に、もう一人は千葉県に行ってしまったのです。』
『私はアルバイトを続けながらも、所謂正社員になりたかったのですが、知っている人達も多くはアルバイトや非正規雇用の道しかなかったのです』
言葉は続く。
『大学を卒業して2年、3年と過ぎ、私には展望が見えませんでした。そんな時、友だちのお父さんで幼い時から知っている庄司よしあきさんに、相談したのです。』
『私の話しを静かにしっかり聞いてくれた庄司さんは、次のように言ってくれました。「若者たちの就職難にも自己責任とかいろんな事を言って、君たち若者に責任があるかのような物云いをする社会になってしまったが、君たち若者に責任があるのではないのだよ。ルールのない働き方を推進する社会に批判を持ちながらも、それを食い止める事の出来なかった私たち大人の責任が大きいのだよ、申し訳ない」と言ってくれました』
『私は衝撃を受けたのです。どんな大人に話しても庄司さんのように「自分たち大人の責任だよ」と言ってくれた大人はいなくて、庄司さんが初めてでした』
『私は、その言葉を聞いて胸につかえていたものが、スーと落ちて軽くなったのです』
おらの拙い表現力と、はなはだ心許ない記憶力の文章をこれ以上書くことは、Y青年を侮辱する事になるから止める事にする。
因みにおらも目頭が熱くなった口であり、個人演説会終了後にそのY青年と固い握手をしたが、思いの他、彼の手は暖かで温もりがあった。
そしておらが知る彼は非常に高い好感度があり、大学を卒業して社会に出る時面接した面接官の人を見る目の無さを、おらは指摘して置かなければならない。
”お前の目は節穴か?”と・・・。
彼はおらの親友(先の司会者)の経営する会社に、正社員として就職が決まったらしいので、”おめでとう”の言葉を贈ろう。
彼ならおらの親友の元で大いに研鑽を積み、いずれは大きく社会に飛躍し飛翔するであろう、とおらは確信する。
したがおらはそれを見届けるまで、生きていられるだろうか?
何?早く消えろ?
むむむ・・・・・・ハァー・・・・・
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