Voyage MPD システム構築 by PCど素人 (Alix,CuBox,APU(New Alix))

PCど素人の文系リーマンがVoyage MPD(Alix,Cubox,APU(New Alix))構築に挑戦の顛末です。

No.31 HiFace Evo から I2Sで PCM1794に直結出力

2015-09-23 12:05:14 | 日記

オケの定演(今回は大曲のため、ほかに手が回らん・・・)も終わり、やっとこさすこし工作を・・・ということで、かねてからやってみたかったHiFace EvoからのI2S出力を手掛けてみました。

 

MiTakeさんが、下記でHiFace EvoからI2Sで、PCM1796(TI社)のDACに直接デジタル出力しておられます。

http://www.mi-take.biz/system72/DAC_2/HiFaceEVO/HiFaceEVO_I2S.html

 

この手の記事はWeb上でも散見されますが、同じTI社製の有名ハイエンドチップPCM1794での紹介事例が見当たらないので、蛇足とは思いつつ・・・

 

1 用意するもの

 そこらで売っている一般的なLANケーブル(どうせ短くぶった切って使うので、あまり長いものは不要。無理にカテゴリ7とかでなくとも・・・)

 DACとHiFaceが共用できる電源(これが少し面倒くさい)

 なお、PCM1794DACは、MiTakeさんのキットを使用しました。(PCM1794W基盤+IV基板2枚)基本結線すれば使える状態で頒布されているので、私のようなど素人には手掛けやすい製品です。

 

2 準備

 HiFace Evo の I2S 出力仕様は

http://www.m2tech.biz/public/pdf/App001%20Using%20hiFace%20Evo%20I2S%20Output%20-%20PrB.pdf

 で公開されていますが、玄人さん方はピンの配列が通常と逆なので戸惑われるようです。(なんも知らん小生は、書いておる通りに認識しちゃいました)

 上記マニュアルによれば、要するに、HiFace Evo 背面にI2S出力用ソケット(LANケーブルで使うRJ-45 8ピン用プラグ用のソケット)がありますが、Evoの背面に向かって左から 1 SDATA 2 GND・・・ ということなのですね。

 なので、LANケーブルをできるだけ短く(上記MiTake氏の実験では12センチが限界?)ぶった切って、

 ① 茶色の線が DATA

 ② 緑の線が  LRCK

 ③ 青の線が  SCLK(ビットクロック)

 ④ オレンジの線が MCLK

 ⑤ 縞々の線(ソケット左から見て偶数のライン)はどれでも GND

になるので、DACの受け口の配列に合うように5口ソケットに並べます。これでLANケーブルの工作は終わり・・・

 なお通常のLANケーブルなら、データの種類とケーブルの色の対照関係はこうなる筈なので、例えば小生にはかなり敷居の高そうな藤原キットのPCM1794Dual-DAC(DAIとかついていない版)ならI2S入力受け口の1番ピンはDATA、3番がLRCKなので、1番ピンは茶色、3番ピン(隣)は緑のケーブルにつなぐ、とか・・・。なおGNDはどれか任意の一本選べば良いようです。

 下手くそな工作で申し訳ないですが、MiTakeキット PCM1794Wの入力は、

 ①番ピン LRCK

 ②番ピン BCK(ビットクロック)

 ③番ピン DATA

 ④番ピン GND

 ⑤番ピン SCK(マスタークロック)

 なので(MiTakeさんのサイトでこのDACの回路図は公表されています)

一番ピンから順番に 緑-青-茶-GND-オレンジ となるように配列しています。

 

3 接続

 接続、といっても別に普通に接続(EvoのI2Sジャックから、うえで工作したLANケーブルを通してDACにデータを流すだけ)です。

 なお電源について、電気に詳しい人ならあったりまえの話ですが、I2SのGNDは、DACのGNDにそのまま落ちており、I2Sの信号類もそのままPCM1794に入力されるので、HiFace Evo と DACの基準電位は揃えておかないといけません。要するに、DACとHiFace Evoの電源が違うものだと、うまく動かない(=GND共通にしないと動かない)、ということになります。

