「2012」のVFXクリエーター坂口亮さん

もう昨年公開の映画になってしまいましたが、ローランド・エメリッヒ監督の映画「2012」（レビューはこちら！）のVFXって本当にものすごいクオリティが高いですよね！私も昔、CGを少しかじっていたことがあるので、この映画の公開をすごく楽しみにしていました。

その「2012」のVFXについての特集を、昨年放送のクローズアップ現代（2009年11月18日放送）の番組で取り上げることを知って、たまたまその放送を観ていたんです。その放送はハリウッドで活躍する日本人・VFXクリエーターの坂口亮さんを紹介する内容で、最初はぼーっと観ていた私でしたが、彼の顔を観て、どうもどこかで観た事があるような・・・と思ってハッとしました。そうです！私は彼を知っていたのです。。と同時に10年程前の記憶を思い出したのですが、その当時、私はWEBの仕事のかたわら、夜間に3Dの映像学校に通っていたことがあって、坂口さんは、そのsoftimage3D（3DCGソフトウェア）のクラスでご一緒したことがある方でした。

その映像学校はちょうどその年に開講したばかりの学校で、その学校での優秀者は、スコット・ロス、ジェームズ・キャメロン、スタン・ウィンストンが設立したデジタル・ドメイン社（あの「タイタニック」で有名な）にインターンとして留学できるというシステムがありました。そのインターンシップ制度に見事選ばれたのが坂口亮さんというわけです。

たしか、坂口さんは大学在学中にこの映像学校に通われていて、すでに独学でsoftimage3Dを習得しており、上級者並みの実力を持つ方だったので、この制度に選ばれたのは誰もが納得という感じでした。私から見ると、この頃からすでに彼は雲の上の人というような感じだったのですが、坂口さんがこのインターンのためにデジタル・ドメイン社に送った作品を、クラスのみんなで拝見する機会があって、やはりその作品のクオリティの高さに驚いた覚えがあります。

さすがに10年くらい前なので、記憶が少し曖昧ですが、たしか、おじいさんとおばあさんが登場して、ふたりは腰掛けているのですが、おじいさんがおばあさんにチュっとキスするような内容の作品だったと思います。この当時はまだ、人間をCGで表現するのは難しかった覚えがあるので、その作品の凄さにただただ感心しながら観てました。。

坂口さんがデジタル・ドメイン社に研修生として行かれたのは知っていたのですが、その後の彼については全く知らなかったので、このクローズアップ現代の放送を観て本当にビックリしました。。
その後、彼はデジタル・ドメイン社に正社員として就職されて、「タイムマシン」「トリプルX」「デイ・アフター・トゥモロー」、そして「父親たちの星条旗」「パイレーツ・オブ・カリビアン　ワールドエンド」「ライラの冒険　黄金の羅針盤」「スピード・レーサー」などの数々の作品に携わり、「パイレーツ・オブ・カリビアン　ワールドエンド」では、水の表現の技術開発が認められ，日本人で初めてアカデミー賞科学技術賞を受賞されたそうですね！
それから、話は戻りますが、この「2012」ではロサンゼルス破壊シーケンスのエフェクトチームを指揮されたそうです。（このシーンは本当に凄いので必見です！）





たった10年という歳月の間にここまで凄い人になっていたとは、本当に本当に驚きでした！
ちなみに、私はというと、映像学校で制作した卒業作品が、デジタル・スタジアム、D`s Garage21などのクリエーター発掘番組などで紹介されたことはあったのですが、肝心の映像関係の就職には結びつきませんでした。。その当時でもクラスの１割が就職できるかどうかという狭き門だったので、就活はかなり大変だったのを覚えていますね。。

話はそれましたが、坂口さんのこれからのご活躍を期待しています。そして、今後も私達をビックリさせるような凄い映像を楽しみにしています！