あるよ。
一回目は、10歳くらいの頃の夏。
夕張の親戚のところへ行くのに、当時ちょうど青函連絡船がなくなるというので、わざわざ母が、連絡船を使うべく、上野から寝台車を使った。
飛行機で行ったこともあるのに!
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夕張にいたのは、母の姉一家。北炭の社宅にいた。
母と私と、まだ2歳くらいの弟との三人。
父は、上野駅のホームまで送りに来たが、仕事もあり、そこで帰った。
弟には、「父だけ行かない」ということがわかっていなかった。
父は行かないのだ、と言えばよかったのに、どういうわけか、母が、
「お父さんはパンツ忘れちゃったから、取りにいったのよ」
と言い、父は列車の窓から笑顔で手を振って帰り、列車は走り出した。
弟は、「お父さんが乗り遅れた」と泣き出した。
まったく。なぜ、行かないのよと言わなかったのか。
しかも、なぜ、忘れ物がパンツだったのか…。
なーぜー。
その後、何回か、ひとりで乗った。
三段の寝台車とか、男性とまじって乗っていた。
あまり気にしなかった。
…若かったんだな…。