岩上安身 @iwakamiyasumi さんが
6月13日に兵庫Ch1で配信したという柳澤協二氏の緊急講演会、
「集団的自衛行使問題 『日本は戦争する国にはなりません』ってホント?」
の模様( @IWJ_AreaCh1 が実況)を
連投リツイートされてました。
* それに関するIWJの記事はこちら→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/146338 …
内容が
とても示唆に富みます。
以下に
転載させていただきます。
1
特集 集団的自衛権 2014年6月13日(金)18時半より、神戸市のあすてっぷKOBEで「集団的自衛行使問題緊急学習講演会『日本は戦争する国にはなりません』ってホント?」が行われた。防衛官僚、また内閣官房副長官補として [...] 〔13:55 - 2014年6月20日〕
2
「最近、なぜか私は、護憲派の星のような存在になってしまった。先日、自民党に呼ばれて講演してきたのだが、彼らの私に対する批判のひとつは『政府にいたくせに、なぜ裏切るのか』というもの。しかし私は、歴代自民党政権の公式見解を言っているだけだ」
3
「今の政権が勝手に右に行ってしまったので、取り残された私が左に寄ったように見えるだけ。昔であれば、安倍さんのような飛び跳ねた人は総理になれなかった。いろんな利益代表が集まってバランスを重視してやってきたから、自民党は長期政権を維持できた」
4
「しかし、今、政権の握り方がまったく違ってきた。かつての自民党には古賀誠氏や加藤紘一氏のような人がいて、『とにかく2度と戦争をしてはいけない』という共通の価値判断があった」
5
「それが世代交代で、戦争を知らない人が登場して来るから、どのように日本の将来を展望していいのかわからなくなる。わからない時に一番人気を得やすいのは、勇ましい意見なのである」
6
安倍総理が5月15日に行った集団的自衛権を巡る記者会見について。
「私は安倍総理の示したパネルを見た時、ずっこけてしまった。あまりにも典型的なシンボル操作。『おじいさんやおばあさんが…』と、国民受けしそうな例を選んでいる」
7
「記者会見ではいろんな質問が出たが、総理の答えは必ずここ(パネル)に戻って、『日本国民の生命を守るのが私の憲法上の使命です』となる」
8
「私が現職の時も、こういう想定はよくやっていた。海外情勢が緊張すれば、外務省が渡航注意の情報を出す。この絵にあるような赤ちゃん連れのお母さんは、その段階で民間機で帰国する。取り残された邦人がいたら、自衛隊機でピストン輸送して3日で終える」
9
「また、本当に危ない時に民間人を運ぶのか。今の自衛隊法でも『経路の安全が確保されていなければ運ばない』としている。危険な状況で民間人を運んで、犠牲者が出たら内閣としてどう責任を取るのか」
10
「だから、私はパネルを見た時、『内閣の危機管理の失敗のケースだ』と思った。政策的な必要性も論証されていないし、そもそも北朝鮮がソウルを占領しなければ、こういう事態は起こらない。北朝鮮に戦争をする力はない。とにかく、突っ込みどころ満載」
11.自民党の自衛権発動の新3要件、
「我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること」について、柳澤氏は異議を唱えた。
12
「我が国に対する武力攻撃が発生するがゆえに、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあるのだから、そういう時に限っては自衛権の行使を禁止していない」
13
「つまり、個別的自衛権までは、こういう場合には許さなくてはいけないね、というのが60年安保以来の政府解釈。1972年の見解も、それを踏襲している」
14
「だから、今回の『他国に対する武力攻撃が、わが国の存立を覆す』というのは論理矛盾だ。こんな粗雑な文章は中学生のテストでもバツだろう」
15
「安倍総理の『この国を守る決意』という本には、軍事同盟は『血の同盟』、米国が攻撃された時に血を流す可能性は極めて小さいが、そうしなければ、つまり日本の青年も血を流さないと、完全なイコール・パートナーとは言えない、ということが書いてある」
16
「ああ、これなんだ、と思った。2004年というのは私が官邸にいて、陸上自衛隊がイラクで活動を始めた年だ。安倍さんは本当はアメリカと肩を並べて、日本も戦闘に行きたかったのだろう」
17
「6月11日、安倍総理は民主党の海江田万里代表との党首討論で、『尖閣を守るために、アメリカの青年が血を流すんですよ!』と発言している。総理は血の同盟とか、そういう言葉に酔っているが、その血はいったい誰の血なんだ。自衛隊員の血ですよ」
18.
