
「第四解剖室」
著者 スティーヴン・キング
訳者 白石朗 他
めらめら度★★★☆☆
20161228WED-20170113FRI
「幸運の25セント硬貨」
著者 スティーヴン・キング
訳者 浅倉久志 他
めらめら度★★★☆☆
20170113FRI-20170130MON
久々に、モダンホラーの帝王の饒舌な文章が読みたくなった。スティーヴン・キングの語り口は、唯一無二だからなァ。時事ネタと下ネタを(まるでガキの手淫のように)繰り返し、笑えないメリケンジョークが言葉のマシンガンとして(不発弾が強制排出されることなく)炸裂し、長いセンテンスに無駄なカッコ書きが孕まされた(しかし、妙に脳に喰い込んでくる)、あの独特なストーリーテリングである。
ちィ、駄目だ。キングっぽい文章を書いてみようと思ったけど、ちっともそれっぽく書けない…。とにかく、キングの軽妙でいて執拗な語り口が恋しくなったのだ。まァ、末烽フなんで、キングの長所も短所も半減していると思うけど。過去ログを見てみると、キングを読むのは、「ドリームキャッチャー」以来、5年ぶり。う~ん、そんなにも敬遠していたのか。キングって、面白いけど凄く疲れるんだよ…。
2冊の短編集を続けて読破。メリケンで出版された「Everything's Eventual: 14 Dark Tales」という短編集を日本向けに分冊したものらしいので、一気に読むことにしたのだ。日本版は、権利上の問題で1編が未収録の全13編。感想の内訳は、◎1編、〇3編、△6編、×3編、てな感じ。デジャブを繰り返すヤツは、最高に眠かった。数行を目で追っただけでコックリして、何度も睡魔に屈してしまった。
う~ん、キングって、短編に向いていないのかも…。あの軽妙でいて執拗な語り口は、やっぱり長編でこそ活きてくるのだろう。10年ぐらい前に「神々のワード・プロセッサ」という短編集を読んだけど、全く内容を覚えてないもんなァ。「第四解剖室」「ゴーサム・カフェで昼食を」「一四〇八号室」の3編は、そこそこ面白かったけど、全体的にダルかった。2冊を読破するのに1ヶ月もかかってしまったぜ。
唯一の◎1編は、「ダーク・タワー」シリーズの外伝「エルーリアの修道女」である。飛び抜けて面白かった、てなワケでもないんだけど、全7部構成(文庫版で全16巻)の大長編ファンタジーの一部なので、他の短編とは、ちょっと雰囲気が違うんだよねェ。中々、手が出なかった「ダーク・タワー」シリーズだけど、これを機会に挑戦してみようかなァ。キングを連続で16巻も読んだら、脳が萎みそう…。

新潮社「幸運の25セント硬貨」766円
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