Voyage MPD システム構築 by PCど素人 (Alix,CuBox,APU(New Alix))

PCど素人の文系リーマンがVoyage MPD(Alix,Cubox,APU(New Alix))構築に挑戦の顛末です。

No.37 ESS社 ES9018S Dual DAC基板の製作(その4)

2015-12-26 09:44:48 | 日記

 (3) DAIなど

  IC1(DAI)、IC8、IC27は0.65ミリピッチの足です。ご本尊ES9018の予行練習ですね。

  こいつは、IC19同様、どこかの足を適当に仮半田して、仮半田した辺以外の辺について20W位の半田ごてに、拙稿No.35の例ならHAKKOのBC(M)タイプのこて先をつけ、こて先に少しだけ半田を盛り、フラックスをドバドバ掛けて、ランドに平行にこて先をこすって半田を流すやり方が、小生にとっては一番ラクでした。あまりコテ先端に半田が乗り過ぎてなければ半田ブリッジもそうそう起こりません。

  ま、何にしても足無しのIC19より何ぼか楽です。

 DAIのとこの半田の状態です、半田付けの出来、こんなとこで許してね・・・(PLLのコンデンサと抵抗がまたエラいことに・・・パスコンも何か変だしorz)

 

 (4) パスコン

  こちら や こちら の方の真似をしてしまいました。そもそも当方の半田付け技量にはかなりの問題があるため、前掲サイトの方々のように綺麗には到底できませんが・・・

  ① パスコンは、原則二段重ね(16V0.1μと0.01μ)。DACとIC19周りはその上に50V1nの三段重ね。三段目だけが50Vなのは、単にデータシートのインピーダンスのグラフ見ての思い付きです。DAI周りも三段重ねが良かったのかもしれませんが、1nのチップコンの購入数を間違えました orz

  ② パスコンを二段三段に半田付けするのは、無茶難しくはなく15Wの半田ごてでできますが、それでも子亀が真っ直ぐ向かなかったものが結構できました(泣) 数があるので大変と言えば大変です。

  ③ はっきり言って、ECHUの基板への半田付けは難しいです。なぜならECHU 0.1μの大きさは基板のランドの大きさギリギリなので。20Wの余り先の尖っていない(尖っていると熱量が低下する)半田ごてでとっとと進めてしまうのがいいのですが、何か所かは上手く一発で行きませんでした。上手くいかなかったパスコンは念のため捨てて新しいのでやり替えましたが・・・ 殆どのパスコンは0.1μを一段目にしてギリギリ半田付けできますが、LCD電源のところのパスコンはどうやっても上手くいかず、結局子亀を下にして無理矢理半田付けしました。後になって、パスコンのランドの近くにGNDのスルーホールがあるのに気付いたのですが(こいつを上手く使えば良かった・・・)

    なお、半田作業の都度一個一個それぞれに導通チェックを行っていましたが、最後の最後に全部部品付けた後、導通チェックをかなり徹底して行ったところ、それでもパスコン1か所半田不良が見つかりました。繰り返しですが、ECHUの使用はかなりの難物と思っていた方が良いです。

  ④ 小生は二週間に一遍程度の余裕時間に少しずつ作業を進めていったので、そこそこ楽しかったですが、普通に(当基板を数時間で仕上げようという方が)やるには辛い作業でしょう。

 

 (5) 水晶

  表面実装水晶は、パスコンが付いてしまえばいつ作業してもいいのですが(後の半田付けの大物はES9018位で、位置が離れている)。

  何をあほな、と思われるかも知れませんが念のため、予備半田は4か所のランド全てにしておいた方が良いです。その後にチップを乗っけて全部半田で固定していく、というのが電極の確実の溶着には宜しいみたいで。基板製作者さんもそのようにされていました。後で気付いて、随分不安になりました。

https://audit-tetchan-kaisetus.blogspot.com/2022/05/0.html

 


No.36 ESS社 ES9018S Dual DAC基板の製作(その3)

2015-12-20 17:34:28 | 日記

2 準備その2

 私はど素人ですが、流石に本基板製作にあたってはど素人のままでは参りません

 こちらに基板頒布者さんが各頒布基板の半田レベルと回路理解レベルを表示されてますが、半田レベルは3段階の最高(「DIP(2.54mmピッチ)の半田付けなんて楽勝」)、回路理解レベルは3段階の2番目(「電源配線くらいはわかる」。ちなみに3段階は回路定数の意味がある程度分かる。)になっています。確かにその通り、と思います。

