ALIVE

S.THUNDERS diary

アクセス解析&コメント式にしました。

インディーズバンドとは

2007年03月04日 | Weblog
今日はNOPAINのスタジオなんだけど、今日は以前から募集していたメンバー募集で
来てくれる人と合わせてみる。顔もいままではメールのみなんで全く分からないし、
実力のほども未知。

けっこう募集かけたら1~10件くらいは募集が来る。
しかし舞鶴という辺鄙な土地柄、交通手段でたいていの自称、バンド命君は
諦める。しかもその日の朝までやる気満々メールくれるんだけど、大抵メール拒否されとる。

挙句の果てには、過去、女の子がこの手口を使ってきて、あまりにこちらが踊らされてたので怒ったら彼氏まで話に入ってきたこともあった。

女『私の彼氏、東京でハードコアしてるんです、これ以上かかわるなら彼氏に言いますよ』

おいら達『言わんかいボケ東京まで潰しに言ったるぞぼけ』

彼氏『あなたたち非常識ですもう俺の☆●□には関わらないでください』

こういうやりとりを過去何度もしてきた。
やたらサイト教えろだとか、写真みたいだとか、音云々、こいつらは何がしたいんかと思うような自称バンド命ばっかり。

たいてい募集サイトから来るやつはこういう類しかおらん。
だって本気でバンドしたかったらライブハウスでメンバー探したりするもん。
匿名や捨てアドレスで加入希望してるなんてちゃんちゃらおかしい。

が、以前うちでベース弾いてたさわちゃんは違った。
その点、彼は音楽に純粋だったし、バンドに貪欲であった。

その辺も期待して、わずか10パーセントほどを期待しての面接。

その子は亮太と同い年、ベース暦1年くらい、舞鶴から3時間ほどの場所から
電車で来る。

俺が思うに、下手でもやる気や努力、熱いものがあれば確実にテクニックなどついてくるのでその1年という短い経験には何もひっかかってない。
ただ、3時間も電車に乗り来てくれるというバイタリティーとやる気に俺は完全に意気込みを感じてた。

俺なら、バンドの詳細も知らん、街の名前もはじめて聞く、知らない人だらけの
街に一人で来いといわれたら億劫になるであろう。
が、その子は来てくれるので、とんでもない人材を期待した。

駅のホームで待合い、数分後にその子と合流。
ものすごく痩せた、おぼこい顔の男の子でした。

バンドならどんな音でもかまわんですと何度も聞いてたので
いきなりスタジオで激しめのセッションをNOPAINで演奏。
そして持ち曲の聴き易いナンバーも披露していった。

そしてその子とセッション。

1年というか、正直な話、1ヶ月程度の実力だと思った。
ここまでやる気を口に出してくれるのに1年でこれほどまでかとさえ少し疑ったが、数分間セッション。

正直、だめだった。

話をするとコードの名前も知らないみたい。

AとかB、C、Dとか和音の名前を。
こりゃ教えていくの大変かなと思ったけど、最初はみんなそうなんだし暖かく見てやろうと決意。
自分らの曲をフラットの番号でタブ譜のように書いていってあげた。
1年くらい練習したらそこそこ味のある音になるかなと半信半疑なんだけど
彼を信じることにした。なんでもやる気や情熱に後ろからついてくる。


セッションをやめて話してると、

『バンドで飯食えますよね?』と言われ、冷めてしまったといえばそこまでなんだけど、ちょっと身構えた。

『仕事せんでもいいですか?』これはとどめだった。
バンド経験がないとやはり知識がこうなのかな、
思うに最近バンド漫画があまりに流行りすぎて、素人はみんな勘違いしとる。

インディーズバンドは大抵マネージャーがついてて、CD出してたらレコード会社
に出入りして、ライブするたびにお金もらって、オーディション受けて、
ツアーもレコード会社がお金と車、ホテルがあってー、そのままプロの世界みたいなー。

わからない人のためにここにインディーズの音楽事情を書く。
(ジャンルやスタイルにより異なりますが大抵こうです)

ライブしてお金が出る=ギャラ

これは企画してくれたバンドやライブハウスが気持ちの交通費として
チケットの売り上げの何割かをもらえます。
だいたい1000円~15000円の間が相場だと思います。
生活していくくらいギャラがでるなんてそうそうないです。
みんながどんな人でも大抵知ってるインディーズバンドでも
1ライブで何十万ももらってるバンドないです。
共演した大抵どこいっても100~500人客を呼べる
東京のSOBUTだって15万程度で来てくれてます。
これにホテル代、交通費、ギャラ、食事、含まれてます。


ツアーの移動はもちろん自家用車です。
たいがいバンドの誰かが機材車というワンボックスを購入して
それにアンプ、楽器を詰め込んで移動します。
ガソリン、維持費、これらも自腹です。

某バンド漫画では、よくライブ終わるとホテルに行きますが、
実際ツアーで呼ばれてそんな事してくれるバンドはNOPAINくらいです(おとこまえ)
ハードコアやロックに多いだけかもしれないけど、ツアーバンドはよほどの事がない限り共演者の家に泊めてもらうか、
機材車で眠るか、我々みたいにネットカフェで寝るか、自腹でホテルです。
何十万と自腹を切らなきゃいけないツアーにホテル代なんてもったいなさすぎる。

ツアーするバンドはたいてい仕事して金を稼ぎ、その金でツアーを回る。
もちろん各地域で自分らの商品が売れればプラスになるけど
ほとんどが自腹。借金してでもみんなツアーを回っとる。

これが現状。

プロなんてそこそこ慣れるもんじゃない。
最近の漫画やテレビはあまりにサクセスストーリーじみてて若い人らが
まるでマインドコントロールされたかのように安易な世界だと勘違いしとる。
血や汗をどれほど流してもどれほど時間と金を使っても、プロの世界にゃなかなか通じれるもんではない。


しかもその子はその程度のベースの腕でそういった生活が出来ると思ってしまってる。

ぬるい。

甘い。

だめすぎる。

それで生活できるなら俺いまごろ大金持ちやわ。

わけのわからん情報をメディアが流しすぎる。

みんな腹痛めて、借金して、仕事クビになってでも聴いてほしくて、有名になりたくてツアー回っとるんよ。
死ぬほどもがいて生きぬいてるのに、こういう考えをもった若者だらけが
生産されてしまい、残念で仕方ない。

その子は辞退してきたんだけど、今後、音楽で生活していくという
信念が本物なら、もうすこし腕を上げたほうがいい。
最低でも、テレビにでとるミュージシャン程度には。