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浅田選手の五輪出場特例について

2005年12月21日 | スポーツ・プロ野球など

12月17日、フィギュアスケートのグランプリファイナルで優勝した浅田真央選手が年齢制限によってオリンピックに出場できない件について、日本スケート連盟は国際スケート連合(ISU)に対し特例の申請を行わないことに決めました。このことについて日本スケート連盟に対し400通もの懇願メールが届いているようです。

浅田の五輪特例、日本連盟求めず…ISU会長見解受け 

「真央を五輪へ」働きかけ求めるメールが400通も 

まあ、あれだけの圧倒的な演技を見せられれば、なぜ五輪に出られないのか?といいたくなる気持ちはわからないでもありません。しかしながら私は今回は特例を認めるべきでないと考えます。理由は以下の示すとおりです。

■ もともとトリノ五輪の選考対象ではなかった

現在の日本女子フィギュア界は浅田選手だけでなく安藤選手、中野選手、荒川選手、村主選手など世界を争える強豪選手がひしめいている状況です。浅田選手以外の選手はまず国内の選考に勝ち残るべく、厳しいプレッシャーの中で戦ってきているのです。トリノ五輪は眼中に無かった浅田選手とはプレッシャーのかかり方が違うと考えます。よって、当初からトリノ五輪出場を狙っていたほかの選手と同列に比較するのはアンフェアといえるでしょう。

■ 年齢制限はある程度やむを得ない

ISUの規定には2005年7月1日に15歳になっていない選手は翌年のオリンピックには出場できないことが明記されています。このルールは、選手の体調面を考慮して決められたもののようです。フィギュアスケートは体に何トンもの加重がかかるといわれ、非常に体に無理を強いるスポーツといわれています。そのような過酷なスポーツでありながら、体の軽い若い選手の方がジャンプが飛びやすいので高得点が狙いやすいという側面もあるようです。結果として成長過程にある若い選手に無理をさせることにつながってしまい、選手の体調面で深刻な影響を与える可能性が高まります。年齢制限ルールはこうしたことに配慮したものと思われます。

そうは言っても、今回の浅田選手の場合はたった1ヶ月2ヶ月の差ではないか、という意見もあります。これについては確かに強引な線引きではあるかもしれませんが、もっと柔軟なルールにしてしまうと結局は大人の都合でルールを規定した本来の趣旨をねじ曲げてしまい、選手の体調面配慮という本来の目的を果たせなくなる可能性があります。喫煙・飲酒が20歳から、というのと同じで、この手の線引きがどこかで必要になるのは仕方ないと思います。

それではなぜグランプリファイナルのような国際試合には出場権を与えているのか、という点も疑問としてあるところだろうと思います。ただ、このような国際試合は選手個人・コーチ陣・協会・そして国民全体の最終到達点ではないため、腕ためし的に参加くらいは認めてもよいであろうということだと思います。一方、五輪のように選手の最終目標と位置づけられている大会の年齢制限が下がるということは、強化対象が低年齢化し、結果として選手の体調に深刻な影響を与えることになりかねないので、これは避けなければならないでしょう。

ISUのルールについては、こうしたきれい事だけではなく、いろいろな思惑があるようなことも一部報道されていますが、それを差し引いても上記の理由から今回の浅田選手のトリノ出場特例を認めないとする措置は妥当ではないかと考えます。彼女には今回は無理をせず、ぜひ2010年のバンクーバー(19歳)、2014年(23歳)、2018年(27歳)のオリンピックぐらいまでは頑張ってもらいたいですね。金3つを期待しましょう。



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