「戎舞」で主人が戎様にお酒を振舞うシーン。
もっともっとと、酒をねだる戎様の可愛くてユーモラスな仕草に
満席の会場から笑いが起こる。
2009年2月19日、ロサンジェルスでの公演とワークショップも無事終了し、一行は空路、ニューヨークへ。西海岸と東海岸の時差は3時間。ロスーNY間は約5時間なのですが、これに時差が加わるのでスケジュール上は8時間かかっていることになります。午前8時20分にLAを飛び立ち、JFKに着いたのは午後4時35分でした。JFK空港から次のツアー先のコネチカット州ミドルタウンにあるウェズリアン大学までは貸切チャーターバスで。以降、東海岸での移動はすべて各地で探したチャーターバスで行いました。
東海岸1箇所目のウェズリアン大学はワールド・ミュージックの学部が有名で過去には津軽三味線の上妻宏光さんのツアーや都一中さんなどのツアーで訪れたことがあります。今回、上演した会場は普段はガムランの練習と公演に使っている講堂です。ウェズリアン大学と、次にツアーしたコーネル大学だけが講堂での上演となりました。ということで、バトンも無ければ、劇場照明もありません。
バンクーバーとロス公演では、それぞれの劇場に大道具や字幕映写用のプラズマなどを発注しましたが、東海岸ではNYですべて準備し持ちまわることにしました。ですので、ツアー出発前に東海岸で必要な物品を運送業者に引き取ってもらい、しばらく預かってもらっておいて、一行の到着に合わせてデリバリーしてもらいました。舞台では平台や箱馬も使いますが、これらはジャパン・ソサエティの劇場のものを使用しました。さらに、バトンの無い会場用に最高16尺の高さまでパイプを仮設できるアルミ・パイプセットを間口40尺分、NYから持参しました。横パイプは8尺が最大なので間にサポートが入るため舞台中では使えませんが、バック巻くを吊るのには大変重宝しました。写真の通りなにもない教室のようなスペースですから、いかに小屋っぽく見せるかに腐心しました。
搬入風景。雪こそ降ってないもののめっちゃ寒い。 搬入後、棟梁の鈴木田を中心に打ち合わせ。
金属部品は切れるような冷たさ!
しかし手元を見ると手書きのラフな図面が・・・ 一応、僕も働いたというところを見せるために・・・。
鈴木田の名誉のために言及しておきますが、 行き当たりばったりぶりを後輩の鈴木田から叱られる。
彼はCADで図面も描けます。 あげく「あんたは単にラッキーなだけや」との小言も・・・。
この手書きのいい加減な図面は私の作品です。 へいへい、皆さんあっての私です。
すみませんね、ローテクで!!
仕込風景。メインエントランスとなる小幕口。 大黒の後ろにはガムラン楽団セットが収納されている。
向こうに見えるのがJSから持参した箱馬。 まだ劇場の雰囲気のない会場。
客席で人形の髪を結う座員の記虎さんと興津さん。 ヤンキース・松井選手に似ている記虎さん。
普通では見られない光景にしばし仕事を忘れて見学。
私のプランニングと(??)皆様の勤勉な作業によって無事舞台は完成しました。講堂とは思えないほどのできばえに、主催者も大変喜んでくれました。ツアーから大分たった頃、舞台芸術に関する会議でウェズリアン大学を訪れた国際交流基金の職員の方たちから聞いた話しですが、その会議の席上でも淡路人形浄瑠璃公演のことが話題になったそうな。そのぐらい好評だったようです。
ウェズリアン大学ではキャパ200席程度の会場で2公演実施しましたが、下の写真の通り両公演とも満席でした。2日目の客席にはコンテンポラリーダンサーで、別名・ジーニアス・グラント(天才助成金)を受賞し、米国でもすっかり有名なエイコ&コマの姿も。たまたま同時期にコンテンポラリーダンスのクラスをウェズリアン大学で持っていたんだそうで観劇に来てくれました。二人も大いに舞台を楽しんでくれた様子でした。そしてツアーはアイビーリーグの一角、コーネル大学へと続きます・・・。
記虎さんは筋金入りの元ヤンキーだけどねえー
はっ!そういうあなたも、もしかして・・・
元ヤン・・・?
浄瑠璃、素敵ですね。
小さな人形の和服衣装、近くで見てみたいです。
あまり公演内容と関係ないことや
冗談ばかりですみませんね。
淡路人形浄瑠璃の素晴らしさが伝われば
とは思っているんですけどね。
ではまたー