「日本が攻撃されてもいないのに、他国へ行って武力行使をすれば戦争当事国になる。相手国から敵とみなされ、日本にミサイルが打ち込まれ、国民の生命が失われる。これは、幸福追求権の究極の否定ではないか」
19
「1997年、日米防衛協力のための指針の見直しがあったが、米国は『集団的自衛権を使え』とは、ひと言も言っていない」
20
「アフガン戦争、イラク戦争あたりから日本の協力が現実味を帯びてきて、自衛隊がイラクから撤退したあと、『アフガンで、もっと実質的な協力をしてくれ』という話があった。だが、オバマ大統領になって、そういう話は一切なくなった」
21
「逆に日本のほうが、アメリカから見捨てられるのではないかという恐怖から、『米国を守る』と言い出している。冷戦時代は、日本が米国の戦争に巻き込まれるという懸念があったが、今は米国が、日本と中国の戦争に巻き込まれる、と心配する時代になった」
22
「去年2月、安倍総理の訪米直前、星条旗新聞が掲載したコメントはこうだ。『安倍はホワイトハウスに暖かく迎えられて、こう告げられるだろう。無人の岩のためにアメリカを戦争に巻き込むのはやめてくれ』。これが米軍の本音だ」
23
「昨今、集団的自衛権の行使を進めたい人々が展開する論理には、誤解や御都合主義が散見される。集団的自衛権は中小国が集まって助け合うものだと言われるが、実際は、大国が他国に軍事介入するのを正当化する論理だ」
24
「ソ連のアフガン侵攻やハンガリー民主化弾圧、ベトナム戦争やプラハの春でも集団的自衛権が使われている」
25.
「よく聞くのが、友だちが殴られても守らないのか、という理屈。だが、日本は世界で一番強い友だち(米国)を選んだ。その友だちと2人でいて、殴られるのは弱そうな方(日本)。こんな稚拙な例を国民に出してくること自体、国民を馬鹿にしている」
26
「朝鮮半島有事の際、『日本が米艦の護衛をしなくては』と言うが、そもそも誰が好んで米国の船を攻撃するのか。また、『米国の抑止力は大事だから』と言う人もいる。では、米国の抑止力とは何か」
27
「米国の船に手を出したら、米国本土からものすごい報復があるよ、というのが抑止力。『米国の船が攻撃される時、日本が守る』というのは、米国の抑止力がなくなった前提での話だから、抑止力の信奉者がこれを言うのはおかしい」
28
ホルムズ海峡が機雷封鎖されるという想定について。
「それは3年前、イランが核開発を巡って欧米と強く対立していた時のシナリオ。今、イランはウラン濃縮で欧米と合意できそうなのに、ホルムズ海峡封鎖など現実性がない」
29
「2013年12月末、安倍総理が靖国神社に参拝したことは、日米の危機だと思った。総理の靖国参拝に、米国は怒っている。戦後、米国が築き上げた戦後秩序への挑戦だと思っているのではないか」
30.
