Voyage MPD システム構築 by PCど素人 (Alix,CuBox,APU(New Alix))

PCど素人の文系リーマンがVoyage MPD(Alix,Cubox,APU(New Alix))構築に挑戦の顛末です。

No.24 もう少しゆっくり聞き比べてみた APU(New Alix) と CuBox

2014-07-24 23:34:15 | 日記

 ということです。どちらもよいツールだとは思いますが、改めて。

 APU、CuBoxどちらも、IPなどの環境設定以上のチューニングはしていません。CuBoxは昔のやつ(つまり最近のCuBox-iに非ず)で、みみず工房様提供の「梅雨入りヴァージョン」をそのまま使っています。

 接続は、HiFACE EVO(+EVO CLOCK)-DAC(Luxman DA-200)-プリアンプ(アキュの中古品&25年経過)-パワーアンプ(パイオニアの中古品&25年経過)を通じてSP(B&W 805D)です。いかにも寄せ集め適当ですね。ケーブルとかも凝る趣味がなく、SPの選択からも判るとおり、基本はモニターっぽい音がいいので、ベルデンの同軸やバランスケーブルを多用、SPケーブルもベルデンの8470です。SPスタンドはハードメープルを調達して自作のもの(頑丈には作った)。音源はLaCieのNASから無線LANで飛ばし、中継子機からは有線で機器へ繋いでいます。部屋も狭く物も多いので、かなりSPに近接して聞いています。電源は同一設計による自作のものから取っています。いずれも従前の拙稿を御覧ください。

 以上の状態であることを前提として・・・

 

【その1】 バッハ ブランデンブルク協奏曲4番 ゲーベル ムジカ・アンティクヴァ・ケルン

リコーダーの伸びやかな音が特徴的な演奏。

 

○APU

(全体的に)

 音場、音響像が上下にさっと広がる。縦が広い欧州の石造りの建物での演奏をある程度意識した残響をはじめとする音作りがよく聞くことができる。SoloとTuttiの前後感がそれほど明瞭なわけではないが、音の分離は悪くない。

(パーシャルに)

 CuBoxと比べると、ヴァイオリンなど、倍音成分とかとりあえず全部出そう、という感じの音。当然プロの録音なので、変な演奏雑音などは拾っていないが、とにかく、弦楽器の生音を聞きなれた自分の耳からしても、弦楽器の基音や倍音、残響音、かなりに実際に演奏会場などで生で聞く音に近づいたものに聞こえる。すこし金属的と思われる響きはなくはない。倍音の少ないリコーダーなどはすうっと音が出ている感じ。チェンバロも普通なら埋もれてしまうが、きちんとした輪郭像で音が浮かぶ。写真で見たケーテン宮廷のような、むちゃくちゃ大きくは無いが、天井高もそれなりにある石造建築の部屋での箱庭的演奏像が良く見える。

(要するに)

 CuBoxと比べると、「貴族の城での演奏を生で聴いている」感に近い。

○CuBox

(全体的に)

 音場はすこし上下が狭く、APUよりすこし地を這う感じ。全体にAPUより音が丸いが、音の分離や定位は決して悪くはなく、やはり整理した感じの音で鳴る。APUの「貴族の城での箱庭的演奏を生で聞いている」というより、「録音セッションの音をきちんと整理したものを聞いている」、という感じ。

(パーシャルに)

 リコーダーなどは、音が丸いCuBoxのほうが「リコーダーっぽく」聞こえる。ただし、その反面として、リコーダーの音がすうっと飛んでいく感じは少ない。弦などは生っぽい音で、よく出来た音とはなっているが、実際の弦楽器の音を聞きなれた自分からすれば、実際の生の弦楽器の音、というより、録音っぽい音となっている。金属的な要素が消えているのではないから、「音が丸くなる」=「倍音要素のどこかが飛んでいる」ということのように思われる。逆に弦楽器の生音を聞きつけない人からすれば、比較的聞きやすいものかもしれない。

(要するに)

 あまり根つめて聞かずに、気楽に聞くには、こちらのほうがいいかもしれない。

 

【その2】 ベートーベン 運命 フルトヴェングラー BPO 1954年5月4日パリ公演(Tahra盤)

 放送録音(Tahra盤では前後の放送用アナウンスも録音あり。フランス語にて、何を言っているのかさっぱり判らないがそこの音声は大変明瞭)。演奏自体はAMラジオで聞いているような感じで、放送用の放送局録音ということもあり、全体的な分離、バランス等は悪くない(バランスなど、細かいところは到底パーフェクトではないが・・・)。フルトヴェングラー最晩年1954年という時期も手助けして(ただし言うまでもないが最晩年の録音であればあるだ良い、という程簡単な話ではなく)、フルトヴェングラー録音の中では音質的にはよくまとまっている。

 

 もともと幅広い音域を採れいているわけではないためか、APU、CuBoxとも大きな差異はなく、フルトヴェングラー最晩年の放送録音を巧く聞かせる。モノラルなので、音像は中央に纏まるが、例えばヴァイオリンと低弦、管は、それぞれの音が、きちんとそれなりに豊かに響く。

 ただ、この録音は、マイクが弦に近く、ブラスからは遠い、つまり、弦とブラスでは拾っている響きがかなり違い、1楽章ではその違いが顕著にわかる(弦だけで出てくるフレーズが多い一方、第二主題の前にホルンが第一主題の断片をソロで吹いたりするので)。そこらへんの細かなところ、音の響き方の違いは、APUの方が巧く現出させている。その線上の話として、上記の1楽章第二主題前のホルン(及び再現部のファゴット&ホルン)、APUの方がすこしブラスの咆哮、っぽい。そうしたところでの違いは感じる。

 

【その3】 ベートーベン 第九 フルトヴェングラー フィルハーモニア管 1954年8月22日ルツェルン音楽祭(Tahra盤)