 ただ、半田については2.54mmピッチの半田付けが超難しいわけではないので、いくつか自作キット(IC表面実装の半田付けを伴うもの。SSOPの超ピッチ幅が細いものまではともかく・・・)などを作ってみることは最低限必要と思われます。半田のやり方はWeb上にいくつも例がありますので、まずこれを参考にしますが、唯一の正解手、というものはありません。いくつかの例の中から試しにやってみるのが良いと思います。

 また、電源配線は理屈がそれほど難しいわけではないですし、難しい回路理論の理解は不要でしょう。ただし、大きな本屋なら大抵売っているであろうアナログ回路の基本に関する本は一通り読んでおいて、そういえばあれはこんなことが、位の知識は頭に置いておかないと辛いと思われます。

 本基板のマニュアルにはどこにどの部品をどの向きに付けろとか懇切丁寧に書いているわけではなく、ブロック図とか部品表、概略回路図を見て自分で判断しないといけないので、アナログ回路理論の基礎位はないと、ということになります。オペアンプの詳細本までは読まなくてもいいですが、どうせこの基板はアナログ段が必要なので、ある程度理解できていたらよいかもしれません(基板頒布者藤原さんの提供する「シンプルIV(DUAL OPA版)」の定数はESS社が公表するES9018のアナログ段の推奨回路のままなので、書いてある通りに製作すれば音は出ますし、アナログ段の製作はデジタル段の製作より必要とする知識も半田技術も簡単ですみますが、なぜそうなっているのかが解ると色々と便利)。

 なお、基板頒布者さんが、別基板用ではありますが、製作上の基礎的な注意点を書いておられるので、参考となるかもしれません。

 

3 半田付け概論

 結局、いろいろWeb上で公表されている本基板の製作例を見ると、失敗の原因はほとんど ①半田付けの失敗 ②部品取り付けの間違い に尽きるように思われます。(静電気でICチップ破損、なんてのもあるらしい)

 ②は、当たり前乍らマニュアルをよく読んで、一ステップごとに確認、確認で進むしかないですが、①も結局は確認、確認、確認、に尽きるようです。

 例えば、本基板のWeb上の作例ですが、ここのPhoeniciaさんのコメントは非常に有益であり、また、当たり前じゃんと思いつつもついついすっ飛ばしてしまう手順と思います。現に、私が製作した折、何回もテスタや目視でチェックした後、フラックスリムーバを吹きかけ、乾燥後に今度は埃取りのPC用ダスタブロワを吹きかけて、再度全チップテスタチェックしたら、パスコンの半田ミスが発見されました。念には念を、という慎重さは、この基板製作においては特に必要と痛感したところです。

 また、半田付けの難しさの順番で言えば、

  ①ES9018本体 ②ジッタクリーナー表面 ③ジッタクリーナー裏面(ヒートシンク) ④パスコン でした。

  ただ④は、ここここの真似をしてパスコン重ねをしており、パスコンのランドの大きさぎりぎりのチップコンを付けるのが苦労、という当たり前の問題であり、また、小生に特異的な困難性と言えるかと。(キット付属のパスコンを使えば、それほど難しくはないと思います。)

  また、当然ですがICチップの半田時には、必要な静電気対策はしましょう。静電気対策の肝は、チップのリード間に不当に大きな電位差を発生させない、という点に尽きます。Web上には、いま顕在化しなくとも雑な対策だとチップにダメージを与え、いつかチップがダウンする(劣化を早める)との情報もあります。小生は、リストバンドとICチップ操作用の手袋をして、作業台にアルミホイル置いて、リストバンドだけでなくアルミからもアース取り、その上に基板作業用品並べてアルミも触りまくり、いろんなものの電位差を無くすようにし、チップは極力足ではなくパッケージを持つようにしましたが、ハテさて・・・

 

4 半田付け

 (1)ジッタクリーナー

  順番的には、ロジックICで腕慣らしするかどうかですが、ジッタクリーナーは基板の真ん中にあり作業性が後回しだと悪くなるため、とりあえずTPS7A4700の取り付けを腕慣らしにしてジッタクリーナーから取り付けてみました。