 そのため、電源は次のように取っています。

              +--------------------- IV基板用±15V生成基板 -------- IV基板

     共通電源 ---------- +---------------------   DAC用+5V生成基板 -------------- DAC基板

              +--------------------- HiFace Evo用+9V生成基板 ---- HiFace Evo

 「共通電源」とは、3つの機器に電力供給できる余力をもった15V程度の安定化電源です(トランス、平滑コン、安定化キット(秋月TPS7A4700キット)で自作。秋月キットは1Aまでですが、HiFace Evoの電流は0.3Aアンダー、 MiTakeキット(DAC、IV2枚)に流れる電流は0.4Aアンダー合わせても0.7Aを下回る程度なので、トランス出力電圧をうまいこと15V近辺に合わせておけば、電圧降下を最小限度で済ませられる=TPS7A4700もあんまり発熱しない=十分な電力供給できる、と勝手に踏んでいます。)。

 以上を要すると、HiFace Evo、DAC、IVはそれぞれ所要の電源電圧が違うので、それぞれの電源用基板を用意し、電力供給能力のある共通電源から3本の線を出して、さっきのそれぞれ3つの電源基板に電力を供給する形にしています。+5V電源は10V程度の電圧降下のためそれなりに発熱しますが、HiFace Evo 用の電源は、あまり消費電力がいかないためか、そんなに発熱はありませんでした。

 

4 その他

 小生のところでは、音源は全部CD落としのものなので、サンプリング周波数は44.1kHz、HiFace Evo I2S から出力されるマスタークロックは、上記のEvoの説明書では22.5792MHz、よって、システムクロックは512fsとなります。PCM1794は自動で認識するようです。

 下記テキサスインスツルメンツ社のPCM1794データシートの

http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/pcm1794a.pdf

 17ページだと、DACは2チップ構成(モノラル作動)なので、I2S Mono L(R)-Channelになるよう、DAC所定のピンにONOFFをかける(基板のジャンパをいじる)ことになりますが、このキットだとデフォルトでよいようです。

 あほみたいな説明ですが、素人にはわかりにくいことのひとつ、データフォーマットについて、念のため説明しておきます。(CQ出版社の「インターフェースInterface」誌2014年9月号「ハイレゾ本格デビュー Linuxオーディオ」の説明がわかりやすい。まだバックナンバーある?)

http://www.kumikomi.net/interface/contents/201409.php

 HiFace Evo の I2Sは、文字通り(あたりまえ)I2S、つまりMSBがLRCLKの2クロック目にはまる奴です。MSBファースト前詰め(またはLeft-Justified(左詰め)とか言われる奴)やMSBファースト後詰め(またはRight-Justified(右詰め)とか言われる奴。上記TI社のデータシートではStandardと記述されるのは、たぶんこいつのこと。)ではありません。

 

5 結果

 HiFace Evo から SPDIF出力でDAIを通じてPCM1794 DAC運用していましたが、EvoからI2S直出しにしてどうか?

 まだ時間がなく細かく検証してません・・・orz

【追記】

 やっとこさ試聴できました。

 例によってLinuxベースMPD使用、初代APU(LightMPD)--Hiface Evo+Evo Clock--(I2S or SPDIF---DAI)--PCM1794(Dual)DAC---IV---Accu C270---P4200---B&W805D。DACとIV(&DAI)は手持ちのMiTakeさんのキットを使用しました。


 SPDIFからI2Sに変えると・・・最初はなんじゃこりゃ、全然同じじゃねえか、と思いましたが、よく聞いて行くと、次第にI2SのほうがSPDIFより薄皮が1.5枚くらい剥げた感じに聞こえます。定位がよくなり、室内楽の楽器の位置など、より決まるようになりました。ヒラリー・ハーンの無伴奏パルティータ3番を聞くと、SPDIFでは少し雰囲気で鳴っていたものが、より明瞭に奏者像を出すようになります。


 I2S直だとジッタの影響が減るのか、ですが、なんにせよ、やってみた価値はありました。