 やはり放送録音。フルトヴェングラー最晩年の演奏、かつ最良質な録音のひとつ(まあ、SACDになるくらいだから)。フルトヴェングラーはモノラル録音しかなく、かつその大概は分離バランスがよくなく碌な物がない、という印象があるため、あんまり再生装置に拘る必要は無い、とも思ってきたが、戦後の良質な録音を中心に、精緻な再現ができる装置で再生すると、フルトヴェングラーの音楽作りがより良く見通すことが出来るのではないかと思えるようになってきた今日この頃。

  

 ★ルツェルン第九Tahraは何種類かあるが(FURT1003、FURT1054-7、FURT2001)、一番リリース時期の遅いやつ。こいつはSACDですが、CDレイヤのデータをNASに落としてるので、CD聴いているのと一緒です。なんかTahraばっかですが、自分的には最近の板起こしとか全く興味ないので、ターラとかテスタメントとかオルフェオとかDGとかEMIとか協会盤(ただし昔のものに限る)とかしか基本持っていません(そっちに興味おありの方には失礼!)。結局マイスタージンガーの完全盤でないのかなあ?、と関心はそっちのほうに向いてます。

(要するに)

 あんまりAPUとCuBoxの違いが判んない。

 APUとCuBoxがどうたらいうより、この装置でこの録音聞いたら、例のEMIバイロイト聞く気がなくなりました。どうでもいいことですが、フルトヴェングラーの第九は昔はあれしか聞けなかったので、御大層に祀り上げられただけ、という気がホントに湧き上がってきます。誠に以ってどうでもいいことですが。

 

【その4】 バッハ 無伴奏チェロ組曲3番前奏曲

1 ビルスマ旧盤 指板をたたく音が聞こえるオンマイクの録音(その割りに演奏雑音は綺麗にしてるが)

 

2 鈴木秀美(ドイツハルモニアムンディ50周年ボックス) ビルスマと比べ、よりマイクが遠く、より、響き全体を包括的に聞かせようとしている

  

○APU

 CuBoxと比べ、より倍音を再現し、生っぽい弦楽器の響きを再生しようとしている。音場は縦に広い(完全どソロだから左右の広がりがないであろうことはある程度しょーがない)。

○CuBox

 APUに比べ、ほんの僅かに縦方向の音場が狭い。響きはよく聞けば明らかにAPUより倍音成分が薄く、基音が勝っている。APUとよく比べると、やはり音の丸さが出現する。それを除けば音の方向性はAPUと大きく変わらない。APUと比べず単体で聞けば、特段の不満が起こるものではないが。1フレーズをひとまとめ一呼吸で弾いてしまうほどテンポが速く、しかもオンマイクとは言いがたい鈴木の録音でもよく聞けば一定の差異は認められるが、鈴木よりテンポが遅く、かつオンマイクのビルスマでは、基音がより明瞭に聞けるだけに、違いがかなり顕著。

 なお、音が鈴木盤で、僅かに遠く聞こえる(クリアネスが影響と思われる)。オンマイクのビルスマではあまり気にならない。

(要するに)

 別にどっちだっていいんだが、よく聞き込めば、やはり弦楽器は、その生音に近づき得る再現性の点でAPUは相当に優位。倍音の再現性がかなり違うことが大きく影響していると思う。(要するに:結論は上記と一緒ではないか、と言われればそれまでだが)

 

【その5】 リヒァルト・シュトラウス 英雄の生涯 カラヤン BPO 新盤(74年EMI) 旧盤(59年DG) 前半(LPだと練習番号50前9小節のダブルバーからがB面でした。ダブルバー前で一瞬G.P.が入りますからね。要するにLPのA面、ということです。

 英雄の生涯では有名なカラヤン盤です。LP時代からEMI盤は世評が高いですね。旧盤のほうは、灰汁の強さで「カラヤンの生涯」なんて言われてましたが・・・。どちらも流石に近年CDに買い換えました。

 

 旧盤は、その昔々は優秀録音といわれていましたが、今聞くと、ステレオ初期ということで、左右チャネルの録音も少し変わっていて(英雄の敵の木管が全部左チャンネルに集まっている)、流石に古さを感じます。

 リヒァルト・シュトラウスは、4管編成をtuttiで力一杯鳴らす、なんてベタなオーケストレーションはまずなく、といって、マーラーのように出てくる楽器がみんな違うことをやる、とかいうこともなく、ブラームスのように1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンはとにかくやることが別、といいながら最後は弦は巨大なハーモニーということもなく、弦の担当音域も前期ロマン派あたりよりよっぽど広く、オケの中のバランス、ハーモニーの造りを聞き込んでいくには都合がいいですね。アマオケでやることもまず無いですから、余程客観的に聞けますし。

(で結局?)

 旧盤だとほぼ同じように聞こえますが、新盤ではある程度APUとCuBoxの差が出ます。弦合奏の艶やかさでは、APUがはっきり優位でした。また、英雄の敵の木管アンサンブルは、APUのほうがよりはっきり前に出て音が聞こえます。コンマスソロも同様で、弦の響きの明瞭さはAPUがはっきり出ます。小空間でのどソロを聞くブランデンブルクや無伴奏と違い、こっちのソロは4管編成の大空間の中での演奏なので、コンマスソロが線がくっきりと浮かび、こちらに音が飛び込んでくる感があるかないかは、かなり聴感上の違いになります。

 ただ、例えば音場の広がりなどは、APUとCuBoxで、顕著な違いは感じられません。

 

【以下制作中。順次追記します。】 ※7-8月中は暑いので涼しくなって・・・(この機会にアンプとか修理中ですし)


No.23 電源開発の試み その2 Alix3D2、CuBox、APU(New Alix)、HiFACE用

2014-07-02 21:29:55 | 日記

 拙稿No.19の続きです。

 標題はズラズラ書きましたが、中味は一緒で、トロイダルトランス→ブリッジダイオード→平滑コンデンサ→電圧安定化(秋月電子通商 TPS7A4700使用 超ローノイズ・プログラマブル電源キット http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-06194/ )の構成、出力電圧や消費電力に合わせて、トランスの種類やコンデンサの容量が変わっているだけです。 ※秋月キットは、1Aまでです。よって電流が1A超える機器はこの構成は使えませんが、Alix3D2、CuBox、APU(New Alix)、HiFACE EVO & Clockいずれも、電流1A以上喰うものはありません。