「安倍総理の考えは、積極的平和主義+集団的自衛権=力の外交。だが、これは身の丈に合わない大軍拡につながる。振り子は中庸のところにいずれ戻るが、日本の政治の左右の揺れは、あと10年は続くだろう」
31
「解決策としては、日本の国家像を考えるべき。戦後の日本のブランド力を見直してみること。国際援助における人材育成、3.11での助け合い、銃を撃たない、武器を売らない、他国の戦争に介入しない。そういう日本の姿を思い起こすべき」
32.中国との尖閣諸島の問題について。
「尖閣は今、日中のナショナリズムの象徴になっている。戦争をしないためには、ナショナリズムを煽らないことだ。中国の挑発に乗ったら負け。戦わずして勝つことを考えるべきだ」
33
「自衛隊は、今の法律で離島防衛を十分できる。実は、具体的に自衛隊に何をさせたいのか、政治が考えていないのだ。グレーなのは法律ではなく、政治家の頭の中。そこに本質的な課題がある」
34
RT @IWJ_AreaCh1 以上で報告ツイート終了。柳澤氏の講演内容の動画全編は、こちらの動画記事でご覧になれます。ぜひ会員に登録し、IWJの活動をお支えください。→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/146338 …… (了)〔13:59 - 2014年6月20日 〕――
6月13日に兵庫Ch1で配信したという柳澤協二氏の緊急講演会、
「集団的自衛行使問題 『日本は戦争する国にはなりません』ってホント?」
の模様( @IWJ_AreaCh1 が実況)を
連投リツイートされてました。
* それに関するIWJの記事はこちら→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/146338 …
内容が
とても示唆に富みます。
以下に
転載させていただきます。
1
特集 集団的自衛権 2014年6月13日(金)18時半より、神戸市のあすてっぷKOBEで「集団的自衛行使問題緊急学習講演会『日本は戦争する国にはなりません』ってホント?」が行われた。防衛官僚、また内閣官房副長官補として [...] 〔13:55 - 2014年6月20日〕
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「最近、なぜか私は、護憲派の星のような存在になってしまった。先日、自民党に呼ばれて講演してきたのだが、彼らの私に対する批判のひとつは『政府にいたくせに、なぜ裏切るのか』というもの。しかし私は、歴代自民党政権の公式見解を言っているだけだ」
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「今の政権が勝手に右に行ってしまったので、取り残された私が左に寄ったように見えるだけ。昔であれば、安倍さんのような飛び跳ねた人は総理になれなかった。いろんな利益代表が集まってバランスを重視してやってきたから、自民党は長期政権を維持できた」
4
「しかし、今、政権の握り方がまったく違ってきた。かつての自民党には古賀誠氏や加藤紘一氏のような人がいて、『とにかく2度と戦争をしてはいけない』という共通の価値判断があった」
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「それが世代交代で、戦争を知らない人が登場して来るから、どのように日本の将来を展望していいのかわからなくなる。わからない時に一番人気を得やすいのは、勇ましい意見なのである」
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安倍総理が5月15日に行った集団的自衛権を巡る記者会見について。
「私は安倍総理の示したパネルを見た時、ずっこけてしまった。あまりにも典型的なシンボル操作。『おじいさんやおばあさんが…』と、国民受けしそうな例を選んでいる」
7
「記者会見ではいろんな質問が出たが、総理の答えは必ずここ(パネル)に戻って、『日本国民の生命を守るのが私の憲法上の使命です』となる」
8
「私が現職の時も、こういう想定はよくやっていた。海外情勢が緊張すれば、外務省が渡航注意の情報を出す。この絵にあるような赤ちゃん連れのお母さんは、その段階で民間機で帰国する。取り残された邦人がいたら、自衛隊機でピストン輸送して3日で終える」
9
「また、本当に危ない時に民間人を運ぶのか。今の自衛隊法でも『経路の安全が確保されていなければ運ばない』としている。危険な状況で民間人を運んで、犠牲者が出たら内閣としてどう責任を取るのか」
10
「だから、私はパネルを見た時、『内閣の危機管理の失敗のケースだ』と思った。政策的な必要性も論証されていないし、そもそも北朝鮮がソウルを占領しなければ、こういう事態は起こらない。北朝鮮に戦争をする力はない。とにかく、突っ込みどころ満載」
11.自民党の自衛権発動の新3要件、
「我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること」について、柳澤氏は異議を唱えた。
12
「我が国に対する武力攻撃が発生するがゆえに、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあるのだから、そういう時に限っては自衛権の行使を禁止していない」
13
「つまり、個別的自衛権までは、こういう場合には許さなくてはいけないね、というのが60年安保以来の政府解釈。1972年の見解も、それを踏襲している」
14
「だから、今回の『他国に対する武力攻撃が、わが国の存立を覆す』というのは論理矛盾だ。こんな粗雑な文章は中学生のテストでもバツだろう」
15
「安倍総理の『この国を守る決意』という本には、軍事同盟は『血の同盟』、米国が攻撃された時に血を流す可能性は極めて小さいが、そうしなければ、つまり日本の青年も血を流さないと、完全なイコール・パートナーとは言えない、ということが書いてある」
16
「ああ、これなんだ、と思った。2004年というのは私が官邸にいて、陸上自衛隊がイラクで活動を始めた年だ。安倍さんは本当はアメリカと肩を並べて、日本も戦闘に行きたかったのだろう」
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「6月11日、安倍総理は民主党の海江田万里代表との党首討論で、『尖閣を守るために、アメリカの青年が血を流すんですよ!』と発言している。総理は血の同盟とか、そういう言葉に酔っているが、その血はいったい誰の血なんだ。自衛隊員の血ですよ」
18.
