九州神社紀行-ブログ

北九州近郊を中心に神社および周辺風景の撮影日記です。

伊太祁曽神社(和歌山県和歌山市)

2023-12-14 14:23:06 | 神社参拝ー近畿

 おことわり:掲載の写真は、参拝当日(08/19/2008)のものです、現在と異なっている場合があります。

伊太祁曽神社を掲載しました。


 「式内社」 伊太祁曽神社(いたきそじんじゃ) 
<通称>山東の宮(さんどうのみや)
【鎮座地】 〒640-0361 和歌山県和歌山市伊太祈曽558 旧紀伊国 名草郡
【電話】  073-478-0006
【旧社格等】 官幣中社 (現別表神社)
       紀伊國一の宮
        式内社 紀伊國名草郡 伊太祁曾神社 名神大 月次相嘗新嘗    
【御祭神】  五十猛命     
【例祭】 10月15日 例大祭
【御由緒】
 紀伊国一之宮 伊太祁曽神社のご由緒

     妹神 大屋津比売命
ご祭神 五十猛命(須佐男命の御子)
     妹神 都麻津比売命

 五十猛命は、木の神様であり、国土緑化の神様でもあり ます・二柱の妹神と共に全国の山々に木を植えて 青山となされた御神徳は高く、紀州(木の国)の祖神として柰められています。
また、父神須佐男今と共に浮宝(浮船)を造り住民 に漁の業を教えたことから漁業関係者の信仰殊に篤く、航海・交通安全を司る神様でもあり、さらに 大国主命が八十神に今を狙われた時、当社へ身を寄せ、木の俣をくくって難を逃れたことから「いのち神」 として災難除・厄除の信仰も起りました。
 当社は、五十猛を祀る全国多数の神社の総社、 紀州一之店として木材業・山林業など木に関係する生業の方々を始め漁師等の尊崇が篤く、厄除・交通安全・病気平癒等の祈願の多い神社であり」す。

 主な祭典
卯杖祭(一月十五日)卯杖・小豆粥・粥占神事,
木祭(四月第一日曜日)木霊感謝祭·植木市
茅輪祭(七月三十・三十一日)わくぐり・夏越の祓
例大祭(十月十五日) 新設感謝の秋祭・神輿渡御  

 (「一の鳥居」 由緒掲示板)

伊太祁曽神社 いたきそじんじゃ
和歌山市伊太祈曽。旧官幣中社(現、別表神社)。俗に山東宮という。
 『旧事紀』によれば、素盞鳴命の子五十猛神(大屋彦)・大屋津姫神・抓津姫神は紀伊国に坐し、紀伊国造の斎祠神であるという。
『日本書紀』には、三神が木種を分布し、天降って韓地に植えず、筑紫から始まり国内全部に青山に播植したと記している。もとは三神ともに鎮祭していたのを、『続日本紀』大宝二年(702) 二月 朔条に、「是日分遷伊太祁曽、大屋津比売、都麻都比売三神社」とあるによって、 独立して祀られることとなった。『釈日本紀』にも祭神を五十猛神とする。
 『新抄格勅符抄』大同元年牒に、神封五四戸紀伊国 加一二戸を記している。神階、嘉祥三年 (850)従五位下、貞観元年(859)従四位下、延喜六年(906)正四位上に叙せられ た。
延喜の制、名神大社、月次・相嘗・新嘗の官幣に預かる。神社名には諸説あるが、 志賀剛は、イタコソでコソは社、イタはイ ユタチ(湯立)→イタチ(伊達)→イタとな った、として、伊達神社も五十猛命を祀ると主張している。『日前大略』は国造昌長記に日として日前宮とともに国造の兼祭したところである旨を戴せている。
 のち、紀伊国一の宮に称され、久安四年(1148)御神楽田七段への雑役を停められ、承久二年 (1220)安原郷にある神田臨時の課役を免じられたという。天正年間(1573-92)豊臣秀吉によって社領を没収されたが、羽柴秀長の所領になって社殿を建立、ついで浅野氏の時代に社領を寄せられた。
 祭礼、卯杖祭一月一五日(卯杖筒粥占神事)、木祭四月第一日曜日(木材関係神事)、茅輪祭七月三〇日(わくぐり厄除神事)、例祭一〇月一 五日(神輿渡御あり)。宝物は御綸旨(久安・ 承久・弘安、延元·正平・明応年)刀剣類多数を有す。境内地に天の岩戸と称する洞窟あり。また、霊石お猿石というものあり、泉州方面の人々の信仰が篤い。 (菅居)
  (東京堂出版 神社辞典より)

【参拝月日】 08/19/2008

一の鳥居
紀伊半島の北西部に位置し、紀伊川河口の和歌山市にあります。わかやま電鉄貴志川線伊太祁曽駅のすぐ南に鎮座。和田川に架かる朱の欄干の橋を渡ると参道の入り口の一の鳥居です。
 鳥居の右には、「紀伊國一之宮 伊太祁曽神社」とある社号標。裏に、「神社本廳 統理 徳川宗敬」とあり、平成16年4月吉日の日付が見られます。徳川宗敬(1897-1989)氏は、神社本庁、04代統理として(1976-1989年)務められたようです。平成16年(2004年)の建立であれば、徳川宗敬氏は、1989年お亡くなりなられていますので、生前の書と思われます。