 なお、下記の記述は素人のやっていることなので、あまり当てにしないで下さい。

 ちなみに、当方、実際に機器に接続するときは、秋月オシロなどで、電圧の異常な挙動がないかなど、かなりしつこくチェックして動かしていますが・・・(回路自体はヒューズ以外の安全回路はないですから)

 結果については、No.22記述のとおり、テキトーな製作品にしては、自分的には上々の成果を得ています。

 ★2014年5月から6月にかけ製作。6月中に各種測定を行う。室温はおおむね29℃程度です。

 

【回路】

 

1 Alix3D2、APU用

 上記回路は、2次側を一本にまとめていますが、この電源は、2次側の2出力をそれぞれからAlix3D2用、APU用の2本の電源ラインをとることにしています。そのため、トランス2次側のところが回路図とは違う構成となっています。

 ○ヒューズ 125V500mA (50VAを一次側に引き直しして。もっと低電流のものも試行してみる予定。)

 ○トランス 1次115V 2次12V50VA トロイダルトランス(RSオンラインで販売しているもの。50VAにしたのは、2出力同時に電源を取ることを考えたため)

 ○ダイオード ショットキーバリアダイオードでダイオードブリッジを構成

 ○コンデンサ APU側は10000μF Alix側は8000μF(それぞれの電流量や手持ちのコンデンサの中味からこうしときました)

 ○最終電圧 Alix、APUともに12V

 ★前のNo.22の比較試聴では、自作電源はAlix,APUとも、下のAPU用ラインから電源を取っています。現実の使用状況下では、Alix用ラインはコンデンサの前で回路を切っています。(AlixとAPU同時使用はまずしない。Alixを使う場合はAPU用電源をそのまま使うため。)

【運用試験の結果】

①回路図のBより右は未接続の状態

  回路図A電圧(以下同じ):AC12.15V  B:10.8V

 ②回路図のCより右は未接続の状態

  A:AC12.2V B:16.3V C:16.3V

 なお、秋月オシロで見てみると、Alixラインは手持ちの汎用品(オーディオ用ではない)を使っていますが、すこし雑音がのっているようでした。

 ③回路図のDまで接続した状態(負荷なし)

 A:AC12.0V B:16.0V C:16.0V D:12.0V

④APUラインに20Ωの負荷を載せた状態

 APUライン A:AC11.8V B:14.9V C:14.85V D:12.1V 負荷間12.0V 電流0.59A

 (室温29℃ 通電10分間後) トランス33℃ APUライン ダイオード34℃ コンデンサ29℃ レギュレータ48℃

  どうしてもAPUは、電流が大きいためか、発熱が出ますね。トランスもちょうどいい2次電圧のものがあるわけではないので、しょうがないか?という感じです。

 

2 CuBox用

 ○ヒューズ 125V0.2A (15VAを一次側に引き直しして。もっと低電流のものも試行してみる予定。)

 ○トランス 1次115V 2次6V15VA トロイダルトランス(RSオンラインで販売しているもの。CuBoxに消費電力を考慮し15VAに。)

 ○ダイオード ショットキーバリアダイオードでダイオードブリッジを構成

 ○コンデンサ 10000μF

 ○最終電圧 5.1V

【運用試験の結果】

①回路図のBより右は未接続の状態

  回路図A電圧(以下同じ):AC6.2V  B:5.5V

 ②回路図のCより右は未接続の状態

  A:AC6.2V B:8.3V C:8.25V

 ③回路図のDまで接続した状態(負荷なし) レギュレータの設定出力5.0V

 A:AC6.2V B:8.1V C:8.1V D:5.0V

④10Ωの負荷を載せた状態 レギュレータの設定出力5.0V

 A:AC5.95V B:6.95V C:6.9V D:5.0V 負荷間5.0V 電流0.49A

 (室温29℃ 通電10分間後) トランス31℃ ダイオード33℃ コンデンサ29℃ レギュレータ43℃

 拙稿No.19のとき、トランスを変えることで電圧降下幅をもっと縮められるのでは、との疑問から、再製作しました。前回は室温23℃でレギュレータが37℃程度、今回は室温29℃で43℃。評価難しいですね。電圧降下は、今回はトランスの2次出力電圧が低いため、レギュレータでの電圧降下が前回の3.2Vから今回は約2Vとなったので、発熱は実際は少し低くなると思うのですが。室温が下がって再測定ですね。

 

3 HiFACE EVO, EVO Clock

 上記回路は、2次側を一本にまとめていますが、この電源は、2次側の2出力をそれぞれからEVO用、Clock用の2本の電源ラインをとることにしています。そのため、トランス2次側のところが回路図とは違う構成となっています。

 なお、EVO及びClockの実際の電流量は次のとおりでした(付属品のスイッチング電源アダプタを接続して計測。この数値を設計基礎としています)。

  EVO 電源8.0V 定常状態0.21A クロック接続時0.24A 作動中0.24A

  Clock 電源9.1V 0.01Aで安定

 ○ヒューズ 125V0.2A (15VAを一次側に引き直しして。もっと低電流のものも試行してみる予定。)

 ○トランス 1次115V 2次9V15VA トロイダルトランス(RSオンラインで販売しているもの。15VAにしたのは、EVO+Clockの電流量を考慮して。)

 ○ダイオード ショットキーバリアダイオードでダイオードブリッジを構成

 ○コンデンサ EVO側は8000μF Clock側は3000μF(電流量をみて、後はテキトーですが・・・)

 ○最終電圧 EVO、Clockともに9.0V(上記の電流量測定時とは条件が変わります)

【運用試験の結果】

①回路図のCより右は未接続の状態

  EVO側 A:AC9.25V B:8.2V C:12.6V

  Clock側 A:AC9.2V B:8.2V C:12.6V

②EVOラインに30Ω、Clockラインに1kΩの負荷を載せた状態

 EVOライン B:10.6V C:10.6V 負荷間9.0V 電流0.30A

 Clockライン B:11.8V C:11.7V 負荷間9.05V 電流0.009A

 (室温29℃ 通電10分間後) トランス32℃

 EVOライン ダイオード31℃ コンデンサ29℃ レギュレータ35℃

 Clockライン ダイオード30℃ コンデンサ29℃ レギュレータ30℃

 Clockは、レギュレータの発熱がほとんどありません。電流量が小さいためですね。

 