 【取り付け前】

 【取り付け後】(この後さらに電極とランドの溶着を確実にしたりするため再半田しており、最終形ではない)

 正直なところ、ピン数が多い分、TPS7A4700の5倍は難しいです(泣)。そもそもこの幽霊の如き足なしQFPパッケージは、足がないのが兎に角半田付け泣かせです。何せ、ほかのチップは取り敢えず1ピン仮半田で位置決めをすれば後の作業性は上がるのですが、仮半田もなかなか難しい・・・

 【私の手順】

 ① ランドに一つだけ仮半田する。

 ② チップの位置を決め(これがまた難しい(泣))、仮押さえする。小生は前述ですがこんなものを作りました。

 ラジオペンチと輪ゴムと爪楊枝で作っています。

 なお、こいつの肝は a)爪楊枝はあまり下を短くしない b)輪ゴムは把手の上の方を括る。その理由は、爪楊枝の下部分が短かったり(ふつう考えれば短い方が操作性は上がりそう)すると、輪ゴムの位置が下がり基板に接触する=ゴムのせいでペンチが揺れ動き仮押さえにならない、ためです。

 ③ こて先がチップの電極に接触する位の位置までもっていってしっかり半田付けする。

 ④ 仮半田した辺以外の辺について半田する。この際は20W位の半田ごてに、拙稿No.35の例ならHAKKOのBC(M)タイプのこて先をつけ、こて先に少しだけ半田を盛り、フラックスをドバドバ掛けて、ランドに平行にこて先をこすって半田を流す。

 ⑤ 結局ランドと電極がしっかり目視でも半田で溶着していないとまずいので、何か怪しげなところがあれば、上記④のやり方で、今度はランドの先からチップに向けてこすってみる。(小電力のこて先、極細のこて先ではあまりうまくいかなかった。小生は。) また、半田ブリッジは a)該当箇所を無水アルコールで綺麗にクリーニング b)フラックスドバドバ c)20W位のあまり細くないこて先の半田ごてでブリッジの辺りをちょいちょい・・・ で大抵解消します。(これはどんな個所にも当てはまる)

 ⑥ 最終形は、ランドと電極が半田で一連となっていること。28ピンと29ピン(CKOUT1+とCKOUT1-)はショートでOK。

 ⑦ なお、一回半田したところを再半田するときは、無水アルコールでヤニの焦げカスなどは綺麗に拭き取っておくこと(これはどんな時でも!)

 何か怪しいような気もするが、まあ良しとして・・・?(パスコン、エラいことになってますorz)

 

 ⑧ 裏のヒートシンクは、エイヤッと40Wの半田ごてでホールに半田を流し込むと上手くいくように見えるが、半田がこんもり盛り上がってしまい、試しに吸い取り線で吸い取ってみると中はガランドウ・・・(泣)。ICチップのGNDパッドとシンク部分を一体的に半田メッキできれば、半田と同じ金属面が表面に形成されるので後続の半田付けが楽らしいが、そのためにはGNDパッドとシンク部分の温度が適当な温度まで上がっていないとできない(半田ごてをホールに突っ込んでも、半田は半田ごての方にくっついて基板部品には付いてくれない)。ヒートガンでも使って半田の細切れ屑をホールに突っ込み熱するのが一番手っ取り早そうだが、そんなものないので小生は、60Wの半田ごてに40Wのこて先を換装し、半田屑をホールに少しちらしてこて先でホールの中をグリグリ・・・ ちなみに、60Wの太めのこて先の半田こてを、ヒートシンク部分の金属にしばらく当てて、真ん中のホールに半田が吸い込まれたら少しずつ先に、というのが最善かも。基板製作者さんのサイトのBBSにはこんな記述もあります。要はチップ温度上昇にビビるくらいなら最初から60Wとかでさっとやってしまった方が良い、ということでしょう。なお60Wでグリグリやったあとチップ表面を赤外線温度計(これ何気に便利、ただ高い)で計測しましたが、そんなにバカみたいな高温にはなっていませんでした。

 結果はこう。なんにしても余り加熱するとICの寿命が心配・・・

 

 (2) ロジックIC

  次に、真ん中辺にあって作業性の悪そうなIC11-18を半田付け。その次は端っこにあるIC2-7。こいつらは足の間隔も広く、そもそも足がちゃんとあるので・・・、ということなので、来るべきES9018の半田付けに向けた手慣らしも・・・

