のんきに介護

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法律化にあたって嘘をついてまでした「臓器移植法(A案)」の議決(1)

2009年08月09日 00時35分43秒 | Weblog
 臓器移植法改定A案につき、衆院採決のあった6月18日、「A案提出者一同」の名による「A案支持者と投票先を決めかねている方へのお願い」という簡略文書が、衆院本会議の各議員の席上に配布されたと言います。そこには、「なぜA案なのか」という理由説明と投票の戦術的方法の提起が記されてあったそうです。前者の理由説明の第二項目には、「A案は、WHOが推奨する臓器移植法案です」とあり、それが大いに問題です。WHOが日本のA案を推奨した事実はあったのか、なかったのか。どうもWHOが示した臓器移植新指針をもって、その「推奨」に当たると考えているのかもしれません。しかし、推奨しているとは解し得ないようなのです。
 小松美彦氏(東京海洋大学教授)によると、臓器移植新指針の実際の内容は、生体移植のドナー(脳死者)の保護と移植ツーリズム(臓器売買旅行)の対策だそうです。にもかかわらず、A案提案者は、海外に渡って移植を行うことの制限と、移植臓器を国ごとに「自給自足」する方針が謳われていると宣伝しました。許せないのは、A案提案者に迎合するように、マスメディアの多くが、この虚報を鵜呑みにしたばかりでなく、誤った報道を執拗に繰り返し、法改定に向けた社会と国会の気運を醸成したことです。その延長線上に上記、根拠のない「推奨」文があったことを考え併せると、空恐ろしい言論統制の予兆を感じます。
 小松氏の方が嘘をついてないか。二つの正反対の主張があるとします。「事実は一つ」なのですから、一方が真実なら他方は虚偽です。
 しかし、多分、小松氏の指摘に虚偽は含まれていないでしょう。「世界」という広範に流布した教養雑誌で、英文の資料だからと言って書いてあることを書いてないと嘘をつけば、学者として恥です。それでメリットは何もありません。

※ 臓器移植新指針の原文を掲載したため、文字数が制限を越しました。それで、最初の記事を3つに分解して、投稿のし直しをしました。(2)の記事に、追加した臓器移植新指針の原文とその和訳が載ってます。

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