 一応、以上の結果を見て、実用上の支障はないと判断して(実機器接続前にオシロとテスタでもう一回極性含め全部チェックして)使用しています。

 

★付記

 今回は、ダイオードブリッジの既製品ではなく、ショットキーバリアダイオードを使用しました。

 CuBox用に、No.19で作った半導体ダイオードでの既製品ダイオードブリッジでの試作品があったので、比べてみましたが、ショットキーバリアダイオードのほうが、音の広がりなど、良好な結果でした。また、ダイオードの電圧低下も小さいため、半導体ダイオードの既製品ダイオードブリッジと比べ、発熱は小さくて済んでいます。

 

★付記2

 製造原価は、大雑把ですが

  アルミケース 1,500~2,000円

  トランス 同上

  ダイオード 100円程度

  コンデンサ 1,500円程度

  秋月電源キット 1,200円+α(放熱器等)

  ケーブル、基板、ヒューズ&ヒューズボックス、スペーサー、基板用端子ブロック など

あわせて、1個あたり7~8,000円、でしょうか(計3個製造)。もっとも、電気工作ど素人故、これだけで済んでいるはずも無く、試行錯誤で要らんものまで色々購入したり(トランスも結局使わないものとか結構出た)、1回だけですが秋月電源キットの入力の+-を逆にして電圧をかけてしまい、キットをパーにしたり(なにやら怪しいケムリが出て・・・10Vの電圧逆にかけたのですが、間違うと怖いものです。電解コンデンサ爆発したらエラいことでした。)、ということで、実際の製造コストは、この倍は行っていそうです。たぶん既製品だと同程度のコストで安全性も信頼性や基本性能も高いんでしょうし、コスト・パフォーマンスで言えば到底お勧めできませんが、自分的には大変勉強になりましたので、まあこれはこれでよかったのかな、と。また勉強して、色々モディファイしてみたいと思っています。


No.22 Alix、CuBox、APU(New Alix) 試聴比較

2014-07-02 21:29:39 | 日記

 従前の投稿内容と重複するものがありますが、三者比較ということで改めて・・・

 なお、いずれもM2TECH HiACE EVO (+EVO Clock)からDACに接続しています。HiFACE EVOとEVO Clockは自作電源を繋いでいます。SPはB&Wの805Dです。要するにそういう傾向の音、という前提で聞いています。試聴は、2014年6月末から7月2日にかけてのものです。

 また、上記のHiFACE用自作電源のほか、Alix3D2、CuBox、APUとも、自作電源で駆動していますが、こいつの中味については、次稿で記述する予定です。

 

1 Alix3D2(Voyage Starter Kit) Voyage MPD 0.8.5版(拙稿No.17のとおりHiFACE EVO対応向け修正している。チューニング等の措置は特にしていない。)

 音場がCuBoxなどと比べると、少し狭い。音は軽い。雰囲気で聞かせる、という評があるが、誤りではない。おそらく、CuBoxなどと比べ、精密に音像をカチッと作り上げているわけではなく、少しボケているのではないか、とも思える。

 なお、(1)スイッチング電源(12V1A) (2)トランス式ACアダプタ(PATOS DK020-R 12V500mA) (3)自作電源 で比べたが、(1)<<<<(2)<<(3)という感じ。スイッチング電源をトランス式アダプタにすると、音がしっかり、はっきりと、地に着いた感じとなる。逆に比べれば、スイッチング電源は、音がかなりザラつき、像が明瞭さを欠く。自作電源とすると、音場が急に広がり、滑らかな音となる。

 

2 CuBox(旧バージョンです) みみず工房様提供の「梅雨入りバージョン」(環境適応作業以外は無修正)

 音場は広く、上下に響きが広がる。音の実質感も高い。

 なお、(1)付属品のスイッチング電源(5V2A) (2)自作電源で比べたが、当然ながら自作電源のほうが相当に良い(豊かな響き、広い音場)のですが、付属品のスイッチング電源とむちゃくちゃ違うか、というと、APUなどで現れたほどの差はなかったですね(APUやAlixのスイッチング電源と自作電源ほどの差が出ない、という意味であって、自作電源でも音の改善がなかった、という意味ではありません)。その点は、Alix3D2やAPUとは大きく結果が異なりました。Alix用の自作電源とCuBox用の自作電源は、基本構成や部品はほとんど大差ないのですが。

 

3 APU(所謂New Alix) Voyage MPD Starter Kit 2.0 Voyage MPD 0.9.2版(拙稿No.21のとおりHiFACE EVO対応向け修正している。特にチューニング等はしていない。)

 音場は広く、左右上下に広がる。音の実質感は、CuBoxより更に高い。例えばシェリングのバッハ無伴奏を聞いてみたが、CuBoxと比べ目前で実際に弾いているリアルな感覚により近づく(セッティングや部屋のコンディションはあまり整理整頓していないため、限界はあるが)。オケなどではCuBoxとの差異は、音場のスケール感くらいしか判りづらい(よく聞いてない為?)が、バッハ無伴奏で比べると、響きの豊かさの違いがかなりはっきりする。CuBoxはAPUと比べると、少し音場がSPの間に纏まり(左右の響きの広がりは結構広いにしても)、響きのエッジが僅かに取れ、丸く(つまり僅かに団子に)なる傾向がある。

 なお、(1)スイッチング電源(12V1A) (2)自作電源で比べたが、これはもう比較対象外。スイッチング電源だと、音像がぼやけ、音場も狭まる。クリアネスに格段の差があるためと思われる。自作電源だと、音自体が明瞭かつ非常に滑らかに鳴る(スイッチング電源だと、かなりがざつな印象)。スイッチング電源の場合、微小なホワイトノイズの上に乗っかっているのではないか、という感じ。バッハ無伴奏で比べるとすぐわかるが、自作電源だと目の前のステージに奏者がいるようだが、スイッチング電源だと完全に薄皮、御簾の向こうにいる感じ。

