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グラン・トリノ

2009-05-23 12:26:45 | 活弁見聞録
ズレ:「偏屈な頑固オヤジを演じたらおそらく当代一のハマリ役であろうイーストウッドさんもこれが最後の出演作と仰ってるそうで、今後も監督作にはお目に掛かれるとしてもスクリーンに登場するのは見納めと思うと、アメリカ映画はかくあるべしってな生前の遺言にも思える教科書的な作品じゃねぇか。
 アメリカの放送コードは知らねども日本のTVだったらピーッが入りっぱなしになりそうな差別感のキツいジョークも映画ならではのタフガイの演出と思えば寅さんのタンカ売のような名調子になってるし、ぶっきらぼうでも根底には人間愛が溢れてるからこその正義感や自己犠牲ってのもアメリカンヒーローの定番だし、時代と共に人種の坩堝の様相は様変わりしてるとはいえ、基本的にはオーソドックスな西部劇の骨格こそアメリカ映画の基本なのかもしれねぇやな。
 実年齢の役柄だけにご本人の来歴や心境とのオーバーラップが感じられて寄る年波をヒシヒシと感じる当方としても身につまされる部分は多々あり、到底見果てぬ夢ながら最先端の超金満GTRでなく超アナクロな1972年スカイラインをピカピカに磨いて屋根も切らずペイントもせず羽根もつけずに死ぬまで乗り続けようかてな憧れを大いにかき立てられたぜ」
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