「日本が攻撃されてもいないのに、他国へ行って武力行使をすれば戦争当事国になる。相手国から敵とみなされ、日本にミサイルが打ち込まれ、国民の生命が失われる。これは、幸福追求権の究極の否定ではないか」
19
「1997年、日米防衛協力のための指針の見直しがあったが、米国は『集団的自衛権を使え』とは、ひと言も言っていない」
20
「アフガン戦争、イラク戦争あたりから日本の協力が現実味を帯びてきて、自衛隊がイラクから撤退したあと、『アフガンで、もっと実質的な協力をしてくれ』という話があった。だが、オバマ大統領になって、そういう話は一切なくなった」
21
「逆に日本のほうが、アメリカから見捨てられるのではないかという恐怖から、『米国を守る』と言い出している。冷戦時代は、日本が米国の戦争に巻き込まれるという懸念があったが、今は米国が、日本と中国の戦争に巻き込まれる、と心配する時代になった」
22
「去年2月、安倍総理の訪米直前、星条旗新聞が掲載したコメントはこうだ。『安倍はホワイトハウスに暖かく迎えられて、こう告げられるだろう。無人の岩のためにアメリカを戦争に巻き込むのはやめてくれ』。これが米軍の本音だ」
23
「昨今、集団的自衛権の行使を進めたい人々が展開する論理には、誤解や御都合主義が散見される。集団的自衛権は中小国が集まって助け合うものだと言われるが、実際は、大国が他国に軍事介入するのを正当化する論理だ」
24
「ソ連のアフガン侵攻やハンガリー民主化弾圧、ベトナム戦争やプラハの春でも集団的自衛権が使われている」
25.
「よく聞くのが、友だちが殴られても守らないのか、という理屈。だが、日本は世界で一番強い友だち(米国)を選んだ。その友だちと2人でいて、殴られるのは弱そうな方(日本)。こんな稚拙な例を国民に出してくること自体、国民を馬鹿にしている」
26
「朝鮮半島有事の際、『日本が米艦の護衛をしなくては』と言うが、そもそも誰が好んで米国の船を攻撃するのか。また、『米国の抑止力は大事だから』と言う人もいる。では、米国の抑止力とは何か」
27
「米国の船に手を出したら、米国本土からものすごい報復があるよ、というのが抑止力。『米国の船が攻撃される時、日本が守る』というのは、米国の抑止力がなくなった前提での話だから、抑止力の信奉者がこれを言うのはおかしい」
28
ホルムズ海峡が機雷封鎖されるという想定について。
「それは3年前、イランが核開発を巡って欧米と強く対立していた時のシナリオ。今、イランはウラン濃縮で欧米と合意できそうなのに、ホルムズ海峡封鎖など現実性がない」
29
「2013年12月末、安倍総理が靖国神社に参拝したことは、日米の危機だと思った。総理の靖国参拝に、米国は怒っている。戦後、米国が築き上げた戦後秩序への挑戦だと思っているのではないか」
30.
「安倍総理の考えは、積極的平和主義+集団的自衛権=力の外交。だが、これは身の丈に合わない大軍拡につながる。振り子は中庸のところにいずれ戻るが、日本の政治の左右の揺れは、あと10年は続くだろう」
31
「解決策としては、日本の国家像を考えるべき。戦後の日本のブランド力を見直してみること。国際援助における人材育成、3.11での助け合い、銃を撃たない、武器を売らない、他国の戦争に介入しない。そういう日本の姿を思い起こすべき」
32.中国との尖閣諸島の問題について。
「尖閣は今、日中のナショナリズムの象徴になっている。戦争をしないためには、ナショナリズムを煽らないことだ。中国の挑発に乗ったら負け。戦わずして勝つことを考えるべきだ」
33
「自衛隊は、今の法律で離島防衛を十分できる。実は、具体的に自衛隊に何をさせたいのか、政治が考えていないのだ。グレーなのは法律ではなく、政治家の頭の中。そこに本質的な課題がある」
34
RT @IWJ_AreaCh1 以上で報告ツイート終了。柳澤氏の講演内容の動画全編は、こちらの動画記事でご覧になれます。ぜひ会員に登録し、IWJの活動をお支えください。→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/146338 …… (了)〔13:59 - 2014年6月20日 〕――
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