 

4 要するに

 Alix3D2とAPUやCuBoxを比べると、音場の広さや、明瞭さにおいて、やはり明らかな差を認めました。

 CuBoxは、音の質感が高いことでは一定の評価があり、筆者も同意するが、APUとCuBoxを比べると、APUのほうが、より音場の広さ、響きの豊かさ、音の明瞭性の点で優位性を認めました。

 Alix3D2もCuBoxもAPUも、そんなに高額のものではなく、どれもそれなりに良い音がしますので、揃えて比べるのも比較的容易と思います(Starter Kitは特にチューニングをしているわけでもないし・・・)その上で、皆さんが気に入るほうをシチュエーションにあわせて使えばいいのでしょうが、ただ前記のとおり、筆者的には、三者比較という条件下では、総合力でAPUに軍配を上げております。というか、三者を比べる限り、Alix3D2やCuBoxがAPUを凌ぐ個別シチュエーション、というのは考えにくいのかな?というところです。なので、どれかひとつ選べといわれれば、無条件でAPU(Voyage Starter Kit 2.0)を推すでしょうね。


No.21 Voyage MPD Starter Kit 2.0 M2TECH HiFACE EVO を利用可能にする

2014-07-02 21:29:18 | 日記

 標題のとおり、M2TECH HiFACE EVO接続に成功しました。

 

 基本手順は、拙稿No.17にあり、その大元情報はそこにあります次のサイトです。感謝いたします。

http://www.yung.jp/bony/?p=2260

http://himagine.s20.xrea.com/audio/voyagempd_hiface.html

http://one-drop.cocolog-tnc.com/rhea/2013/02/voyage-mpd-hifa.html

  ただし、ヴァージョン等の相違のため、手順をモディファイしています。

 以下その状況を記述します。(2014年5月末に作業した状況です。なお、Starter Kit 2.0は2014年4月購入です。)

 

1 そもそも

 Voyage MPD Starter Kit 2.0に乗っかっている(2014年4-5月現在) Voyage MPD 0.9.2 は、Voyage MPD の本家サイト

http://linux.voyage.hk/content/voyage-mpd-092-released

でも、Unsupported hiface and mytek driversと赤字ででっかく書いていますので、そのままでは M2TECH HiFACE EVO は使えません。

 なおドライバを配布する大元のサイト http://www.m2tech.biz/it/evo.html のDriverのタグに載っているLinux用ドライバのリンク先では、How to build itとして手順を記述していますが、Voyage MPDでは素直にこのとおりにはいかないことは、上記サイト御報告のとおりですし(私もやってみましたが、やっぱり駄目でした)、原因も上記サイト御報告のとおりのようです(つまり、Voyage0.9.2段階では、上記サイトの段階と変化がない。)。

 ということで、前記3サイトを参考に、OSのヴァージョンやドライバのファイル名などの箇所について,若干のモディファイを経つつやってみました。

 

2 手順

 (1) # remountrw 入力(既に入力済みならOK。bashrcで設定済みの場合もそうかな?私の場合はbashrcファイルにremountrwコマンドを設定しているので、再びremountrwコマンドを入れなくともOKでした)。

 

 (2) 開発環境のインストール

  # apt-get install build-essential

  # apt-get install git

  だそうです。# apt-get install は,パッケージを入手し,インストールするLinuxコマンドです。

 

 (3) ヴァージョン確認

 # apt-cache search linux-source

 # apt-cache search は,linux-sourceという語句を手掛かりにパッケージを探すLinuxコマンドです。

  # uname -r 現在のPCのヴァージョンを確認。#uname はシステム情報の表示コマンド。パラメータの -r で,OSリリース番号情報の表示となります。

 ということで、現時点PCで動いているヴァージョンは3.10.11-voyageなので、linux-source-3.10.11-voyageのソースコードを入手することが必要と判明。(何でこのソースコード入手が必要かは,一番上の参考サイトを御覧ください。丁寧な説明があります。)

 

 (4) linux-source-3.10.11-voyageのソースコードを入手して、解凍

 # apt-get install linux-source-3.10.11-voyage

 で、終了後はこう出る。何か聞かれたら(下のメッセージ真ん中へん,[Y/n]?と聞かれてメッセージが止まったら),Yと入力してリターンを押下しましょう。

  で、次に

  # cd /usr/src (カレントディレクトリの変更)

  # ls ⇒ これで、/usr/srcディレクトリに、linux-source-3.10.11-voyage.tar.bz2 のファイルがあることを確認。

  # tar xvjf linux-source-3.10.11-voyage.tar.bz2 (tarファイルの解凍)


 (5) HiFACE EVOドライバソースコードのダウンロード

  # git clone git://github.com/panicking/snd-usb-asyncaudio.git

 小見出しでエラソーに書いていますが,もうこの辺からは、コマンドの意味するところがよく分かりません (^^; git cloneでGoogleに問い合わせても書いてあることが・・・。以下の記述、et alibiということで、中味の意味するところはページ一番上の参考サイトを御覧ください。

 下の図の一番下のコマンド(その上のずらずら行は、解凍時のメッセージ)

 で、その結果メッセージ。最後に # ls で、どんなファイルが来ているか確認。snd-usb-sysncaudioがありますね。これ(数か月後はファイル名が変わっているかも?)があるのが重要でした、最終結果から逆算してみたら。

 

 (6) ドライバの作成

  # ln -s /usr/src/linux-source-3.10.11-voyage /lib/modules/3.10.11-voyage/build

 で、リンクを貼る。 #ls -s はシンボリックリンクを貼るコマンドですね。

  # ls でリンクがちゃんと貼られているか確認。 何か出ればいいみたい(?)

 で、コンパイルの準備(なんだそうです・・・)

  # cd linux-source-3.10.11-voyage/

  # make oldconfig

  # make prepare

  # make modules_prepare KERNELRELEASE=$(uname -r)

  # cat include/generated/utsrelease.h で確認。#define UTS_RELEASE “3.10.11-voyage”(3.10.11-voyageはuname -rコマンドの結果と同一)となっているからOK.

