この夏は、いろいろあり、暑くもあった。
父80歳と、ワタシは、妙にマジメに、毎朝梅干しを食べた。
ワタシ的には、「カラダが欲したから」という感じだった。
おまじないでも、かまいはしない。
我が家にあった、もらいものの梅干など、すっかり在庫がなくなった。
とうとう、久しぶりに、買った。
さて。
父は、近年、腎機能低下のため、食事制限をしている…つもり。
塩、タンパク質、カリウム、だそうだ。
(医師が求める以上に、いろんなことをしてるように見える!)
母の生前から、父の態度には、おおいにギモンがあった。
母の料理は、もともと、総体に薄味だったのに。
父は、味噌汁を少なくよそってお湯を足したり、冷や奴に醤油をかけずに、不味そうに食べたりし、そのくせ、煎餅などをバリバリ食べるのだ。
「お父さん、塩を制限しているわりに、その煎餅はマズイんじゃないの?」
「食事で制限してるからいいんだ!」
正直、よそ様の家庭の味と厳密に比べたわけじゃないが。
薄味傾向で、「足りない人は、自分の分だけ足す」スタンス。
それに、父が実際にナニカ食べ、
「塩っぱい!」
と文句を言うときもあれば、
(あら、こんなに塩っぱいのに…)
と、こちらが思うものに、
「全然塩っぱくない」
と父が言うことが、ままある。
80歳。
自分の味覚で塩分を調整するのは、ほんとはムリだ。
でも、それを言っちゃうと、かわいそうな気もするので、控えている。
ほんとは、もうトシなんだから、好きなものを食べればいいじゃん、と思うけど。
食事制限が趣味みたいな状況だし。
本人的には、制限してるつもり、の方が、キモチが満足らしい。
濃い味・油過剰をやめない人より。
好んで医者に通い、毎日数回、血圧を測り、細か~い健康管理を自分でしてる…つもり、の方が、ましかもしれない。
…。
前置きが長くなってしまった。
減塩梅干のハナシだった。
今回、買うにあたり、ワタシは、「あまり減塩してないやつ」を探した。
昔ながらの方がいい。
以前から、母とワタシは、
「佃煮でも、塩っぱいものでも、ヘンに薄くしないで、ちゃんと味のあるものをちょびっと食べる方が、満足感がある気がする」
ということで、意見が一致していた。
望み通りではなかったが、あまり薄くないらしいのを、買った。
大粒だったので、毎朝、半個食べている。
父は、四分の一ずつ、食べている。
まあ、とにかく、こういうことでいいんじゃないか?
買うに当たり、ネットで調べたら、
『梅干しは、いったん漬けたものを塩抜きして、完成する。
その際、塩分以外のエキスも流出してしまう。
当然、減塩タイプは、より塩抜きされ、他のエキスも流出する』
…ということらしい。
おまじないにも、なりゃしない。
減塩食品よりは、フツーのものを少なく食べる、その程度でいいような気がする。
一時もてはやされたカプサイシン。
発ガン性がある、と、報告があったらしい。
でも、たぶん、大量に摂取したら、のハナシだろう。
どんな食品でも、いい面、ワルイ面が、今後もますます、わかるかしれない。
偏らず、いろいろ少しずつ食べるのが、食生活のリスク回避じゃない? と信じている。