~The Night Shadow Allows You~

月の水面に 映りし君の 愛でき姿は 己が命の 容なるかな

”超合金”を売り文句に、男の子に”リカちゃん人形”を売りつける

2007年10月15日 | diary

原作レイプ(※1)いう俗語を知ってから思うことがある。

本来、このような言葉と云うのは今のエンターテイメントムーブメントに対しての保守的一反応であると捉えてきた。
それはメディアミックス展開が拡張解釈され、オリジナルを元に、更にそれの別方向の解釈をする事で作品の世界観の広がり、味を受け手に与えようとしたのが切欠だったと思う。

だが最近、そのムーブメントももはや終焉であるように見える。
それは娯楽に対する飽くなき消費者の欲求か、それとも企業側の利益重視の悪循環か、もはや作品の方向性を指し示す事が出来なくなってきているのではという意味である。
また業界自体の同人化も否めない。

その一番顕著な例として、”機動戦士ガンダム”シリーズ(※2)が挙げられる。
最近になって、また新たな作品が作られているようだが、新作はもはや、オリジナルの劣化コピーとしか言いようの無いつくりに仕上がっているとしか言い様がない(※3)。
例えるなら、”超合金”を売り文句に、男の子に”リカちゃん人形”を売りつけるようなものだ

だがこれに対して、それでも支持者が多数いる事を考えると、私自身、もはやロートルなのかもしれない。
しかし、どうしてもこの劣化コピーというのは、将来的に大きな停滞を生み出す要因となる可能性は否定できない(※4)。

ときに、昔は他作品になるべく似ないような努力をしていたそうである(※5)。
それはロボットモノというありふれたテーマなどでよく意識されていたそうだが、この努力というのは、後のシリーズの展開に重要な要素となる。
しかし、それを意識しなくなった途端、まさに劣化コピーが始まり、将来の利益を喪失することを、何故スポンサーは理解できないのか?
良貨が悪貨を駆逐するという命題は、もはやナンセンスなのだろうか?

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※1…これに密接に関係する”MarySue”という概念がある。

※2…ガンダムの世界観を踏襲した作品は『Vガンダム』の後に続く数作品を除いて『∀ガンダム』で終了である。これはオリジナルを手がけた人間がハッキリしているから、否定できない事実である。
またオリジナル原作者自身が『∀ガンダム』において、過去作品を「黒歴史」と原作レイプするのは、甚だ奇妙な現象である。

※3…新作をちょっと見たが、『ガンダム』である必要は無いと思った。製作側としては、名板貸しで利鞘を稼ごうとする意図が見えてならないクリエーターの才能の無駄遣いである

※4…ちなみに、この劣化コピーの動向に関しては、既に10年以上前から始まっていたと考える。
例えば、エヴァンゲリオンのごとき作品と云うのは、ハッキリ言うとシチュエーションパロディである。
またこれを世間ではオマージュというらしいのだが、私にはこの作品を代表に、この頃から映画の劇場版予告のような作品が多く作られてきたように思えてならない。

※5…知る人ぞ知る、セガサターンのゲームソフト『クォヴァディス~惑星強襲オヴァン・レイ』はその点をかなり精査して創られたという。その証拠に、メカデザインや世界設定に関して、気の遠くなるような作業が行われていた事が、攻略本からも伺える。残念なのは、宣伝力が足りなかった事と、これを見出すスポンサーが居なかった事であろう。不遇である。


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2 コメント

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まぁ (ニュクス)
2007-10-15 07:33:04
 もう名跡みたいなもんじゃないのかな? ガンダム屋一門みたいなw ガトォ~~w
Unknown (O∴EL)
2007-10-15 22:09:00
>もう名跡みたいなもんじゃないのかな

そうですね。そういった作品も多いですからね。
例えば”女神転生”はその良い例かもしれません。
でもこれは名残の最も成功した稀有な例だとも思います。

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