 で、ドライバのコンパイル

  # cd ../snd-usb-asyncaudio/

  # make clean

  # ls

  # make

  # ls

 (下の図の下半分です) ★ # ls コマンドは、ディレクトリに何のファイルが出来ているかの確認だけです。最後の # ls で、snd-usb-hiface.koのファイルが出来ていればOKです。なおこのファイル名は、ヴァージョンの変更(?)のため、数年前と変わっており、そのため一番上で紹介した参考サイト(3番目のサイトを除く)で記述されるファイル名とは合致していません。自分でドライバを導入する際、ファイル名はよく確認しましょう。(このサイトに書いてあることも、数ヶ月で陳腐化し、ファイル名やヴァージョン名は当然変わっていくものと推定しています)

 で、ドライバの情報を見てみます。

  # modinfo snd-usb-hiface.ko

 

 (6a) テスト

  上記の参考サイトでは、この次にドライバを一時的に組み込んでテストする手順となっています。

  そのため、# insmod snd-usb-hiface.ko と入れるのですが、ERRが発生していまいました。

   ちなみに、 # lsmod とやってみましたが、「snd-usb-hiface」が表示されず、次に # aplay -l と入れてみたのですが、「hiface」表示されません。

  これは、手を変え品を変え色々試行してみましたが、言うことを聞いてくれないので、上記参考サイトの情報をもとに、このステップはスキップして、次に行きました。

 

 (7) インストール

  ドライバをカーネルディレクトリにコピーし、ドライバ登録情報を更新です。

    # cp snd-usb-hiface.ko /lib/modules/3.10.11-voyage/kernel/sound/usb/

    # depmod -a

 

 

 (8) 再起動⇒ドライバ情報の確認

    # reboot

 

  (再起動後)

    # aplay -l

  ちゃんと、認識されています。

  で、PC -(USB)- HiFACE EVO - USB DACと繋いで、曲を再生してみたら、ちゃんと音楽聴けました。

 今度は、# insmod snd-usb-hiface.ko と入れると、真ん中辺に snd_usb_hiface があります。

 

 一応、以上で M2TECH HiFACE EVO のドライバを、Voyage MPD Starter Kit 2.0に組み込めました。

  ★繰り返しですが、以上の作業は、2014年4月末購入のVoyage MPD Starter Kit 2.0により、2014年5月末頃に行ったものです。おそらく時日の経過によりOSヴァージョンやドライバファイル名など変わってくると思います。その時は、本家VoyageMPDサイトにてHiFACE対応!とかアナウンスがない限りは、上に記述したような手順は必要であり、作業実施時点でのOSヴァージョンやドライバのファイル名をよく確認して、必要な手順のモディファイをしていくことが必要になると思われます。


No.20 Voyage MPD Starter Kit 2.0 の導入と設定

2014-07-02 21:27:32 | 日記

 Voyage Store http://store.voyage.hk/ で販売されている Voyage MPD Starter Kit 2.0を入手しました。俗にWebではNew Alixとか言われていますが、Alixではなく、APUですね。どこがどう違うのかよくわかりませんが。まあ、私から見れば基本的には同じでしょうか。当然機能的な進化はしているようですが。

http://store.voyage.hk/KMPD3b.php?id=109

http://www.pcengines.ch/apu1c.htm

 

 以下、導入設定の手順です(2014年5月下旬に実施)。

 

★こんな感じで香港から到着(予約分 2014年4月下旬頃。お値段 本体189ドル(残念ながらHKDに非ずUSDです。)、送料20ドル、計209ドル、PayPalで決済です。PayPal最初なんだこれと思いましたが、やってみると大層簡単なものです。)

★外装を開けると(ストロボ焚かずにLED読書ライトで写真撮るとえらく青くなりますね。色温度ものすごく高いんだな)

★白箱を開けると

★中味を取り出す(本当に真っ青ですね、色温度です色温度、LED読書ライトの) 茶箱にPCボード入ってます。あとケースと説明書ですね。

★茶箱の裏は・・・青いのはヒートシンク用のアルミ板です。別にアルミ板が青く写っているのはライトの所為じゃなく青いシールが貼ってあるためです。

★茶箱のほかには

★ケースはこんな具合

★PCボードの中味 mSATA SSDとかが刺さっている方。下端は左から、シリアルポート9ピン、LAN3口、USB2口、DC電源IN(2.5mmセンタープラス)。念のためですが、Voyage-Storeの記載にもあるように(No PSU includedと書いてあります)、KitにはDC電源はついてないので、こいつは自分で別調達する必要があります。上記のとおり、プラグは一般的な2.1mmではないので、変換プラグ用意しといたほうがいいです。当方電子部品屋で2.1mm⇒2.5mm変換プラグを入手し、あわせてスイッチング電源12V1Aをあらかじめ別に準備しときました。なおVoyage StoreのKitの記述では「Suggest at least 18W (e.g. 12V 1.5A) AC-to-DC power adapter with a jack with 2.5 mm center positive connector.」と書いてありますが、PCのほうの説明サイトである http://www.pcengines.ch/apu1c.htm の記述では「About 6 to 12W of 12V DC power depending on CPU load.」とあり、要するに1Aまではいかないようで、実際計測したら電流は0.7Aくらいなので、12V1Aの電源を準備できれば、事前準備としては大丈夫でしょう。(別に1.5Aとか2AのACDCアダプタ用意しても問題はないんですが・・・。当方は1AまでのKitでDC電源を作ろうとしているので、1Aで収まってくれたら嬉しいな、という思惑があってのことでして。)

★PCボード CPUとかが見える方。

 

 なお、紙のマニュアル(Getting Started Guide)ついていますが、版とかの関係で、Webで最新のマニュアルの版を確認しといたほうがいいです。2014年4-5月時点ではVersion2.1(15-Mar.-2014)です。

 組み立ては、付属のマニュアルとおりに進めれば吉です。迷うところは基本ありません。なお、送ってくる付属マニュアルはモノクロなんで、Webの色つきの写真のほうが分かりやすいです。

