つれズレ愚抄

つれ：「今や青年となった酒鬼薔薇聖斗君が手記出版でまた世間の耳目を集めてるみたいだねぇ」

ズレ：「被害者家族の心情に配慮する素振りは示すもののメディアとすりゃ興味津々の取り上げ方だわな」

つれ：「劇場型猟奇犯罪の低年齢化で日本中が震撼した記憶も新しいからには野次馬的関心を呼ぶのは間違いないところにこれだけ宣伝が行き届きゃ、出版社さんも神妙な面持ちの裏でスマッシュヒットに込み上げる笑みを堪えるのが大変なんじゃないかぃ」

ズレ：「中身を知らずに軽々なことは言えないものの、更生の一助か犯罪者の商業利用かってあたりはビミョーなとこだろうよ」

つれ：「犯人が手記を公表する是非とそれで商売人が収益を得る是非が錯綜するだけに、各方面からのご意見が百家争鳴なのは当然かもねぇ」

ズレ：「後日迂闊な言動を起こさないようにと切腹の御沙汰が下った四十七士の故事の是非まで思い起こされるようでぃ」

つれ：「逆にそそくさと死を賜れば殉教に祀られかねないと尊師に老残を晒させる近事の是非にも思いが至るねぇ・・」