つれズレ愚抄

つれ：「ベアリングのカルテルなんてだいぶ以前にも世上を賑わしたんじゃなかったかねぇ」

ズレ：「世界に冠たる技術を持ったプレーヤーの顔ぶれが限られてりゃ、ほとぼりが醒める頃には高きから低きに流れるように元に復すのが自然の理ってことよ」

つれ：「機械のコメともいわれるベアリングだけに、そんな悠長に風情を楽しんでる場合じゃないだろうに」

ズレ：「不当に吊り上げるとなると問題ながら、正当な利潤を確保するための下支えってことならベアリングから始まって他の製品に伝播したっていいくらいなんじゃねぇか」

つれ：「バス事故でも業界の不当廉売体質が取り沙汰されてるし、価格破壊のスパイラルが指摘されてはいても大手の体力勝負ディスカウントの前に中小以下が摩滅してる図式を思うと、或いは各段階でのまっとうな価格の維持が安全確保と景気浮揚の一番の近道なのかもしれないねぇ」

ズレ：「工業社会が進むほどにどの産業も寡占に収斂するのが歴史の必然となったからには、資本主義黎明期の牧歌的な競争原則を墨守する方に無理があらぁな」

つれ：「国内産業を自縄自縛してるうちにマーケットをごっそり外国にさらわれたなんてことになったらそれこそ自業自損だしねぇ・・」