 基本的な組み立て手順は、 ①9ピンシリアルポートの6角螺子を外す ②すぐ上の写真の上のほう、真鍮色のボードに乗っかっている二つのチップの上に熱伝導パッドを設置(パッドのシールの片方をを剥がしてチップにそっちの面を載せる) ③熱伝導パッドの上面のシールを剥がす ④ヒートシンク用アルミ板をこいつに乗っける。アルミ板はシールのない方の面を下に。また他の部品の位置と重なる(干渉する)ことのないように ⑤アルミ板上面のシールを剥がす ⑥ボードをケース(LANポートとかの穴のないほう)に固定 ⑦ケースを組み立て ⑧LANケーブル(シリアルポートの隣のLANソケットに接続)、USB-DAC、電源の接続をして電源をONにしてみる。そのうち、LANソケットのLEDがピコピコし出すでしょう。

 

【導入の手順】

 Voyage MPD Starter Kit 2.0は、すでにインストールはされているので、Voyage MPD Starter Kitや、Cuboxのみみず工房さん提供イメージの設定同様、あとは自分の環境に合わせた設定だけが必要。その中味は基本、拙稿No.5~No.9の手順と大違いはありません。音楽ディスクのマウント設定を除けば、定式的な手順をそのままふめばよいので、問題は発生しない、と思います。

 PC(APU)をLANに繋いで電源ON、次にLANに接続した常用のPC(Windowsマシン)で、PC(APU)のIPアドレスを確認し、SSHを起動(以下の記述ではPuTTYを使用。)、上記のIPアドレスをSSHに投入し、WindowsマシンからPCに接続します。(この辺のアクセス方法は拙稿No.6参照。PCのIPアドレスはTWSNMPで探すと吉。PCの電源OFF時とON時で比べてみて、ONしたとき新しく出現したPCがそいつと推定できます。SSHからのログインはID=root、PW=voyage)

 

1 SSDのバックアップ(やっといたほうがいいかな?)

 mSATA SSDのケースやSSD(USB)を買ってみましたが、結局うまく接続できませんでした。そのため、外部媒体として、SDカード(USB接続)を使用し、バックアップを取りました(拙稿No.05の下にあるメディアリーダを使用)。なお、USB接続SDカードからPCを起動できますので、SDにバックアップを取った後、色々設定をかえるときに、SDからPCを起動して、設定・テストしてみるのも良いかもしれません。

 (1) fdiskコマンドでデバイス確認

 あらかじめ、USB接続メディアリーダでSDカードを繋いでおき、SSHでPCにアクセス ⇒ # fdisk -l コマンドでディスクの接続状況を確認。

 /dev/sda がmSATA SSD、/dev/sdcがUSB経由のSDカードですね。よって、/dev/sda ⇒ /dev/sdc の向きでバックアップを取ります。

 (2) ddコマンドでバックアップ

 上の例だと、# dd if=/dev/sda of=/dev/sdc と入力。さすれば、SSDからSDカードへまんまバックアップがなされる。当方の環境だと、すごい時間がかかる(1.5時間くらい)。

 (3) SDカードの中味を更にHHDとかにバックアップ

 SDカードに入れたまんまはもったいないので、WIndowsマシンにSDカードをつなぎ、DD for Windows でHDDにバックアップ。拙稿No.05を御覧ください。なお、Windows7以上の場合、DD for Windowsをダブルクリックで起動ではなく、右クリック⇒管理者権限で開く で起動しないと、SDカードが認識されません。

 

2 設定

 以下は、大体がmustの手順となります。マストではなくリコメンデーションのステップもありますけど・・・。まあ、文章を見て必要的な手順か任意のものかは御判断ください。リコメンデーションのステップは、当然ご本人の趣味により飛ばしても、PC作動上は何の支障もありませんから。

 (1) アプリケーションアップデート

  やる必要性は良くわからんが、取り敢えず、です。ただ最初の # remountrw は絶対入力必要。

   # remountrw

   # apt-get update

 

 (2) Jedインストール

  (viより)便利なテキストエディタJedをインストール

   # apt-get install jed

 

 (3) タイムゾーンを東京にあわせる

  # dpkg-reconfigure tzdata

 上記はコマンド入力後。実際の挙動は拙稿No.07を御覧ください。別画面が立ち上がるので、 Asia > Tokyo を選択。

 

 (4) bashrc修正

 remountnwコマンドをいちいち入れなくても良くする手順。

  # jed ./.bashrc

 上は、bashrcファイル修正後の画面状態です。いったん上記のコマンドを入れると、次のjed画面に遷移します。

一番下の行に、 remountrw を追加(記入後、必ずリターンキー押下のこと。remountrwの記述の次にグリーンカーソルがある状態にせず、次の行にカーソルを移すこと)。

 で、F10 ⇒ File ⇒ save ⇒ F10 ⇒ file ⇒ exit でファイル修正終了。

 

 (5) IPアドレス固定

 IPアドレスは固定したほうがいいですので。

  # jed /etc/network/interfaces

 上の画面は、IPアドレス修正のためのコマンド入力⇒Jed画面⇒修正後 の状態です。コマンドを入れると、次の画面が立ち上がります。

 このDHCP指定のところを直します。修正後は次のとおり。

#Iface eth0 inet dhcp ⇒ 既存のこの行の頭に#を入れて、コメント行化する。

iface eth0 inet static

address       192.168.ab.cde

netmask      255.255.255.0

network      192.168.ab.0

broadcast   192.168.ab.255

gateway     192.168.ab.1

dns-nameservers 192.168.ab.1

 iface eth0 inet static 以下の計7行は追加。任意の設定したいIPアドレスに固定します。これで、このPCは次回立ち上げ以降、このIPアドレスでLANに接続することになります。なお、ab,cdeはそれぞれ数字に対応。abは、現在のIPアドレスのそれと同一である必要があります。二桁とは限りません。cdeは1から254までのうち、他に使っていないアドレスであれば任意。