参道
 鳥居をくぐってすぐ、左に、門の神様「櫛磐間戸神」「豊磐間戸神」をお祀りしている、櫛磐間戸(くしいわまど)神社があります。

二の鳥居 
 参道両側に立ち並ぶ、「木の国神話の社 紀州一之宮 伊太祁曽神社」の奉納幟の中を進むと、右手に見えてきます。
  鳥居の両側に一対の狛犬と灯篭があります。奥に太鼓橋から社殿のある境内です。

太鼓橋
 社殿のある境内へは、神池に架かる太鼓橋を渡ります。

ご神木(大杉)
 当神社のご神木として当地に聳え樹齢千年とも云われていました。昭和37年(1962)落雷によって枯れました。上部は伐採され割拝殿と和歌山市立博物館に保存されています。

割拝殿
 右に授与所、左に手水舎があります。中央の石段を上がると、奥の拝殿に通じています。

「木の俣くぐり」のご神木
 保存されたご神木の一部です、割拝殿内にあります。大屋毘古神(五十猛命)が大国主神の災難を救ったという古事記神話にちなんだ厄除けの木の俣くぐりです。
  
チェンソーのの干支
 毎年4月の木祭りに世界チャンピオンの城所啓二氏がチェーンソーカービングの実演奉納で翌年の干支を彫ります。 このチェンソーと同じ意匠の木彫り置物を授与所で販売しているようです。

チェンソーの彫刻
 干支と同じく、城所啓二氏の作。見事な出来栄えです。

割拝殿から拝殿
 割拝殿を出ると石畳の参道があり、杉の木が立ち並んでいます。奥の一段上に、左脇殿、本殿、右脇殿への三つの拝殿が並んでいます。一般の参拝者は立ち入れるのは、ここまでです。

拝殿(五十猛命)
 拝殿中央の主祭神(五十猛命)を祀る本殿への拝所です。

拝殿(都麻津比売命)
 拝殿向かって左端にあります。

拝殿 (大屋津比売命)
 拝殿向かって右端にあります。

本殿と左脇殿 
 本殿、左右脇殿とも垣と樹々に囲まれた中にあり、全容は見られません」。屋根の鰹木、千木が辛うじてみられる程度です。本殿と左右脇殿には日本中に木を植えて廻った神「五十猛命」と2柱の妹神「大屋津比売命」「都麻津比売命」が祀られてぃます。
 左脇殿(向かって右)には、大屋津比賣命が祀られています。左脇殿の千木は、通常、女神では内削ぎですが、此処では外削ぎになっています。神社本庁によると決まりは無いようです。

本殿 
 主祭神(五十猛命)を祀る中央の本殿です。五十猛命は素戔嗚尊の御子神で我が国に樹木を植えて回り、緑豊かな国土を形成したとされています。
 当社の創始は不詳ですが、「続日本紀」の文武天皇大宝2年(西暦702年)の記事に「伊太祈曽・大屋津比売・都麻津比売の三神を分かち遷す」とあり、これが当社の初見です。
 古くは、日前神宮・国懸神宮に祀られていましたが、垂仁天皇16年(西暦紀元前14)、現社地近くの「亥の森」に遷座され、和銅6年(713)現在地に鎮座したと伝わっています。

本殿と右脇殿 
 五十猛命とその妹神、大屋津比売命、都麻津比売命は「伊太祁曽三神」と称され、「紀伊国の語源である「木の国」の祖神、紀伊國の守り神として信仰を集めています。
 
 五十猛命は、大国主神の命を救ったことから「いのち神」、また浮宝(船)を造り、大漁、航海安全のご神徳から「浮宝の神」として信仰されています。

境内
 拝殿の左端から本殿を望む景観です。本殿の左端下に右脇殿の千木がのぞいています。左に蛭子社、その右下に「おさる石」が見られます。

蛭子(ひるこ)社
 境内左、本殿の左にあります。御祭神は恵比寿神、氏子である山東地区の諸社を合祀しています。

霊石 おさる石
 猿の頭に見えるところから「おさる石」と呼ばれる。古くは参詣者が本殿参拝の前に手をあてて心気を鎮めたと伝えられる。今日では首より上の病に霊験著しいという。
 
ときわ山(古墳) 
 当社境内には、伊太祁曽神社古墳群とよばれる3基の円墳があり、その内1号墳は横穴式の石室で神社では「天岩戸」とよんでいます。
奈良時代初期のものといわれ、当社の鎮座の年代とほぼ合致しています。

参拝記念の碑 
 毎年4月第一日曜日に斎行される、「木祭り」(木に感謝するお祭り)には、全国から多くの木材、林業の関係者が参拝されます、これの記念碑です。裏に昭和56年4月5日(日)の日付があります。

祇園神社
入り口の鳥居です。祇園神社は、五十猛命の父神である「素盞鳴尊」と「天照皇大神」「埴安比売命」をお祀りしています。

拝殿から割拝殿
 拝殿前、割拝殿とも割と広く感じられます。

境内から太鼓橋
 本殿、拝殿、脇拝殿、太鼓橋、二の鳥居と一直線に並んでいます。二の鳥居の向こうには古墳があります。

参道から一の鳥居
 当社の北西、紀ノ川の南側には「紀伊風土記の丘」が広がっており、中心の岩瀬千塚古墳群(国の特別史跡)は600基を超える古墳のほとんどが6世紀の築造と云われ、この地が早くから開けていたことがわかります。


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