2009年12月5日、輪島市三井町"三井の里"で保存されている茅葺民家旧福島邸で奥能登能登の奇祭"あえのこと"が実演されました。
(三井の里は能登空港や能越自動車道能登空港インターから10分弱で、輪島市街へ向かう途中に位置します)
"あえのこと"は奥能登の農家に伝わる神事で、田の神様への一年の感謝を込めて行われ毎年12月5日と2月9日に行われ、"あえ"は飲み食いすることやごちそうを意味する餐、"こと"は祭りを意味します。
1977年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2009年には、ユネスコの世界無形遺産にも指定されています。
"あえのこと"は農作業の終わった12月5日に裃姿に正装した一家の主人が苗代田へ田の神様(夫婦)を迎えに行き自宅へと招き入れます。
家では一年の労をねぎらい、入浴やご馳走でおもてなしを行います。
田の神様は土の中にいるので目が不自由だと言われていて、もてなす家の主人は田の神様に不自由の無いように、声をかけ案内し接待します。田の神様はそのまま家で越年し春へ向けて休息を取ります。
翌年2月9日には12月5日同様におもてなしを行い、その年の豊作年を祈り田の神様を田へと送りだす"田の神送り"が行われます。
小豆(あずき)飯、みそ汁、煮しめ、尾頭付きなどを盛り付けた膳(ぜん)を一つ一つ説明しながらすすめ、甘酒も供えられます。
家の主人はあたかも目の前に田の神様がいるかのように声をかけ、目の不自由な神様へ心配りをしながらおもてなしを行います。
"あえのこと"のやり方は地域によって多少異なり、今回三井の里で行われた"あえのこと"は地元の古老などから聞き取り調査を行い、可能な限り伝統的な作法を再現して行われたそうです。
田の神様は夫婦神なのでお膳を2組用意するところが多いのですが、三井の里では1組だけでした。
今回は鯛の尾頭付きが供えられていましたが、ハチメ(メバル)が供えられているところも多いようです。
うちの実家はハチメです。
葉付きの一本大根は男神に、二股(ふたまた)大根は女神に供えられます。
大きな箸は栗の木で、福を招くとか。
一連の神事が終わると家族は下座(しもざ)で各自の膳について供え物と同じ料理をお下がりとしていただきます。
以前は奥能登の農家ではどこででも見られた"あえのこと"ですが、今では数軒を数えるのみと激減しています。忘れ去られているのは"伝統"だけでしょうか?私には"心"が失われていっているように思えるのですが・・・。
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