 (6) mpd.conf設定

  mpd.confファイル中のbind_to_adress "localhost"をコメント行にする。

  ブラウザのURL欄に、現在のPCのIPアドレス(上記(5)処理の後再起動(# reboot)したのなら、上記(5)で指定したIPアドレス)を投入し、ログイン(ID,Passwordは上述のとおり、それぞれroot,voyage)すると、次の画面が出ますので(昔のVoyageでは出ません)、Service>Music Player Daemonとクリック。

 すでにコメントとなっているので、放置。

 

 (7) 音楽データのあるNASをマウント

   これは、NASをマウントする場合です。直接USB HDDとか繋ぐ場合は、たぶん面倒な手順はないんでしょうが・・・ またVoyage MPD Starter Kit 2.0 - Getting Started Guide(Version 1.2 15-Mar-2014) では、4.2 Mount to SAMBA shared drive が相当部分と思われます。基本こちらを参照しながら、この中味をモディファイして、実際にやったことを記述しています。

  a) まず、ディレクトリを作ります。

   # mkdir /music

 上記は、mkdir前後のルートディレクトリ直下の状態を ls コマンドで表示。下のほうはmusicディレクトリが出来ている。

  b) 次に、fstabファイルにマウント先のドライブを記述します。

   # jed /etc/fstab で、fstabファイルを編集可能とする。以下の画面が立ち上がる。一番下が、マウントするドライブを記述した行。file_mode以下の記述は、Voyage MPD Starter Kit 2.0 - Getting Started Guide(Version 1.2 15-Mar-2014) 4.2 Mount to SAMBA shared driveの記述に拠っていますが、その前の部分は、Guideの記述とは少し異なります。

 ・ 行の最初の記述は、NASのマウントポイントを記述。 //192.168.***.***/+++ となります。肝は、//IPアドレス/音楽ファイルのあるディレクトリ と記述することです。IPアドレスは // (ダブルスラッシュ)ではじめること。Guideではダブルスラッシュの記述はありませんので、御注意を。(上記の私の例だと、NASの中の /Public/Music に音楽ファイルが入っているので、上記のような記述に)

 ・ 次の記述 /music は、PCのマウントポイントです。ここでは、上記でmkdirで作った /music がマウントポイントとなるので、このように記述しています。Guideでは、違うマウントポイントを記述しているので、混乱なき様御注意を。

 ・ username, passwordについては、拙稿No.08のとおりとしています。

  c) NASにシンボリックリンク(別名)を貼る。

   # mount -a

   # ln -s /music /var/lib/mpd/music

 下記は、この後、 # ls /music で、/musicディレクトリの中を見た様子までの例です。マウントされたNASの/Public/Musicディレクトリ直下の中味が書いてあります。これがちゃんと出ればOK。

  d) いったん再起動 ⇒ 再起動し忘れたら、あとでc)まで戻りましょう。でないと、次の起動時、MPDのデータベースが消えてしまいます。

   再起動は、# shutdown -r now または # reboot など

 

 (8) 音量ソフト的操作機能の解除

  どうも、音量をソフト的に(MPDクライアント上で)操作できる状態は、音質的に好ましくなく、また、デフォルトではソフト的に音量を絞っていることもあるので、この機能を解除してしまう。

  http://kanchan707.blog43.fc2.com/blog-entry-266.html を参考とさせて頂きました。ありがとうございます。

  ブラウザで、PCのIPアドレスを入れて、上記(6)の手順を追ってやっていくと、次の画面が立ち上がる。修正は2箇所。

  まずは、このEdit /etc/mpd.confの中のmixer_type "disabled"の行のコメントを外し、生かす。

 下はコメントを外す前。

 次は、コメント(#)を外した後。

 次に、Edit /etc/mpd.conf の一番下を次のように修正。

 下は修正前。

  この mixer_type "hardware"をコメント化。

  実例は次。

  そして、SSHのコマンド入力画面で # alsamixer と入れて、上記のWebサイトのように、音量を最大にする。

 

 (9) 電源切断時のDB保持対策

  電源ぶち切りにしても、データベースを保持しとくようにしないと、えらいこと(毎回電源ONでえらい時間が・・・)になるので、次のとおり措置します。

  a) # crontab -e と入力すると、次の画面が出るので、最後の */5 * * * * の行の頭の#(コメント)を取る。下は取った後。で、F10でセーブし終了。

 

  b) # jed /etc/default/voyage-util と入力すると、(下の画面は、# crontab -e,# jed /etc/default/voyage-utilと入力後

  次の画面が出る。

  この最後に、VOYAGE_SYNC_RECOVER=”YES” VOYAGE_SYNC_RECOVER_DIRS=”var/lib/mpd” の行を追加し、リターンキーを押下。で、F10でsave⇒終了。

   データベースを更新したときは、一度、PCは、#shutdown -h now などのコマンドで終了させましょう。

   (データベースを更新していないときは、電源ぶち切りでも問題は生じたことがない)

 

 以上で、Voyage MPD Starter Kit 2.0は動くと思います。

 動いたら、SSDを上記1の要領でフルバックアップ取っときましょう。

 上記の記述が、私の記憶と違っていて、結果、違うじゃあないかとか、やってみても動かない、とかいうときは御免なさい。

 

【で、肝心の音は?】

 CuBoxと大きい違いはありませんが、CuBoxより滑らかな音がすると感じます。(取り敢えず First impression)

 もう少しゆっくり時間を取って、電源も更新しながら聞き込んでみようかと。(なお、製造中のDC電源を試験運用してみましたが、スイッチング電源のときと音はかなり変わりました(自分的には良い方向に)。)

 

 次のページで、こいつをM2TECH HiFACE EVOで使えるようにする手順と、DC電源作成の顛末を掲載します。

 

【2014.07.02追記】

 拙稿No.23で記述の自作電源を使って、電流量を計測しましたが、12Vでおおむね0.6A、というところです。

 (電源投入時でも0.8A以上には行かない?)

 やはり、電源は1Aがあれば大丈夫のようです。

 上記No.23で記述の自作電源は、1Aまでの電源キットを使用していますが、これでOK、ということですね。