 ① ランドに一つだけ仮半田する。

 ② チップの位置を決め仮押さえする。

 ③ 20Wの半田ごてで、しっかり半田付けする。15Wだと熱量が低いように思えます(半田こてを話した瞬間半田が凝固し、半田に角が生えることが多い)。

 ④ 仮半田と反対の辺の足を半田。最初にフラックスをドバドバして半田する。引き半田でも良いが、上記(1)ジッタクリーナーの④のやり方で1~2ピンずつくらい半田していくのが吉のように思えました。

 ⑤ 完成形は、ICの足の終端の断面と基板のランドが半田で一体に溶着していること。

https://audit-tetchan-kaisetus.blogspot.com/2022/05/0.html

 


No.35 ESS社 ES9018S Dual DAC基板の製作(その2)

2015-12-17 20:46:55 | 日記

1 準備物

 半田系

  ・半田ごて~15W、20W、40Wか60Wの3~4種類はほしい。できればセラミックヒーターがよいが・・・(作業効率、絶縁性)

  ・半田ごてチップ~15~20W用には、①普通のもの ②先端が尖っているもの ③先端が切れているもの の3種類は必要

   例えばこのメーカーの製品なら ①はBタイプ ②はIタイプ ③はBC(BCM)タイプです。①は通常の作業、②は半田先のスペースが小さい箇所や狭小ピッチのICリードの半田修正、③はSSOPパッケージの半田などに使います。

  ・フラックス~これがないと始まりません~~

  ・良質の半田~全然作業性が違います。小生が今回使ったのはこれ

  ・無水アルコールと綿棒~これもないと始まりません。あとスプレー式のフラックスリムーバ(結局アルコールですが)もほしいところ。

   ※特に半田吸い取り器は必要ないとは思います(あればいいかも、位で、別に吸い取り線で十分でしたが)。

 

 工作補助系

  ・ラジオペンチ+輪ゴム+爪楊枝~表面実装部品半田付けの時仮押さえに便利。ラジオペンチに爪楊枝咥えさせて、把手のところを輪ゴムで締めます。

  ・伸縮性のない包帯止め絆創膏(ダイソーとかで売ってる奴でOK)~あちこち仮止めに便利。100円の奴は粘着性が弱いので猶更GOOD。

  ・小さなプラ容器~これもダイソーの工具売り場で売っている、横7センチ縦5センチ深さ2センチくらいの小物入れ。チップコンデンサとか入れとくのにとても便利。

  ・2倍程度の広範囲が見えるルーペ&10倍以上のルーペ~どっちも必要。特に高倍率ルーペは絶対必要。最低でも10倍はほしい。

  ・スポットライティングできるLED照明~半田の細かいチェックにはほしいところ。

  ・パソコンショップとかで売っているスプレー式のエアダスター~半田くずとか微細ゴミを吹き払うのは意外に重要。念には念を・・・

https://audit-tetchan-kaisetus.blogspot.com/2022/05/0.html

 


No.34 ESS社 ES9018S Dual DAC基板の製作(その1)

2015-12-16 20:02:19 | 日記

 お気楽オーディオ(藤原)さんが頒布されているES9018S Dual DAC基板の製作に(無謀にも)挑戦し、一発で音出しに成功しました。

 

 

 いろいろと問題もあり、必ずしも上手い工作とはいいがたいですが、私のような素人でも、ということで、いくつかメモランダムを残してみようと思います。

 ところで、ES9018が大人気DACチップということもあり、作例が沢山Webには公開されています。 私は技術的なことはよくわからないため、テクニカルな話はそうした諸先達の情報にお任せするとして、「どうやって素人同然の私でもこの工作ができたか」について記したいと思います。

 無論、これは相当の学習と準備が要りましたので、はっきりいってど素人のまま、とは参りませんが。

 ということで、詳細は追って追々、といたしますが、ただひとつ、
 Web上には沢山の失敗事例も情報があり、是非ともこれらを丁寧にトレースして、どのようなところで失敗が起こり得るか学習したうえで、そこには従前の注意を払うことが重要だとは申し上げておきましょう。https://audit-tetchan-kaisetus.blogspot.com/2022/05/0.html